33年の歴史がある作品! 史上最強、痛快無比な『ブラスターマスター ゼロ』シリーズをざっくり解説

sexy隊長
公開日時

 インティ・クリエイツから発売されている『ブラスターマスター ゼロ』シリーズについて紹介していきます。

 2017年に『ブラスターマスター ゼロ』がリリースされ、2019年には続編『ブラスターマスター ゼロ 2』がリリースされました。そして最終章と銘打たれた『ブラスターマスター ゼロ 3』が2021年7月29日にリリースされます。

 『ブラスターマスター ゼロ 3』と同日に、最新作である『ゼロ 3』を含めたシリーズ3作品をワンパッケージにした『ブラスターマスター ゼロ トリロジー メタファイトクロニクル』が発売されます。

 今回は、『ブラスターマスター ゼロ』シリーズの歴史や登場キャラクターを解説していきたいと思います!

『ブラスターマスター ゼロ』は33年の歴史を超えたリブート作品!

 『ブラスターマスター ゼロ』は、1988年にサン電子より発売されたファミリーコンピュータ用アクションゲーム『超惑星戦記メタファイト(海外名:Blaster Master)』のリブート作品になります。

  • ▲『超惑星戦記メタファイト』のパッケージ画像

『ブラスターマスター ゼロ』のストーリー

 主人公である好奇心旺盛な天才少年“ジェイソン・フラドニック”。記憶を失った謎多き少女“イヴ”とともに万能車両“ソフィア-III”へ乗り込み、謎のミュータントと戦いながら地下世界を冒険するというストーリー。

 このストーリーや世界観は、33年前に発売した『超惑星戦記メタファイト』をベースに、海外で発売された小説の設定を取り入れるなど、世界観や登場人物を再構成したストーリーになっています。

『ブラスターマスター ゼロ』のゲームシステム

 万能戦闘車両を操作してエリアを探索する“サイドビューマップ”と、主人公を操作してダンジョンを探索する“トップビューマップ”が存在し、その2つを行き来してゲームを進めていくという混成型探索アクションゲームになっています。

 システムは、シナリオと同じく『メタファイト』をベースに作られていますが、日本未配信タイトルである『Blaster Master2』や『Blaster Master Overdrive』、PS版『ブラスターマスター(海外名:Blaster Master: Blasting Again)』といった、後続シリーズで追加されたシステムが多数生かされており、セーブ機能の追加や戦闘時の斜め撃ち追加など、快適にプレイができるように進化しています。


 『ブラスターマスター』といえば、この“サイドビューマップ”と“トップビューマップ”ではないでしょうか。

『ブラスターマスター ゼロ』のグラフィックとBGM

 グラフィックは、少し暗めの色調であったり、少ない色数であったりと、昔ながらのドット絵を再現しています。さらにBGMは音数や音色をレトロ感ある音にしているなど、『超惑星戦記メタファイト』に近い作りにしつつ、ボスなどの大型の敵とのバトルでは、現行機ならではのダイナミックなグラフィックやモーションで表現するなど、懐かしくもあり新しさがあるモノに仕上がっていることが、とても魅力的です!

 8bit風ゲームは近年増えていますが、ここまで精細に描かれているのは本シリーズの魅力の1つです。

 『超惑星戦記メタファイト』のベースをしっかりと保ちつつ、シナリオやシステム面、グラフィックが大幅にチューニングされた、33年の歴史を超えたリブート作品になっているわけです。

『超惑星戦記メタファイト』と『Blaster Master』は違う世界観!?

 『ブラスターマスター ゼロ』のストーリーや世界観は、『超惑星戦記メタファイト(海外名:Blaster Master)』をベースにしていると上述しましたが、『超惑星戦記メタファイト』と『Blaster Master』はゲームシステムやグラフィックは同じものの、世界観やストーリーがそもそも異なっています。

 日本版と海外版でタイトルが違うことは多々ありますが、ストーリーや世界観まで異なるのは、なかなか珍しくおもしろい設定です。しかもこの設定が、『ブラスターマスター ゼロ』にも大きく関わってきます。

 両者を簡単に説明すると……

 『超惑星戦記メタファイト』の舞台は惑星ソフィア、主人公である天才少年パイロット“ケイン=ガードナー”が超惑星万能車両メタル・アタッカー(NORA/MA-01)に乗って惑星ソフィアを守るために戦うというストーリー。

