『モンハンストーリーズ2』開発メンバーが語る特徴は遊びやすさと表現力の向上! バトルの改良点や村の設定も
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カプコンから7月9日に発売されるNintendo Switch/Steam用ソフト『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』の開発者インタビューを掲載する。
『モンスターハンター ストーリーズ』は、『モンスターハンター』の世界観を楽しめるRPG。モンスターと絆を結んで共存する“モンスターライダー”となり、ストーリーやクエストを進めていく。
質問に回答しているのは、辻本良三プロデューサー、大黒健ニディレクター、川野隆裕アートディレクター。新たに公開された物語の要素やキャラクター、本作のバトルにおける特徴やゲーム全体のポイントなどについて聞いている。
なお、インタビュー中は敬称略。
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公開された物語や登場キャラなどについて質問
ーー発売前ということで、物語についてもいろいろなことが発覚しています。大穴から発生した光によって、モンスターが狂暴化する現象“凶光化”ですが、物語中だけでなく、バトルにも影響はあるのですか?
大黒:はい、あります。“凶光化”に影響されたモンスターとのバトルはあります。
バトルの中での具体的な変化については体験してほしいので、今日の時点ではここまでにしていただけますでしょうか。端的に言うと“強い”です。
(一同笑)
大黒:そのため、凶光化モンスターが出てきたら、いわゆるRPG的な区切りになったと思っていただけますでしょうか。
ーーちなみにオトモンが“凶光化”になったり、オトモンを“凶光化”させたりすることはあるのでしょうか?
大黒:するどい質問ですね。……“凶光化”は物語に大きくかかわるのですが、オトモンはしません。なぜしないのかは物語で確認してください。
ーー前作から登場するアユリアについて、デザインのポイントはどちらですか?
川野:デザインのポイントは、前作からイメージを壊さないような同じような印象の色使いをベースにしています。それでいて、成長を見られるようなものにしています。
以前はミニスカートでワンピースという、少し幼い衣装のデザインでしたが、今回はロングブーツをはいているなど、少し大人の衣装を意識したものになっています。
ーーデザインで気に入っているところは?
川野:胸の上にある絆石の場所ですね。前作から引き続き、同じ場所にあるのですが、主人公のライダーとは違う場所にあるのは、特徴でありポイントです。
ーー前作で心を開いた後の状態ということでよろしいでしょうか?
川野:その認識で問題ありません。とはいえ、前作を遊んでいない人でも、特にそこは意識せずにキャラに感情移入できるような物語になっています。
ーー前作では人気のキャラでしたが、開発としては狙いどおりですか? 開発内部での人気はどうでしたか?
川野:前作を作っている時から、開発チームの中でも人気はかなりあるキャラ。チーム内でも反応はよかったので、人気は出そうだと思っていました。
本作『ストーリーズ2』は物語的につながっている部分もあるので、続投させようとスムーズに決まりましたね。
ーー答えにくいかもしれないのですが、本作では温泉シーンはありますか?
(一同笑)
川野:ええっと……ゲームを最後までやっていただければわかると思います。
ーーなるほど。どっちなのか、楽しみにしておきます。オトモンであるヒョウガは、額に鉢金をしているのですが、こちらはアクセサリーとして装備できるようになっているものなのでしょうか? それともデザイン上のものでしょうか?
川野:こちらはあくまでデザイン上のものです。“共闘パートナー”で他のライダーと一緒にバトルする際に、そのオトモンが出てきます。
そのモンスターには少し特別観を出したいということで、名前がついているうえに、顔のまわりに装飾物などをつけるようにしています。視認性を上げるという役割もあります。
ーー謎のアイルー・オルゴが公開されました。眼帯をしていますが、過去に何かあったのでしょうか?
川野:設定には喧嘩早いというものがありました。眼帯には強そうなイメージがあるうえに、生傷が絶えないようなキャラ設定だったので、そこらからふくらませています。
ーー“ヌア・テ村”は、これまでの村とは異なるような装飾やデザインが特徴ですが、どのような村になっているのですか? 文化などは独特なものが形成されているのでしょうか?
