2010年11月16日(火)

【洋鯨亭 第35回】なんで洋ゲーやらないの? アンケート集計結果発表!(前編)

文:電撃オンライン

【洋鯨亭 第35回】なんで洋ゲーやらないの? アンケート集計結果発表!(前編)

 こんにちは。洋ゲー紹介所“洋鯨亭”のRONです。

 前々回、このコーナーで洋ゲーに対するアンケートを実施させていただきました。緊急で実施したうえに約1週間の短期募集、しかもテーマが洋ゲーということで、はたして十分な数の回答が集まるのかなぁと、実はちょっとドキドキしていたんです。やっぱり、「アンケートの回答がいただけませんでした! テヘヘ!」なんて発表するのは悲しいじゃないですか。

 ところが、フタを開けてみたら非常にたくさんのご回答をいただけました。この結果に大変驚いていると同時に、深く感謝しております。皆さん、ご協力ありがとうございました! 回答欄にビッシリと書かれた、洋ゲーに対するご意見やご要望の数々から、皆さんの気合の入りっぷりをひしひしと感じつつ、興味深く読ませていただきました。回答の内容はポジティブかつ大人のご意見が多くて、読んでいて楽しかったですね。

 もちろん洋ゲーに対して苦言を呈した回答もあったんですけど、素直に同意できるもの、なるほどと感心させられたものもあって、こちらも改めて勉強させられる内容でした。まぁ「ちょっとこの回答をそのまま掲載すると、来週から洋鯨亭なくなっちゃうな……」という過激なご意見もありましたけどネ(苦笑)。

 ということで、今回はアンケート集計の前編として「洋ゲーをやったことがない方」の回答からピックアップしてご紹介しましょう。

■プレイしたことがない方から見た“洋ゲーの印象”

 まず1つめの質問は“Q1:海外ゲーム(以下、洋ゲー)に対して、どんなイメージを持っていますか?”というものでした。

 これに対しては「ガツガツしてそう。ガタイがいい。マッチョ。顔が濃い。全体的に濃い。とにかく戦っているなどなど(字猫さん/女性)」という回答が、まず目に止まりました。これは、FPSやTPSに登場する戦うキャラクターのイメージから連想されたのかもしれません。もしそうなら、結構当たっている部分は多いですよね。たとえば私が好きな作品Xbox 360『ギアーズ オブ ウォー』シリーズの主役・マーカスを見たら、まずこういったイメージを抱いてしまうでしょう。完全に肉食系ですから(笑)。マッチョ、ここに極まれりといったところです。

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▲『ギアーズ オブ ウォー2』のマーカスさん(左手前)と、その仲間たち。完全に肉食系ですね。 ▲たしかに、絵面は全体的に濃いですね。敵も味方もゴツくて、どっちが敵だかわかりません(笑)。でもゲーム中の会話などを聞いてもらうと、彼らが魅力的なキャラクターであることがわかっていただけるかと思います。

 女性ゲーマーの中にはおっさんキャラ好きという方は結構いらっしゃると思うんですけど……「こういうおっさんじゃねーヨ!(笑)」と言われてしまいそうですね。むしろ男性ゲーマーの、かっこいいおっさんキャラ好きに好かれるキャラクターなんでしょうね(ホモ的な意味ではなく)。いずれにしても、洋ゲーのキャラクターに関しては、日本では昔から濃すぎるのでは? と議論されていますから、多くの日本人がすんなり受け入れられるようなキャラクターが登場する日は遠そうですネ(私はあまり抵抗ないんですけど)。

 また、別のご意見としてはこんな回答がありました。「現実に近いリアルなグラフィックのゲームが多い。戦場を舞台に実在する銃で戦うシューティングが多い。グラフィックがリアルなため、人体の損壊がグロテスク。人を殺すことができるゲームが多く、その点が重視されているイメージがある(まーく5さん/男性)」

 こちらも、大半のミリタリー系FPSやTPSからのイメージですね。おっしゃるように、写実的なグラフィックは洋ゲーの大きな特徴の1つといえます。洋ゲーをやらない方でも、雑誌やWebサイトでFPSなどのゲーム画像を見ると、背景がまるで実写のようにリアルな作品が多いことがおわかりかと思います。実際にプレイしてみるとそういったリアルな描写は、主人公の服装や乗り物、建物のカベなど細かいところまで徹底して作り込まれていることがわかります。

