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【ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話 11】秋GⅠシーズン、イラストの裏にある“何か”を楽しもうというお話

柿ヶ瀬
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 いよいよ秋競馬が始まりました。北海道や小倉のローカル開催から、中山と中京(本来は阪神だが京都競馬場が改修中のために代替開催)の中央開催に切り替わり、いよいよ秋のGⅠシーズンへの準備が始まったという感じです。

 秋のGⅠシーズンが始まる、ということは何が始まるかというと……? そうです! 『ウマ娘』公式ツイッターのGⅠレースイラストがまたアップされる時期が来たのです!!

 アプリから『ウマ娘』を知った方は、今年の春GⅠキャンペーンとして、マニー配布とともにアップされるやつ、くらいの認識でしょう。しかしこのイラスト、実は長い長い歴史があるのです。

3年以上の歴史アリ!

 最初に突然アップされたのは、アニメ1期が始まってしばらくあとの2018年の5月6日。NHKマイルカップのイラスト、エルコンドルパサーでした。まだ当時は白黒イラストでしたね。このレース、筆者は◎カツジが出遅れ真顔のままレースを見続けていた記憶が……。

 アニメ放送開始(前日が大阪杯でした)と同時にスタートではないあたり、割と突発な企画だったのかな? と思える部分もありましたが、そこからしばらくGⅠのたびにそのレースで勝利したことのあったりするウマ娘が基本的には描かれました(チャンピオンズカップで一切縁のないハルウララが描かれたりはしましたが)。

 そんなイラストに突然の変化が訪れるのは2020年の春でした。5月3日、最初の投下から2年が経った天皇賞春の日のイラストは、突然カラーになりました。同年7月から始まる『うまよん』のアニメに合わせてか、絵柄もデフォルメになり、現在に至っています。

 3年も続いているので開始当初の勝ったことのあるウマ娘だけではなく、縁があるウマ娘が描かれたり、出走したけど勝てなかったウマ娘も描かれたりで、色々なバリエーションが描かれます。そしてイラストに描かれているウマ娘の理由、意味を考えていくと、面白い発見があったりします。ここからはそういったイラストを紹介していきましょう。

GⅠイラストシリーズ、柿ヶ瀬セレクション

 『ウマ娘』運営やるねえ! と最初にそう思ったイラストは、2019年ヴィクトリアマイルのイラストです。

 ヴィクトリアマイルは牝馬限定のレース。実際のフジキセキは牡馬であり、当然出れるはずがありません。一体なぜ? と思った方もいたでしょう。そもそもヴィクトリアマイルは新設されたのが2006年で、2019年当時でまだ13頭しか勝ち馬のいない歴史の浅いレースです。そのせいもあり、ウマ娘における勝ち馬はウオッカのみ。

 その13戦のうち実に3頭、そして4勝をしているのがフジキセキの産駒だったのです。当時の同レースの最多勝利種牡馬でした(現在はディープインパクトも同じ3頭で4勝しています)。このイラストを見た時「デキる……!」と思ったものでした。

 続いてはこちら。2021年フェブラリーステークス。2002年の優勝馬アグネスデジタル……と、デジタルを呼びに来たスペシャルウィーク。

 アプリやアニメなどではあまり絡みのないこの2人、『ウマ娘』から競馬を知った皆さんはなぜ? と思ったかもしれません。しかし競馬好きからするとついに来たか! と感じる人もチラホラいたんじゃないでしょうか? スペシャルウィークとアグネスデジタルを繋ぐのは白井寿昭元調教師。そう、実は2人は同厩舎なのです。今までありそうだったのになかったこのコンビを待っていた一部の人にとって、このイラストは最強、だったかもしれません。

 続いてこちらもとっても好きなイラスト。またしてもヴィクトリアマイルです。こちらは2021年。

 先程も言いましたが、ヴィクトリアマイルはウオッカしか勝っていません。そんな中で登場したのはカワカミプリンセスとスイープトウショウ。並んでクイズの回答をしているようなイラストでした。

