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2010年6月24日(木)

その強さ、圧倒的――ポケモンWCS2010 日本代表決定大会でスイクンが大活躍

文:電撃オンライン

 『ポケモン』のゲーム(ビデオゲーム)と、カードゲームの日本一を決める公式大会・ポケモンワールドチャンピオンシップス2010(以下、ポケモンWCS2010)の日本代表決定大会が、6月20日に東京都内のプリズムホールで行われた。

 2010年1月11日の千葉大会を皮切りに、全国47都道府県で地方大会が行われていたポケモンWCS2010。日本代表決定大会はその決勝大会となっており、各大会の代表者が集まり熱いバトルを繰り広げた。

ポケモンワールドチャンピオンシップス2010 日本代表決定大会 ポケモンワールドチャンピオンシップス2010 日本代表決定大会
▲会場では、ゲーム大会とカードゲームの大会が同時に行われた。どちらの大会も非常に盛り上がっており、さまざまな場所で一喜一憂する声が聞こえた。

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▲子どもから大人まで、年齢層が幅広いのも『ポケモン』ならでは。カードゲームの大会では、“ポリゴン2”と“探求者”のコンボデッキを使い、女性プレイヤーが上位まで駒を進めている姿も。

ポケモンワールドチャンピオンシップス2010 日本代表決定大会
▲昨年行われた、ポケモンWCS2009の世界チャンピオンに挑戦するチャレンジコーナーも設けられていた。

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▲会場には、9月に発売される最新作『ポケットモンスターブラック・ホワイト』のポケモンたちも飾られていた!

 本記事では、DS用ソフト『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』を使って行われた、ゲーム大会のカテゴリーB(1997年12月31日以前に生まれた人が対象)の模様を中心にレポートをお届けする。

■吹き荒れる“ぜったいれいど”の恐怖

 今回の日本代表決定大会のカテゴリーBで、とにかく圧倒的な存在感を示していたのが、大分代表のT・R選手が持ち込んだスイクン。このスイクンは、7月10日から公開される『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール 幻影の覇者 ゾロアーク』の特別前売券に付属する引換券と交換でもらえる色違いのスイクンで、通常では覚えない“ぜったいれいど”を覚えているのが特徴だ。特筆すべきは、引換券との交換が始まった日。交換が始まったのは大会直前の6月18日からなので、T・R選手はわずか2日でこのスイクンを育て上げ、実戦投入したことになる。

ポケモンワールドチャンピオンシップス2010 日本代表決定大会
▲ライコウ、エンテイと一緒に交換が始まった色違いのスイクン(画像右)。その姿を、まさか大会で見ることになるとは! 前売り券は7月9日まで販売されているので、欲しい人はぜひ手に入れておこう!

 さて、そのスイクンの実力はというと、高かった前評判に違わないものだった。T・R選手が使っていたスイクンは、“ぜったいれいど”、“ミラーコート”、“しんそく”、“まもる”というわざ構成で、持ち物は“たべのこし”。“ぜったいれいど”以外の3つのわざもよく練られており、大会では要所で効果的な動きを見せていた。

 今年の大会は、“伝説のポケモン(※)を手持ちに2匹まで入れられる”というジーエスカップの採用により、手持ちにはほぼ間違いなく伝説のポケモンが2匹入っている状況になった。伝説のポケモンはとくこうが高いものが多いため、“ミラーコート”で特殊わざをけん制しつつ、スイクンの高い耐久力を生かし“ぜったいれいど”を連打するスタイルが非常に強力だったといえる。スイクンの他に一撃わざを使うポケモンが特にいなかったため、対策されていなかったのも大きいだろう。

※ミュウツー、ルギア、ホウオウ、カイオーガ、グラードン、レックウザ、ディアルガ、パルキア、ギラティナの9匹。これらのポケモンは他のポケモンより能力が高く、これまで行われたほとんどの大会で使用禁止になっていた。

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▲“ぜったいれいど”は命中が3割と低めだが、ポイントアップ込みで8回使えることを考えると、1~2発は当たる計算になる。相手が伝説のポケモンだろうが、当たれば“いちげき”なため、その効果は絶大だ。▲今回の大会でも“しおふき”で猛威を奮っていたカイオーガ。“しおふき”は2匹まとめて大ダメージを与えるとてつもなく強力なわざだが、スイクンなら比較的安全にミラーコートで返せる!

 大会中は、T・R選手の座る台がモニタリングされており、決勝トーナメントから決勝戦まで、T・R選手の試合を観戦できた。スイクンの活躍とあわせて、試合の模様をハイライトでお伝えする。

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▲日本代表決定大会では、事前に登録した6匹のポケモンを見せ合い、4匹を選んで対戦する方式が取られていた。どのポケモンを使うかは、そのまま勝敗を左右しかねない非常に重要なポイント。選手たちも頭を悩ませていた。

●決勝トーナメント第1試合

 1試合目の相手は、山梨代表の選手。先発は、T・R選手がドーブル&スイクン、相手がルンパッパ&カイオーガ。T・R選手は控えのカイオーガとディアルガを巧みに使い、相手のグラードンとクレセリアを引きずり出す。ドーブル&ディアルガ対グラードン&クレセリアという、T・R選手にとってはかなり苦しい展開になるが、ここでドーブルがファインプレイ。ディアルガが“まもる”、ドーブルが“みちづれ”を使い、相手のグラードンの“じしん”を受ける。うまくディアルガとクレセリアの1対1に持ち込み、T・R選手が勝利した。

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▲相性的にディアルガではグラードンを倒すのは難しいため、ドーブルでなんとかするしかない局面だったが、“みちづれ”がうまく刺さりT・R選手が辛勝した。

●決勝トーナメント第2試合

 2試合目の相手は、沖縄県代表のT・S選手で、先発はゴウカザルとギラティナ。T・R選手の先発は変わらずスイクンとドーブルだった。1ターン目、ギラティナの“でんじは”とゴウカザルの“インファイト”をドーブルが“まもる”で防ぎ、スイクンが“ぜったいれいど”を放つ――が不発。だが次のターン、ドーブルが“ダークホール”を使った後、ギラティナに“ぜったいれいど”が決まり、会場から大きな歓声があがった!

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▲ドーブルも“ダークホール”を覚えており、できれば早く倒してしまいたいポケモンだ。これが1ターン目からスイクンと同時に出てくるのは、相手にとっては頭が痛い展開だろう。▲耐久力に優れたギラティナだが、“ぜったいれいど”には関係ない。決まれば“いちげき”だ。

 T・S選手の残るポケモンはメタグロスとディアルガだが、ここはT・R選手のディアルガがオーバーヒートでメタグロスを、スイクンが“ぜったいれいど”でディアルガをそれぞれ撃破し、勝負ありとなった。

ポケモンワールドチャンピオンシップス2010 日本代表決定大会
▲第2試合では、2回“ぜったいれいど”が決まってしまった。一撃わざはいわゆる“運ゲー”になるため敬遠されがちだが、撃つ回数をしっかり確保できればそれだけ確率も上がるということをスイクンが証明していた。

●決勝トーナメント第3試合

 3試合目の相手は、広島代表の川上達也選手。先発は川上選手がギラティナ&クレセリアで、T・R選手のスイクン&ドーブルとにらみあうが、ここでもギラティナが“ぜったいれいど”の餌食(えじき)に……。大ピンチの川上選手だったが、クレセリアの“てだすけ”をうまく使い、T・R選手をカイオーガとディアルガの2匹に追い込む。

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 クレセリアが“トリックルーム”を使い、次のターンでカビゴンに“てだすけ”。そのまま“じしん”でディアルガを倒せるか――と思われたが、ここでT・R選手が2ターン連続で“まもる”を成功させ、トリックルームの効果が切れる。結局これが勝負の分かれ目になり、T・R選手が勝利した。

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▲カビゴンの“じしん”が決まっていたら、勝敗がひっくり返っていた可能性は大いにある。ここは、T・R選手が非常にツイていたといえるだろう。

 次のページでは、カテゴリーA(1997年1月1日以降に生まれた人が対象)とカテゴリーBの決勝の模様をお伝えする。カテゴリーAでは、年少とは思えない非常にハイレベルな読み合いが繰り広げられた。ぜひご覧いただきたい。

→白熱の決勝戦の模様をレポート!(2ページ目へ)

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(C)1995-2010 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
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データ

▼『ポケットモンスターブラック・ホワイト』
■メーカー:ポケモン
■対応機種:DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2010年9月予定
■価格:未定
▼『ポケットモンスターハートゴールド・ソウルシルバー』
■メーカー:ポケモン
■対応機種:DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2009年9月12日
■価格:各4,800円(税込)
 
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