川野:あそこは竜人族の村で、外界と交流を絶っています。そのため、ハンターたちの影響に受けていないような独自の場所になっています。
ハンターの町は西洋的なものを意識していて、装飾もそうなっています。“ヌア・テ村”は人があまり立ち入れない場所になっているということで、そことは異なり、アジアの山岳地帯のようなイメージにしています。
前作から引き続き大事にした部分、変えた部分は?
ーー“イノリの壺”と“ツキノ占い”という要素について、ご説明いただけますか。
大黒:サブ要素になります。前作でも似たようなものがありましたが、ゲーム中でちょっとしたバフ効果を受けられます。“イノリの壺”は、それを使える要素です。
その中の1つに“ツキノ占い”があります。気がつかれている人も多いのですが、ツキノは開発チームの推しキャラになります。そんな推しキャラのツキノをもっと出したいというと、amiibo(アミーボ)の要素を使いたいということで、用意しました。
amiiboを使用することで運勢を占う“おみくじ”ができて、その結果でアイテムが手に入ります。
ーー遊んでいる中で、音楽がより壮大なものになっているというか、広がりを感じられる曲が増えたと感じたのですが、曲の方向性や収録方法などについて、前作から変えたところ、もしくはあえてなぞったことなどは、ありますか?
大黒:明確な違いを出そうとはしていません。前作では“RPGの『モンスターハンター』を作る”という中で、テーマ曲などを壮大なものにすることが決まりました。今回もそこは大事にしながら作っています。
本作は表現力があがったことでイベントシーンが作りこまれ、演技力がものすごく向上しています。できあがったイベントシーンでドラマティックな展開があるのを見た作曲メンバーは、「このシーンがより盛り上がるような音楽にしよう」と刺激されました。
ビジュアルの力がすごかったことで、音楽もそれに負けないように魂を込めて作った結果、相乗効果でより壮大な曲に仕上がったと感じています。
ーー本作の開発時に、前作でのユーザーの反応を見て変えたことはありますか?
大黒:いろいろとあるのですが、大きくはバトルシステムと伝承の2つです。
前作では『モンハン』をコマンドバトルにした感覚を表現しようとして、モンスターの癖を覚えると立ち回りがうまくいくシステムにしました。ただ、ゲームのバランスを考えて行動にランダム性を入れたのが、うまくいっていないところでした。
今回はモンスターの行動はパターン化させています。そのため、行動を見切ると“ずっと俺のターン”のように、モンスターを手玉にとれるようにしました。
また前作における伝承は、本当に楽しんだのはおそらくクリア後からだったと思います。ただ、我々はクリアまでにいろいろやってほしいと思っていて、その感覚がずれていました。
本作では改善して、絆遺伝子を自由に配置できたり、どんどん強化できたりと、ストーリーをプレイしている中でも楽しめますし、やりこみ要素はクリア後にさらに深くなるようにしました。
川野:デザインで大きいのはキャラクターの等身を上げてリアリティを出したことです。あとはドラマシーンや絆技など、前作でいい反応をいただいたところはより強化しています。
辻本:前作よりも幅広い人にプレイしていただけることを意識して、グラフィックや世界観などを作りました。ただし、リアルにしようとは思っていませんでした。
『ストーリーズ2』としての絵作りや世界観の正解はどれなのかを模索して、1つの答えだと思っているものが今のものです。例えばタイトルロゴだけを見ても、『ストーリーズ2』のコンセプトにあったデザインにすることを意識して作ってきました。
ーー前作以上に海外ユーザーの反応が多いと感じているのですが、そちらはいかがですか?
辻本:海外の人は“JRPG”というジャンルに注目されています。そのうえで今回は絵作りを評価していただいている印象を受けます。
もちろん全世界で同日発売となるので、グローバルで多くの人に遊んでもらいたいと思いながら作ってきました。ただ、前作でもそうだったのですが、海外の人を意識して作った要素はありません。
あくまで基本的な感性は地域に限らず一緒という発想で、絵作りであれば、いい表現ができたならば、誰にでもいいと感じていただける……そのような考え方でいます。
こちらは『ストーリーズ2』に限らず、『モンスターハンター:ワールド』などでも同じような考えで制作しています。
ーー先日発売された『モンスターハンターライズ』との連動要素があります。あちらはアクションゲームとなっていますが、開発時に影響を受けた部分はありますか?
