そこまで…考えられていたのか!? 大女優の死に際のセリフに込められた意図(重大なネタバレあり)【オクトラ大陸の覇者シナリオ秘話インタビュー6】
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- タダツグ
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スクウェア・エニックスのiOS/Android用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー) 大陸の覇者』の開発者インタビューをお届けします。
本作が2月4日に配信100日を迎えたことを記念し、開発ディレクターの鈴木裕人氏とメインシナリオを担当された普津澤画乃新(ふつざわ かくのしん)氏へのインタビューを、複数回に渡ってお届けします。
※ストーリーのネタバレが含まれますので、ご注意ください。
死に際のセリフに込められた意図。フランセスカはシュワルツの正体に気づけたのか?
――ここからは“全てを極めし者”編までクリアしているプレイヤーさんを想定し、ネタバレありの前提でお話を聞いていきたいと思います。
普津澤:承知しました!
鈴木D:どこまでお答えできるものか手探りではありますけど。というか、これまでのお話もだいぶネタバレがあった気もしますけど(笑)。引き続きよろしくお願いします。
――“全てを極めし者”編に突入する前に、少しだけ“名声を極めし者”編で聞いておきたいことがあります。単刀直入にいって、ミハエルはアーギュスト本人とフランセスカの間に生まれた実の子どもという認識でよろしいですか?
普津澤:そのへんは、ご想像にお任せしたいです(笑)。
というのも、物語の解釈はプレイヤーさんにお任せしたいという気持ちがありまして。作った側が「こうです」と断定してしまうと味気なくなってしまうかなと。僕としては、ゲーム内にあるテキストが全てのつもりです。
――個人的に、あの2人の遺伝子を受け継いでしまっているとしたら、なかなかヤバイことになってもおかしくないような……。いや、マイナスとマイナスをかけ合わせればプラスになるって可能性もありますかね。あとは環境も大きく関わってきそうですし、想像が広がります。もはや妄想ですね、そういう意味では、普津澤さんの掌の上で踊っている感触があります(笑)。
普津澤:そういった想像の余地があってほしいんですよね。
ユーザーさんがそれぞれ想像したり育てていただいて膨らんでいくのも、またいい物語なのかなと。
――そう考えると、アーギュストという人物は考察や妄想が捗るキャラですよね。結局、フランセスカが見捨てたミハエルも、アーギュスト本人であるシュワルツが解毒薬で助けるわけですし、息子への情がなかったわけではないのかな、とか。“全てを極めし者”のエンディングでサイラス先生に教わっていることがわかったときにはホッとしましたよ。シュワルツにどこへ連れていかれたのか、気になっていた人も多いと思うので。
普津澤:はい。とはいえ、物語や設定はチームで協力しながらなるべく細部まで作り込んでいます。どんどん考察したりしてもらえるとうれしいです。
――普津澤さんはアーギュストと彼を演じる役者、それぞれのセリフをかき分けるうえで、何か違いを盛り込んでいたりはしましたか?
普津澤:役者が演じているアーギュストのセリフに関しては、完全にアーギュスト本人のつもりで考えていました。とくにセリフや行動に違いを設けたりはしていません。
ただ、違和感を覚えるような伏線はいくつか本編通して入れていますので、もしもう1度最初からプレイしたら、新たな発見があるかもしれません。
鈴木D:ちなみにゲーム内のイベント設計でいえば、セリフなどは明確に分けて作っていました。
役者が演じるアーギュストは“偽アーギュスト”と銘打って、ちゃんと話者のラベルを分けて管理しています。もし間違えて同時に存在してしまうと、おかしなことになってしまいますからね。
――納得です。では、前回あえてお聞きしなかった“名声を極めし者”編につきまして、お2人のお気に入りのシーンをお聞かせください。
普津澤:僕はラストシーンがお気に入りです。実際にプレイしてみて、これまでアーギュストだと思っていた人間がじつはアーギュストじゃなかったと判明するシーンは、自分でシナリオを書いておきながら「えーっ!」と鳥肌が立ちました。
――あそこのシーン、僕は“名声を極めし者”編から始めていたこともあって、二重にビックリしたんですよね。「えっ、お前本当はアーギュストじゃなかったん?」と驚かされ、そこから「ええっ、お前変身までしてもう一回戦うの?」という、二重のサプライズ。ちなみに初めて全滅しました……。では、続けて鈴木さんのお気に入りのシーンを教えてください。
鈴木D:僕は2章のラストシーンですね。あそこは前フリとして、庭にある絞首台のお話がされていたと思うんですけど、あれをそのまま再現しようと普津澤とは話していたんですよ。
本当はオブジェクトまで作っていたんですけど、設計的にどうしてもうまくいかなくて。もう1度普津澤と相談し、最終的には毒薬という設定にしてもらいました。
試行錯誤はありましたが、声優さんたちの迫力の演技や開発スタッフの努力もあって、きちんと緊迫感のあるイベントに仕上がってくれてよかったです。
――結果、あそこでフランセスカが命を落とすことになるわけですが、それを看取ったのはシュワルツなんですよね。つまるところ、彼女はアーギュストの腕の中で息絶えるわけで、ちょっと運命的だと思いました。
鈴木D:あそこはどんな感情を抱いていたのか、普津澤と話して詰めたうえでセリフや演出を決めました。
普津澤:最後の言葉は、何かに気づいたように「あ……」で終わるんですけど、彼女ははたしてシュワルツの正体に気づいたのか否か……。判断はプレイヤーさん自身に委ねたいって話をしましたね。
――あそこのセリフにはそんな余韻があったんですね……。ものすごくドラマティック。普津澤さんは天才ですね。
普津澤:唐突なお褒めのお言葉……ありがとうございます(笑)。
『オクトラ』シナリオ秘話インタビュー
- 1:絶望にまみれたダークストーリーの誕生秘話と副作用(ネタバレ控えめ)
- 2:富、権力、名声…欲望の象徴が物語の主軸となった経緯(ネタバレ控えめ)
- 3:若きギャングスターが活躍する王道ストーリーが“富を極めし者”の魅力(ネタバレ控えめ)
- 4:恋愛ストーリーとしても見どころ満載の“権力を極めし者”(ネタバレ控えめ)
- 5:問題シーンだらけ。名声を極めし者アーギュストの話を掘り下げます!(重大なネタバレあり)
- 7:ラストバトル演出を含めて、全てを極めし者に切り込む!(重大なネタバレあり)
- 8:ネフティとキャットリンの深いところも聞いちゃいました(ネタバレ控えめ)
- 9:今後のシナリオ更新速度やコンテンツボリュームは?(ネタバレ控えめ)
- 10:あの処刑シーンでカメラがパンアップ…生存確率は!?(重大なネタバレあり)
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『オクトパストラベラー 大陸の覇者』特集ページはこちら(電撃オンライン)
『オクトパストラベラー 大陸の覇者』公式Twitterはこちら
OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: iOS
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2020年10月28日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: Android
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2020年10月28日
- 価格: 基本無料/アイテム課金