 『Blaster Master』の舞台は地球、主人公である好奇心旺盛な天才少年“ジェイソン・フラドニック”。ペットのカエル“フレッド”を追って穴に飛び込んだ先で、万能車両メタル・アタッカー(SOPHIA The3rd NORA MA-01 METAL ATTACKER)を発見し、地下世界の冒険に旅立つというストーリーになります。

 『ブラスターマスター ゼロ』冒頭のカエルの“フレッド”が逃げるシーン。『Blaster Master』も同じようなシーンが冒頭にあります。

 『ブラスターマスター ゼロ』のストーリーや世界観は、『超惑星戦記メタファイト』をベースに作成されていると上述しましたが、正しく説明すると主人公やストーリーは『Blaster Master』をベースに作成しており、そこに『メタファイト』や小説版の設定を取り入れ再構成されているのです。

33年の時を超えて世界観が繋がりはじめる!

 『メタファイト』と『Blaster Master』で主人公が違う世界観、ストーリーになっていることを説明をしましたが、『ブラスターマスター ゼロ』シリーズで繋がってきていることをお伝えしたいです。

 メタファイトの主人公“ケイン・ガードナー”と相棒“ジェニファー・ガードナー”の名前が『ブラスターマスター ゼロ』に出てくるシーンがあり、シリーズのファンを驚かせました。

 『ブラスターマスター ゼロ2』の後半で“惑星ソフィア”に辿り着くところで物語が終わり、「もしかして『3』の舞台は“惑星ソフィア”になるの!?」と再度ファンを沸かせる展開に。完全新規のシナリオであった『2』で過去作への繋がりを見せる展開は、かなりアツいうえに、『3』への期待感が増しました。

 『ブラスターマスター ゼロ3』の舞台は惑星ソフィアとなり、ついに“ケイン・ガードナー”と“ジェニファー・ガードナー”が登場!

 しかもただ登場するのではなく、メタル・アタッカーに搭乗したケインとジェイソンが戦うという展開。同じ作品にして、別の展開であった『メタファイト』と『Blaster Master』のストーリーと世界観が33年の時を超えて繋がります!

『ブラスターマスター ゼロ』3作品を楽しめるトリロジー発売!

 本記事でざっくり解説してきた『ブラスターマスター ゼロ』シリーズですか、シリーズ3作品と全DLCがセットになったパッケージ『ブラスターマスター ゼロ トリロジー メタファイトクロニクル』が発売されます!

 『ブラスターマスターゼロ』と『ブラスターマスターゼロ 2』はダウンロード専売だったため、初のパッケージ版となります。そのため、「手元にコレクションしておきたい!」という人にもオススメです!

 なお、各シリーズのレビューは以前の記事をご覧ください!


シリーズレビュー

全作ストーリーにボイスを追加!

 トリロジー最大の特典としてストーリーにキャラクターボイスが追加されます。発売時にはボイスがなかった『ブラスターマスター ゼロ』と『ブラスターマスター ゼロ 2』ですが、このトリロジーにはボイスが追加されています。特に個性豊かなアナザーパイロットが登場する『2』ではストーリーの重厚さ、キャラの印象がガラッと変わること間違いなしです。

 トリロジーのPVでも確認できる“イヴ”のこのセリフがボイス付きで聞けるのは、かなり……かなりいいです! このセリフを聞くためだけに『トリロジー』が欲しくなるレベルです。

登場キャラクターを紹介!

ジェイソン・フラドニック(声優:小野賢章)

 ロボット工学の分野で名を馳せる好奇心旺盛な天才少年。

 数々の万能戦闘車両に乗り、ミュータントと戦ってきた『ブラスターマスター ゼロ』シリーズの主人公。『Blaster Master』の主人公でもあるため、本シリーズの主人公といっても過言ではありません。

イヴ(声優:宮崎珠子)

 ジェイソンが地球の地底世界で出会った少女。

 出会った時は、自分の名前以外の記憶の大半を失っていたが、“ソフィア-III”のサポートは行うことができたという謎多き存在。明るく活発な性格でジェイソンのサポートをしてくれる。

 “イヴ”は、『Blaster Master』にも『超惑星戦記メタファイト』にも登場しておらず、小説版に登場したジェイソンの相棒を本作に逆輸入したキャラクターです。

ケイン・ガードナー(声優:日野聡)

 『超惑星戦記メタファイト』の主人公。本シリーズでは、10年前に惑星ソフィアを襲ったミュータント“インベム暗黒星団”を撃退した天才パイロットという設定が公開され、『超惑星戦記メタファイト』の世界と『Blaster Master』の世界の関係性が考察されました。

