【ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話】勝負服ってスゴイよねというお話
- 文
- 柿ヶ瀬
- 公開日時
- 最終更新
このたびこちらの『ウマ娘』コラムを執筆させていただくことになりました柿ヶ瀬と申します。
当コラムは『ウマ娘』を競馬好きの視点で見た時に、ただでさえおもしろい『ウマ娘』がもっとおもしろくなるかもしれないよ、というコラムになる予定でございます。
競馬歴はオグリキャップが中央に来る前(当時小学生)くらいから見ていますので、30年ちょっとくらい(馬券歴は別ですよ!)。そしてオタク歴も同じくらいの長さでもって人生を歩んできております。
ですので、“競馬好きが初めて『ウマ娘』をやってみて……”のような内容ではなく、競馬大好き! 擬人化美少女化ドンと来い! 『ウマ娘』は“AnimeJapan 2016”の発表時からずっとチェックしてます! という、ちょっと変わったタイプの人間が書く『ウマ娘』コラムとなっています。
一番好きな競走馬はマチカネタンホイザ。『ウマ娘』に出てくることはないだろうなあとずっと思っていたら、アニメ2期でまさかの登場によりショック死しました。よろしくお願いします。
第1回目は、ウマ娘たちのレース、そしてウイニングライブでの歌や踊りを彩る“勝負服”についてお話していこうと思います。
ウマ娘たちの勝負服について空想してみる
『ウマ娘』では☆3以上のウマ娘には個別の勝負服があります(共通衣装が使われる☆1や☆2のウマ娘であってもピースを使い☆3に開花させることで着てくれます)。これはそれぞれのウマ娘の専用衣装とも言えるものですが、現実の競馬にもある勝負服がデザインのモチーフとなっています。
現実の競馬においては観客や実況アナが、各馬を識別するために使われるもので、馬主さんによって服が決まっています。
例えばセンターであるスペシャルウィーク。現実の勝負服は載せられませんので各々で検索などしていただきたいのですが、紫に白鋸歯型という勝負服になっています。これがウマ娘の勝負服では皆さんもご存知のこの衣装となります。
おわかりいただけるでしょうか。基調は白となっていますがスカートのところに鋸歯型の意匠を残しています。
また、シューズの色が左右で違っています。これは実在のスペシャルウィークの右後脚の蹄のところだけ白かったことからであろうと推測できます。脚の一部分などだけ色が違うというのは現実の競走馬にはよくあることです。なのでこの手の靴の色などが左右で違っている勝負服のウマ娘、他にも何頭かいますのでよかったらチェックしてみるといいでしょう。
このようにカラーリングや模様などを各所に残しつつ、大胆にアレンジメントされたものになっているのがウマ娘の勝負服なのです。
中には現実において同じ馬主さんの所有馬で同じ勝負服であったウマ娘もいますが、同じ衣装をベースとして要素を残しつつもまったく違う衣装になっていたりもしますのでそのあたりも注目してみてください。
また、勝負服だけではなく、例えばナリタブライアンのトレードマークとも言われていた、顔につける白いモコモコとしたシャドーロールという馬具。これが鼻の絆創膏や首のところに表現されていたりなど、細かいところに史実ネタが入っています。
競馬を知らなくても「かわいい(あるいはカッコいい)衣装だな」と思えるウマ娘の勝負服ですが、実際の競馬での勝負服を知れば、この勝負服がどう『ウマ娘』のものへとデザインされたのか? という過程のようなものも想像できて、より楽しめるのではないかと思います。
それでは、現在育成ウマ娘に実装されているものの中で、筆者がおもしろいなあと個人的に思っている勝負服をいくつかご紹介します
ナイスネイチャです。クリスマスカラーかなと思えるような赤と緑を基調にした特徴的なデザインは、もちろん現実でも同色の縦縞に赤い袖。恐らく赤い袖の部分はスカートに変わったものだと思われます。
同じカラーのメンコも印象的だったので、2017年に公式Twitterアカウントで行われた企画“ウマ娘キャラクター名前予想クイズ”で最初に見た時、すぐにナイスネイチャだとわかったものです。また、左脚のベルトは現役時代に左脚を骨折していることから、それを守るイメージで作られたものだろうか、などと考えられるのです(ナリタブライアンも右足の付け根に包帯が巻かれており、現実世界で股関節炎に苦しんだものによるものだと思われる)。
マヤノトップガンです。本来の勝負服は黄色と緑の縦縞に袖は緑の二本輪。しかしご覧のように縦縞部分はなくなり、袖の二本輪が強調されたデザイン。また緑がくすんだカーキ色のような緑に。
見ていただければ分かる通り、実在の勝負服の要素をギリギリ残しつつも、マヤノ“トップガン(アメリカ海軍戦闘機兵器学校の通称、またそれを舞台とした同名の映画が有名)”の名が示す通りにフライトジャケット姿を前面に押し出したデザインになっています。
口癖の「アイ・コピー!(無線用語における了解の意)」なども含めて、戦闘機を意識したキャラクターデザインとされている点におもしろさを感じますね。
ハルウララです。ご覧の通り、ハルウララは体操服姿であり、他のウマ娘と違いきらびやかなステージ衣装、という様相はまったくありません。
しかし、これにももちろん理由があると考えられます。まずハルウララは他のウマ娘たちと違い、現実の競馬においてはJRA、いわゆる中央競馬所属ではなく地方、高知競馬の所属であったということです(地方に所属していた馬はオグリキャップ、イナリワン、ユキノビジンなどがいるがいずれも中央競馬に移籍している)。
中央競馬の勝負服というのは馬主ごとの勝負服となっていますが、地方競馬の場合はほとんどが騎手ごとの勝負服となっています。なので113戦(0勝)もしているハルウララは何度も騎手が乗り替わっているため決まった勝負服というのがありません。こうした理由から、体操服姿になっているのであろうと推測できるのです。
加えて地方の泥臭さを表現しているのでは? とも考えられ、様々な面からハルウララの特殊性が際立つ勝負服になっていると言えるのではないでしょうか。
もちろんここに書いたことはすべて筆者の想像や推察の産物です。しかし、競馬を知っていることで、こうした想像の翼を大きく広げられるようになっているこの『ウマ娘 プリティーダービー』。アプリはもちろん、アニメでも毎週その凄さに唸らされました。
今回は4頭の勝負服を紹介しましたが、ほとんどのウマ娘には何かしらのモチーフが勝負服に残されています。実際の競馬の世界の勝負服、それからその競走馬人生などと照らし合わせて、このウマ娘はこうやってデザインされたのではないか……などと想像していくと『ウマ娘』が1.8倍楽しくなるかもしれません。
このコラムが続くようなら、こういった“楽しみ方”を提示していければと思いますので、お時間がありましたらぜひご一読いただければと思っています! それではまた次回!
■ウマ娘 プリティーダービーをプレイする
【コラム】ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話
© Cygames, Inc.
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります