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2009年8月13日(木)

【経営者は語る 第1回】なぜ今ブラウザゲーが注目を集めるのか――SeedC社長インタビュー

文:電撃オンライン

『SeedCインタビュー』

──本日はよろしくお願いいたします。さっそくですが、7月28日にオープンしたばかりである『Webゲー』のコンセプトや、各コンテンツのターゲット層なども簡単にお話いただけますか。

崔:まず、私たちは“簡単手軽”ということを『Webゲー』のキャッチフレーズにしています。誰もが、どういう環境でも、簡単に、時間のあるときに、手軽に負担なくプレイができる。これがユーザーにとって一番の魅力になると思っています。現在運営中の3タイトルですが、『FREEDOM RESIST』『KNIGHT FIGHT』の2つは世界観とグラフィックスが異なるだけで中身はほぼ同じゲームです。こちらはどちらかと言えばまとまったプレイ時間が取りにくい、サラリーマン男性向けでしょう。

 『Khan Wars』は欧米でもヒットした『Travian』(※)と同じ自動進行型のストラテジーゲームでして、これは元々ストラテジーが好き、海外のゲームでも辞書を引きながらプレイしてしまうような、ややコアプレイヤー向けの作品です。

(※『Travian』はドイツ生まれのブラウザゲーム。欧米でも高い人気を誇ったが近年アジア市場で大ヒットし、その後日本語サーバも開設されたため、ブラウザゲームの代名詞となった)

――今このタイミングでブラウザゲームに注目し、サービスインに踏み切った理由とは何でしょうか?

崔:個人的には“持っていないものへの憧れ”というのがあります。日本・韓国・中国のPCゲームにおいては、プログラムをダウンロードして楽しむ本格的なMMORPGがひとつの主流を作りました。ですが欧米、特にドイツでは、昔からボードゲームを楽しむ文化があって、その延長線上にブラウザゲームというものが生まれました。こういったスタイルのゲームというのは、アジア圏にはこれまでなかったんですよね。

 企業という側面から見れば、我々は常に新しい収益源を探し出し、市場を拡大していかなくてはなりません。これは同時に、ユーザーに対して常に新しい楽しさを提供するということです。ブラウザゲーム自体には以前から注目していたのですが、中国が去年あたりからブラウザゲームを量産し始めていて、韓国の市場も去年から今年にかけて事業化できるだけの規模に育ってきました。私が知る限り、韓国では2000万円級のコンテンツが3~4本出てきているんです。このクラスのコンテンツはMMORPGでも稀な存在です。ユーザーには既存のオンラインゲームにない、新しいおもしろさを提供できて、企業側には事業面で見返りがあるわけです。

――それが『Webゲー』ですね。『FREEDOM RESIST』『KNIGHT FIGHT』『Khan Wars』という、ブラウザゲーム3タイトルのサービスが始まり約1週間が経過しましたが、順調ですか? 登録アカウント数など現時点でお話いただける範囲で、教えてほしいのですが。

山田:本当にスタートしたばかりですから、正確な数字は我々にもわかりませんが、初日の登録アカウント数が約3,000となっています。これは予想を大きく下回るわけではありませんが、もう少し伸びるかな? と思っていましたので、まだまだ頑張りが足りなかったかもしれません。

『SeedCインタビュー』 『SeedCインタビュー』 『SeedCインタビュー』
▲左から『FREEDOM RESIST』『KNIGHT FIGHT』『Khan Wars』のプレイ画面。『FREEDOM RESIST』『KNIGHT FIGHT』は時代背景が異なるだけで、ゲームシステムはほぼ同じである。

 ■国内ゲームメーカー、パブリッシャーも注目しているブラウザゲーム市場