 現在ケインは“ソフィアフォース”の戦士として、惑星の防衛や復興のために尽力しているとのこと。

ジェニファー・ガードナー(声優:山本希望)

 10年前の“インベム暗黒星団”との戦いでMAのエンジニアとして“ケイン”をサポートしていた女性。現在はケインとの間に生まれた娘の“エヴァ”とともに、衛星ノーラの科学アカデミーで研究者として生活している。

 『超惑星戦記メタファイト』でも“ケイン”の相棒を努めているため、『ブラスターマスター ゼロ』シリーズにケインと一緒に登場し、ファンを沸かせました。

ライプニッツ(声優:蒼井翔太)

 『ブラスターマスター ゼロ 2』で登場した、主人公“ジェイソン”と同じMA(メタル・アタッカー)“ガルーダ”のパイロット。かつてミュータントとの戦いに敗れ、故郷の星とサポートロイドを失っており、一方的にジェイソンとイヴを敵視して度々襲いかかってくるという、プレイヤーを困らせるもどこか憎めない愛されたキャラクター。

カンナ(声優:井澤詩織)

 同じく『ブラスターマスター ゼロ 2』で登場した、植物がベースであることだけは辛うじてわかる謎の生命体にして、MA“エイル”のパイロット。首らしきものから下に生えていると思しき胴体のようなものは、茎や実や根らしきものが集まって構成されているという、謎多きキャラクター。

 サポートロイドの“ケンウッド”とともに、超環境惑星“ストランガ”で生活しており、植物学や薬学の知識に優れていて“ジェイソン”を度々助けてくれる。

 筆者はカンナちゃんが一番好きなキャラ。ボイスを聞いた時には「脳内で流れていたボイスと同じボイスだ!」と驚きました(笑)。

限定版トリロジーは超豪華!!

 『ブラスターマスター ゼロ トリロジー メタファイトクロニクル』には通常版と限定版が用意されており、限定版はオフィシャルイラストレーターである夏目裕司さんの書き下ろしイラストのBOXです。

 『ブラスターマスター ゼロ』シリーズの集大成として、シリーズの歴史が詰め込まれたフルカラーの設定資料集がついてきます。夏目さんが描いたオフィシャルイラストはもちろん、開発中にチームスタッフが描いた未公開の設定画や、ディレクターである西沢智さんが監修した設定情報など約80ページの大ボリュームとなっています。

 何より気になるのが、『ブラスターマスター ゼロ』、『ゼロ2』、『ゼロ3』それぞれの作品コンセプトに基づいた、各10分を越える長編メドレー3曲を含む、全6曲を収録したアレンジサントラCDがついてくること!

 設定資料集を見ながらサントラCDを聞けば、ゲームをプレイしなくともすべての光景が脳裏によみがえりそうです。

 しかもCDジャケットのイラストは、サンソフトで数々のパッケージイラストを手掛けた、もりけん先生の描き下ろしデザイン!

 「もし33年前の当時に、『ブラスターマスター』のパッケージイラストをもりけん先生が描いていたらこうなった」がテーマのジャケットイラストは、『メタファイト』ファンのみならず、サンソフトファンにとっても感慨深いアイテムだと思われます。

シリーズをプレイしたことある人、ない人すべての人にプレイしてもらいたい作品

 始まりの作品である『超惑星戦記メタファイト(Blaster Master)』を“起”とするなら、それを受けて発展させた『ブラスターマスター ゼロ』が“承”、新規ストーリーで新たな展開を魅せた『ブラスターマスター ゼロ 2』は“転”、すべての話を繋げた集大成の『ブラスターマスター ゼロ 3』は“結”ではないでしょうか。

 このように、33年の月日をかけて起承転結を完成させた最高の作品です。

 すでに『ゼロ1』と『ゼロ2』をプレイ済みという人でも、『ブラスターマスター ゼロ トリロジー メタファイトクロニクル』の特典であるストーリーボイスで遊べば、新鮮に楽しめるだけではなく、新しい発見があると思います。しかも限定版の設定資料集を閲覧すれば知らない情報や、ストーリーを補完するような情報を入手できるのでファンなら必見です。

 『超惑星戦記メタファイト(Blaster Master)』をプレイしていなくても、『ブラスターマスター ゼロ』シリーズ3作品をプレイすれば33年の歴史を追体験できるので、本作に興味が沸いたのならぜひ『ブラスターマスター ゼロ トリロジー メタファイトクロニクル』でふれていただくことをオススメします!

©INTI CREATES CO., LTD. ©SUNSOFT
SUNSOFTは、サン電子株式会社の登録商標です。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら