2010年7月12日(月)
――ソフトが発売されてからしばらく経ちましたが、周囲の人やユーザーからどのような反応がありましたか?
巧:現在Twitterをやっているのですが、早い人だと、発売日の翌日に「クリアしました」という声が届きました。現在もたくさんの方から感想をいただいていますが、好意的なコメントが多くて本当にうれしいです。
竹下:クリアした方から「満足した」という内容のお返事が多かったのは、うれしかったですね。
巧:自分でも今回は手応えがあったんですけど、実際どう受け止められるかは発売されてみないとわからないので。特に今回は、Twitterをはじめさまざまなプロモーション活動を行ってきたのに、発売後に無反応だったらどうしようと心配していました。でもその点に関しては、大丈夫だったかな……。安心してオススメできるという確信を持てました。
竹下:「この作品なら安心して他の人にススメられる」という(Twitterの)書き込みをいくつも見まして。制作者冥利に尽きますよね。「巧の新作がようやく出たか!」という、ファンの方からの思いをすごく感じることができました。
――今回、巧さん(@takumi_gt)も竹下さん(@takeshita_gt)もTwitterでつぶやかれたり、有名人によるプレイレポートなど、さまざまなプロモーション展開を行っていましたが、どのような層をターゲットと考えられていたのでしょうか?
竹下:まず、絶対はずせなかったのが『逆転裁判』のファンの方ですね。それに加えて、有名人の方のお力を借りて、普段あまりゲームをプレイしない方に『ゴースト トリック』のおもしろさが届けばいいなと思っていました。ですから、スポーツ選手など幅広いジャンルの方にプレイしていただきました。
巧:印象的だったのが、Twitterで『ゴースト トリック』の存在を知り、体験版をプレイして予約してくださった方がいらっしゃったことですね。こういう形での広がり方もあるんだなと、すごく感激しました。そういえば、発売前はハッシュタグを付けていたんですが、今は付けてないんですよ。ハッシュタグを付けることにより、ネタバレの感想を見てしまうという可能性もあるので。決して、つけるのを忘れ続けているわけではないんですよ(笑)。
――プレイした人の中には、ネタバレを恐れて事前情報をすべてシャットダウンしてらっしゃった人もいたようです。
巧:そこはいつも、せめぎ合いですからね。皆さんに作品のことを知ってもらわないといけないのに、でもネタバレになっても困るし……というジレンマが(笑)。
竹下:発売前のプロモーションは本当に苦労しました! 頑張りましたよ!
巧:ゲームを遊んでくださることが一番いい形で伝わると思うんですが、やはり難しいですよね。
――今回、ニンテンドーDSi LLの新色発売および価格改定にともない、ソフトの発売日が6月24日から19日へ前倒しになりましたが、その反響はありましたか?
竹下:ありました。発売日が遅れることはあっても早まることは珍しいので、やはり驚かれた人が多かったみたいです。僕らも完成披露パーティの当日にその情報を知り、急遽(きゅうきょ)変更したので、その後はいろいろと大変でした。でもニンテンドーDSというハード自体にもう一度注目が集まりましたし、発売日当日に開催したサイン&握手会も含めて、結果的に土曜日に出せたことはよかったと思っています。
――サイン会では、すごくたくさんの人が集まっていましたね。
巧:集まらなかったらどうしようと思っていたので、本当にホッとしました。ファンの皆さんといろいろお話もできたし。これまでなかなかユーザーさんとの接点がなかったので、メッセージをいただけてうれしかったです。こちらが思っていた以上に、『逆転裁判』や『ゴースト トリック』に愛情を持っていてくださるのが伝わってきました。実際にお会いするとやはり空気が伝わってきますから。これまで全力でゲームを作ってきて本当によかったなと思いました。
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▲発売日当日に行われたサイン会の様子。巧さんは、「自分がこれまでやってきたことが、ちゃんと受け止めてもらえているんだなと一番感じることができた瞬間」とその時のことを語っていた。 |
――サイン会の直前には、米国のE3に行かれていたんですよね?
竹下:ええ、今回は巧にも一緒に来てもらって、彼の口からしゃべってもらうという形で取材を行いました。『逆転裁判』のころから知っていると言ってくださる方が多くて、『ゴースト トリック』は“動き”や“パズル”が独創的であるという点をすごく評価していただきました。米国ではどうしてもシューター人気が高いのではと思ってしまうのですが、それだけではなく新しいものや個性的なものにも興味があるんだなとすごく感じましたね。
――ニンテンドー3DSも発表されましたし。
巧:やはり無視はできない存在ですよね。僕はミステリーを作りたいので、3DSでもできたら作りたいと思っています。裸眼で見た時に立体のものが動くのは、やはりインパクトがありましたし、それを利用してどんなことができるか、考えてしまいますね。
――最後に『ゴースト トリック』をプレイした人、そしてまだ未プレイの人にメッセージをお願いします。
巧:すでにプレイ済みの方は、ぜひ感想を聞かせてください。そしておもしろいと感じていただけたら、ぜひ周りの方に広めてくださるとうれしいですね。“謎解き”は、誰にとっても一番わかりやすいエンターテインメントだと思うんです。謎を解いた人は、そのことを周りに言いたくなると思うんですけど、その時にぜひいかにおもしろかったかというのをネタバレせずにお話していただけるとうれしいですね。
未プレイの方には、オリジナルの完全新作タイトルというものは、手にとってもらいにくかったり、伝わりづらかったりするとは思うのですが、自信を持ってオススメしますので、ぜひ遊んでいただいたいと思います。
竹下:プレイなさっている方には、ありがとうございますと言いたいです。よくぞ、本作を選んでくださいました! まだプレイしていない方には、ネタバレを気にせず『ゴースト トリック』の情報をいろいろと拾っていただきたいですね。公式サイトや情報サイト、情報誌などで本作の情報をチェックしてくだされば、おそらく興味を持ってもらえるのではと思いますので。DSで長編ミステリーが遊べる機会というのはなかなかないですし、今回は巧が気合いを入れてやりきった作品でもありますし、おそらく彼の代表作の1つになると思いますので、ぜひ今プレイしていただきたいです。後でプレイするくらいなら、ぜひ今プレイしてください!
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まり蔵の『ゴースト トリック』の愛があふれてしまったせいで、少々長めのインタビューになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか? 個人的には竹下さんがカノンの家のステージで詰まった話に、大爆笑してしまいました。あのサンタのオモチャ、確かにあれ以上速く回転していたら、私も詰まっていたかもしれません。ちなみにまり蔵が4章のとある場面で詰まったというお話をしたら、巧さんから「そこで詰まったとおっしゃった方は初めてですね」と言われてしまいました。トホホ……。
なおカプコンさんから、巧さんがパッケージにサインをしてくださった『ゴースト トリック』のソフト2つと、巧さんと竹下さんのサイン入り色紙2枚を、読者プレゼントとして提供していただきました。以下の専用フォームから、ふるってご応募ください。締め切りは7月25日24:00となっていますよ~。
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