恋愛ストーリーとしても見どころ満載の“権力を極めし者”(ネタバレ控えめ)【オクトラ大陸の覇者シナリオ秘話インタビュー4】
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- タダツグ
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スクウェア・エニックスのiOS/Android用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー) 大陸の覇者』の開発者インタビューをお届けします。
本作が2月4日に配信100日を迎えたことを記念し、開発ディレクターの鈴木裕人氏とメインシナリオを担当された普津澤画乃新(ふつざわ かくのしん)氏へのインタビューを、複数回に渡ってお届けします。
※ストーリーのネタバレが含まれますので、ご注意ください。
タイタスは脳筋な小者だった? “権力を極めし者”の魅力
――では、続けて“権力を極めし者”編ですが。こちらに関しては、別のライターさんが作り上げたものを普津澤さんが監修する形で進んでいったシナリオだとおうかがいしましたが、ほか2つのシナリオと比較してどのような立ち位置を意識していたのでしょう?
鈴木D:これは僕からご説明します。“富を極めし者”編について、普津澤からは勧善懲悪という意味で王道という言葉が出ましたが、“権力を極めし者”の物語は、圧政者に対する反抗という意味での王道が描かれています。
“富を極めし者”編ではバルジェロたちの友情が横軸としてあるように、“権力を極めし者”ではヴェルノートとリンユウの恋愛が横軸になっていて、見え方や受ける印象こそ全然違うものの、これらもまたひとつの王道ではありますよね。
――タイタスはたしかに権力も持っていますけど、なんというか筋肉って感じですよね。何事も力で解決しようとしすぎというか、盲目的というか。ヴェルノートを信用しすぎ(笑)。
鈴木D:まさしくそのとおり(笑)。でも、じつは今の言葉って、タイタスという人間の本質をとても正確に突いている気がしますね。
彼は権力を妄信しすぎていて、力さえ手に入れれば誰もが自分の言うことを聞くという前提で動いているんですよ。だから、ヴェルノートにも簡単に足元をすくわれてしまう。
戦闘力こそ高いのですが、ヘルミニアやアーギュストと比較したらボスとしての格は低いように思います。ひと言でいえば小者ですね。
――小者だからこそ、指輪を使って権力を求めたのかもしれませんね。なんかそれを聞くとちょっと憎めない気もしますけど、やってることは外道そのものだからなんとも……。ちなみに、お気に入りのシーンやキャラクターなどいれば教えてもらえますか?
鈴木D:ユルゲンというキャラと、彼にまつわるエピソードが好きですね。抗えない立場にいながら、そこであがいている彼の感情はとてもリアルで、悪役でありながらも印象深いです。
2章でリンユウを追い詰めた際、ヴェルノートがタイタス陣営を裏切ったからリンユウがその罰を受けなければならないと叫ぶシーンがあるんですが、あそこは権力に屈して支配されている自分を認識していながら、それを正当化せざるをえない悲哀が感じられて、すごくグッとくるんですよ。
ユルゲンを演じてくれた声優の竹内栄治さんの演技も素晴らしく、収録中に木寺と2人で思わず涙ぐんでしまったくらいです。
――あそこのシーン、八つ当たりも甚だしいと思いながら見ていました(苦笑)。少し見え方が変わってきますね。では、普津澤さんはいかがですか?
普津澤:僕はタイタスの、“小者なところ”がいいと思うんですよね。
“権力を極めし者”編については、僕はセリフ回しを監修する立場だったんですが、タイタスの今際のセリフを“チッ”という舌打ちにさせていただきました。
死ぬ直前のセリフが舌打ちって、いかにもタイタスらしいかなと。「何もかもうまくいかねえ!」というヤツがボスの1人として登場するのも、これはこれで引き立って面白かったなと思っています。
鈴木D:ちなみに、元々のシナリオを手掛けてくれたライターさんもタイタスは小者であると明言していました。
見た目についても、もっと小者っぽくしてほしいというオーダーもあったんですが、そこまでやってしまうとボス感がなくなってしまうので(笑)。小物だからこそ見た目にこだわる、虚勢を張っているという側面も踏まえた上で、きちんと彼の魅力が伝わるグラフィックとなりました。
『オクトラ』シナリオ秘話インタビュー
- 1:絶望にまみれたダークストーリーの誕生秘話と副作用(ネタバレ控えめ)
- 2:富、権力、名声…欲望の象徴が物語の主軸となった経緯(ネタバレ控えめ)
- 3:若きギャングスターが活躍する王道ストーリーが“富を極めし者”の魅力(ネタバレ控えめ)
- 5:問題シーンだらけ。名声を極めし者アーギュストの話を掘り下げます!(重大なネタバレあり)
- 6:そこまで…考えられていたのか!? 大女優の死に際のセリフに込められた意図(重大なネタバレあり)
- 7:ラストバトル演出を含めて、全てを極めし者に切り込む!(重大なネタバレあり)
- 8:ネフティとキャットリンの深いところも聞いちゃいました(ネタバレ控えめ)
- 9:今後のシナリオ更新速度やコンテンツボリュームは?(ネタバレ控えめ)
- 10:あの処刑シーンでカメラがパンアップ…生存確率は!?(重大なネタバレあり)
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『オクトパストラベラー 大陸の覇者』特集ページはこちら(電撃オンライン)
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OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: iOS
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2020年10月28日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: Android
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2020年10月28日
- 価格: 基本無料/アイテム課金