2010年5月20日(木)
アトラスから4月22日に発売されたPSP用ソフト『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚(とうきょうものはらし からすのもりがくえんきたん)』の、開発者インタビュー第6回を掲載する。
『東京鬼祓師 鴉乃杜學園奇譚』は、『九龍妖魔學園紀』や『ペルソナ』シリーズなど数多くの學園ジュブナイルを生み出してきたアトラスが開発する、完全新作のAVG+RPG。鴉乃杜學園を舞台に、災厄を呼ぶといわれる“呪言花札”をめぐる物語が紡がれる。
『電撃PlayStation』(アスキー・メディアワークス刊)で紹介した本作の開発者インタビューの完全版を、電撃オンラインで全6回にわたって掲載。お話を伺ったのは、ディレクター・遠山博一氏、シナリオ担当・川嵜暁氏、キャラクターデザイン担当・齋藤晋氏の3名。最終回となる今回は“キャラクター編 参”をお届けする。(インタビュー中は敬称略)
――キャラクター編の第3弾は、主人公を陰で支える大人キャラになります。まずは、主人公が居候する鴉羽神社の羽鳥朝子です。
遠山:立ち位置的には、お姉さんといったところですね。
齋藤:最初はもっと幼く描いていたのですが、あとから修正を重ねていくうちに、かすかに母性がにじみ出ていなくもないかなという顔にたどり着きました。
遠山:でも、彼女は先生なのに朝に弱いという困った人なんですよね。お姉さんだけど、なんだか放っておけないキャラです。
川嵜:そのぶん、親近感を持ってもらえればいいのですが……。
――次は、朝子の父親である羽鳥清司郎です。
川嵜:主人公の生活基盤に、家庭・家族という雰囲気を作ろうという目的がありました。もっとも身近な大人の1人です。
――彼は秘法眼のような、特殊な能力を持っているのでしょうか?
川嵜:神社の神主で、主人公の事情も理解してはいますが、彼自身に特殊な能力はありません。
――では、神主として主人公にいろいろ協力してくれると?
川嵜:いえ、してくれないですね(笑)。それにも理由がありまして、ゲームを進めることでわかってきます。
――ビジュアル的にはダンディなおじさんってところでしょうか?
齋藤:キャラ的にはそうですけど、てぬぐいを首に巻いて、作務衣(さむえ)を着ていますから、ダンディと言えるかどうかは難しいところです(笑)。
――次は、主人公を最初に導いてくれる伊佐地大督ですね。
遠山:そうですね。彼は元封札師で、発端として彼から任務を受けるので、ゲームの進行役的な一面もありますね。ひんぱんに出てこないのは、カミフダは呪言花札以外にもあるという設定なので、それらの調査を行っているんですよ。
――ビジュアル的には、どのようなイメージで生まれたのでしょう?
齋藤:ガチガチにカッコいいおじさんではないのですが、頼りがいのある雰囲気が出ればと思いデザインしました。あとは、普段図書館で働いているので、そことのギャップを出してほしいというオーダーもありましたね。
――次は女教師第2弾の牧村久榮ですが、朝子とはまた違ったキャラになっていますね。
齋藤:はい、「巨乳で!」というオーダーがありました(笑)。
川嵜:そんな要求しましたね。彼女は、朝子との対比もあり、強くしたたかなイメージです。考古学にも興味があるなど謎多き女性ですね。また司書という立場から、図書館がらみのネットワークで主人公の立場について理解しています。
――主人公に協力してくれるということは?
川嵜:特にはないです(笑)。彼女的に協力する義理は、まったくもってないですから。あくまで一教師として主人公に接することになります。
――ここからは新宿で出会うキャラクターですね。まずは、富樫刑事です。
遠山:彼女は真剣に国家のことを思って働いている女性です。
――主人公に協力的なキャラなのですか?
遠山:そういうわけではありませんね。ただ、事件が起こる先々で主人公たちと出会うことになるので、何かと不信がられるのですが、主人公たちが悪人として見ることはないです。
――次は澁川源伍ですが、彼は普通に喫茶店のマスターなのですか?
川嵜:はい、普通に喫茶店のマスターですよ。いろいろと噂はあるようですが……。
――客商売で眼帯なのもすごいですよね。
齋藤:謎多き経歴の持ち主ということでしたので、想像のしがいがありそうな雰囲気を心がけました。
――お店にいる犬のカナエさんは、スタッフの間でバセットハウンドが好きな方がいらっしゃったのですか?
川嵜:犬をキャラとして入れると決まったときに、ブサイクなのがいいという話になって……。でも猟犬としてはとても優秀なんですよ。
――みんな大好きカレー屋の主人、カルタパル・T・シャンカルです。
川嵜:自称、謎のインド人です(笑)。
――自称ですか? 実はという設定もあるのですか?
川嵜:クエストを進めると、ちょっとだけそのあたりを匂わせるエピソードが出てくるので、ぜひ進めてください。
――あとは、なぜアフロなのでしょう?
齋藤:アフロ構想はもとからあったのですが、オーソドックスにターバンを巻いてみたりした時期もあります。でも結局は素のアフロに戻りました。"謎の"インド人ですから、インド人らしい骨格をさせるのもどうかという事でかなり薄めの顔立ちにしてあります。もみあげがカールしている部分は、性格がお茶目そうだったのでやってみたら通りました。
→次のページでは、呪言花札と深いかかわりを持つ白&神使を紹介!(2ページ目へ)
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