辻本:チームは別ですが、並行して作っています。アクションとRPGなので、ゲーム的に影響された要素は少ないのですが、Nintendo Switchというハード面での情報共有はあり、参考にしています。
ーー前作でクリア後にあった“蜃気楼の塔”のような、やりこみ要素はありますか?
大黒:シングルの部分についてもやりこみは用意していますし、通信の部分でも用意しています。特に今回は通信で“共闘”を加えているので、フレンドとやりこんでほしい要素を用意しています。
ーークシャルダオラやテオ・テスカトルという古龍種は、前作ではクリア後に登場しました。今回ではどのような立ち位置になっているのでしょう。
大黒:こちらは楽しみにしておいてください。
ーー製品版に引き継ぎ可能な体験版が配信となります。ボリュームはどれくらいありますか? こちらでは通信プレイもできるのでしょうか?
大黒:遊んでいないと伝わりにくいのですが、“一章”という位置づけの部分をまるっと体験いただけます。
初めてプレイする人であれば5時間くらい遊べるかと。続きが気になるところまで体験できて、ゲームにとって大事な要素、モンスターを集める部分も十分に体験できます。さらにそのセーブデータを製品版に引き継げるので、やりこんでいただきたいです。
なお、体験版のプレイ範囲では通信プレイができません。
ーー前作は無料タイトルアップデートが3回ありました。本作では、どれくらいを予定されていますか?
辻本:数回の無料アップデートを考えています。詳細についてはタイミングを見て発表していきます。
ーー前作ではコラボがありましたが、今作ではいかがですか?
辻本:前作は国内と海外でバージョンを分けていたのですが、今回はグローバルでゲーム内容は同じバージョンになります。そのため、グローバルを意識しているため、今のところは予定がありません。
もしいい話があって、タイミングがあえば……という形ですね。
ーーこれまでの回答とかぶるかもしれないのですが、本作において特に気に入っているポイントはどちらになりますか?
辻本:本作ではとにかく表現力があがっています。特に会話のシーンやイベントシーンは、見ごたえがあり、感情移入をしやすくなっていると感じます。
RPGということでプレイヤーキャラやNPCがしゃべるシーンは多いので、シナリオをより楽しんでもらえるので、僕はここが気に入っています。
川野:表現力があがった影響は、イベントのカットシーンはもちろんですが、バトルの絆技にも関係してきます。モンスターの特徴を出した迫力のアクションを考えているので、ぜひ注目してほしいです。
大黒:役割的には“バトル”をプッシュして、「バトルが気持ちいい」や「共闘が楽しい」……というべきなんですが、2人とかぶっていて、表現力になります。
グラフィックが豊かになっていることに加えて、フルボイスになったことで、何度見ても気持ちがいいものに仕上がっています。開発していると、イベントを何十回も見ているわけですね。そうなるとスキップしがちになるのですが、本作は内容を知っていても見て、聞いてしまうんです。
キャラクター性がより深まった、個性がより豊かになったところは一番ポイントですし、RPGを感じていただける要素だと思います。
もちろん、RPGでありつつ『モンハン』らしさが出たゲームになっていると思うので、そこも感じていただきたいです。
ーーフィールドを走っているだけでも爽快ですし。いろいろなところがブラッシュアップされ、とにかく気持ちよさが増していると感じています。
大黒:前作と違うのは、ハードルが上がっているところですね。前作は1作目ということもあって、ハードルは低く「遊んでみたら楽しい」という感想が多かったです。
今回は前作の評判やプロモーションから期待値が上がっていると感じます。もちろん、いただいた意見はすべて受け止めるつもりですが、ドキドキしています。
大黒:細かい調整になるのですが、実はオトモン1体1体のカメラを変えています。カメラ位置やモンスターっぽい初速スピードにするとか……それぞれにあったものを用意しています。
そこまで重要な要素ではないのかもしれないのですが、遊んでいて気持ちいいと言っていただけたので、こだわっているところも伝えられればと思います。
辻本:バトルのコマンド入力がしやすくなったことをはじめ、細かいところがいろいろと快適になっています。ぜひそこも活用しつつ遊んでいただければと。
ーーありがとうございました。
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