 この2人、2007年ヴィクトリアマイルに出走した2人なのですが……。3枠6番と4枠7番で仲よく隣同士。そしてカワカミプリンセスが1番人気、スイープトウショウが2番人気とまたも仲よく隣同士。そして極めつけとして、9着スイープトウショウで10着カワカミプリンセスと、またまた仲よく隣同士という、そこで仲よく隣同士にならなくていいのよ! と当時馬券を買った人たちは頭を抱えてたことでしょう。ちなみに筆者の本命はキストゥヘヴン(4着)でした。

 こういうのもあります。2021年高松宮記念。中京芝1,200mという短距離レースですが、ここにいるのはダイタクヘリオス、ナイスネイチャ、マチカネタンホイザのアニメ2期に活躍した3人。ダイタクヘリオスは1,200mでも走りましたが、ナイスネイチャとマチカネタンホイザは中距離以上ばかり。

 高松宮記念はかつて高松宮杯という中京芝2,000mのGⅡレースでしたが、1996年に芝1,200mのGⅠになりました(※名称は1998年に変更)。この3人は、この中京芝2,000m時代の勝ち馬なのです。特に筆者の愛したマチカネタンホイザは最後のGⅡとなった1995年のレースの優勝馬。大本命であったヒシアマゾンを破り優勝したのをラジオで聞いてガッツポーズをした記憶は、未だに鮮明です。

 またしても高松宮記念で恐縮です。こちらは2019年の高松宮記念、キングヘイローも勝っているし何の変哲もないイラストに見えます。しかし、リアルタイムでこのイラストを見ていたならば、特別なイラストになっていた一枚です。

 このイラストは2019年3月24日にアップされました。実はその5日前の3月19日、モデルである競走馬のキングヘイローが亡くなりました。もちろん計画的に作られているでしょうから、それ以前から描かれていたのはずなので偶然であるのは間違いないでしょう。この高松宮記念では、キングヘイローとは切っても切れない関係の福永祐一騎手(※ただし高松宮記念では乗ってない)騎乗のミスターメロディが優勝。インタビューで福永騎手は「キングヘイローが後押ししてくれたようだった」と話しました。もちろん偶然のできごとです。

 高松宮記念直前にキングヘイローが亡くなったのも、高松宮記念で福永祐一が勝ったのも、『ウマ娘』がキングヘイローのイラストをアップしたのもすべて偶然です。だけど、人はそういう偶然の連なりに、何かを感じてしまうことが多々あります。皆さんはどうでしょう?

GⅠイラストじゃないけど、こんなのもあった

 GⅠイラストは今もアップされていますが、アプリのリリースがまだまだ先だった当時にはこんなイラストが上がったこともありました

 『ウマ娘』のプロモーターである武豊騎手が4,000勝した時の祝福イラストです。

 ちょうど1期アニメの最中で、武豊がパドックでアクロバットをする『ウマ娘』のCMをやっていた頃です。CMを見て「ユタカに何させてんのよ」と爆笑したこともありましたし、アニメ1期で出演してひっくり返ったりしましたし、『ウマ娘』アプリが始まった日にもコメントをいただいて感動したりと、『ウマ娘』にとっては切っても切れないジョッキー……というよりそもそも日本競馬の顔と言っていい存在なのですが、そんな武豊騎手が今は巡り巡ってサイバーエージェントの藤田社長の所持馬に乗って初勝利をもたらしたりして、なんていうか世の中繋がっているんだなあとしみじみ思います。

 冒頭にも申し上げましたが、間もなく今年も秋のGⅠシーズンが始まります。まずは10月3日のスプリンターズステークス。いつもと同じならば正午に。はたしてどんなイラストがアップされるのか。そしてそこに込められている隠された何かはあるのか。ウマ娘公式ツイッターアカウントをフォローして、レースともども楽しみに待ちましょう。もちろん50,000マニーもありがたくいただきましょう。

 また次回もこういった“楽しみ方”を提示していければと思いますのでお時間ありましたらぜひご一読いただきたければ幸いです!

 それではまた!



【コラム】ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話

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