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▲Xbox 360『Halo: Reach』より。最新作はキャラクターのモデリングに費やせるポリゴン数が増え、銃やアーマーなどの造形がシリーズで一番作り込まれています。

 このこだわりは、必ずしもゲームのおもしろさとは直結しないかもしれませんが、プレイヤーをその世界へと没入させてくれる要素の1つになっているように思います。ただし、作品によっては描写がリアル過ぎてちょっとグロいところがあるというのは、私も同感です。正直、繊細な方は見ていてツライ場面もあるかもしれません。

 しかし、ミリタリー系FPSの場合は凄惨な場面もあえて表現することで戦争の悲惨さを伝える役割もあるのかもと私は考えているので、リアルさは必ずしも悪いだけとは言えないかもしれませんね。

 まぁ、何もそこまで描写しなくても、と思うタイトルもありますけど(苦笑)。

 この他「昔は雑なゲームというイメージがありましたが、最近はお金がすごいかかっているというイメージがあります(ドーナツさん/男性)」とのご意見も。

 これは、たしかにそうですね。“洋ゲー”とか“アメゲー”が蔑称(べっしょう)のように使われた時代を知っている方は、このようなイメージを抱くのではないかと思います。家庭用ゲーム機でたとえると、CPUが8ビットから16ビットぐらいの時代(ファミコンからメガドライブ、スーパーファミコン、PCエンジンぐらい)の洋ゲーは操作性、難易度、内容ともにいろんな意味で厳しいタイトルが多かった感は否めません。

 と言っても、日本の昔のゲームも再びやり直してみると「あれ、こんなに難しかったっけ……」というタイトルが多いですから、必ずしも洋ゲーだけが難しかったわけではないんですけどネ。当時と比べて洋ゲーが格段に遊びやすくなっているのは、日本のゲームが今よりも勢いがあった頃に、日本のゲームのよい部分も吸収しながら進化してきたからだろうと思っています。この変ぼうぶりは、実際に昔から洋ゲーをプレイしていないとなかなか伝わりにくいですよね。

 ゲームは今昔、和洋を問わず、やはり実際にプレイしてみてなんぼのもの。とは言え、日本ではそれ以前の“見た目の印象”という部分で洋ゲーのほうが分が悪い、ということもうなずけます。ただ、この分の悪さは、とにかく少しでもプレイしてもらえれば解消できる部分もあるでしょう。まずはプレイしてもらうためのとっかかりと言いますか、キッカケが必要なんでしょうね。ゲームに限らず、今まで感心がなかったものが何かのキッカケで気になり始める、ということはありますから。洋ゲーも何かのキッカケさえあれば、見た目のとっつきにくい印象を超えてプレイしてもらえるようになるのかもしれません。

■洋ゲーをプレイしたくない理由とは?

 続いては“Q2:洋ゲーをプレイしない(プレイしたくない)理由はなんですか?”という質問でした。

 回答は4つの項目からの選択式で、それぞれ以下のような結果になりました。

・なんだろう……なんとなく難しそうなイメージ? ……14%
・ゴツい大男ばっかり! キャラクターデザインが好みじゃないんだよね。 ……32%
・だって、好きなジャンルのゲームが少ないんだもん(RPGなど) ……9%
・その他……45%

 キャラクターが好みじゃないというのは、Q1の回答にもありましたように「マッチョなおっさんが銃を撃ちまくるゲームが多い」といったイメージをお持ちの方が多いことからもわかる結果でしょう。

 続いて、“その他”を選んだ方への質問が“Q3:“その他”を選択した方は、ぜひその理由を教えてください!”というものです。

 こちらの回答としては「積極的に嫌っているわけじゃないけど、他にやりたい和製ゲームがあればそっちを買うので(ああああいさん/男性)」という、優先順位の問題があるようです。おもしろそうなゲームを探す時は、まず日本のゲームから、といったところでしょうか。日本でしか遊べないタイトルがたくさんありますし、もちろん名作シリーズも多いですからね。何より情報が入手しやすいということもあると思いますから、もしかしたら洋ゲーの情報がもっとみなさんの手元に届きやすければ、この優先順位に食い込んでいけるのかもしれません。

 他には「内容が難しそうで、RPGタイトルが少ないからです。日本のソフトと比較した場合、つい日本の方を買ってしまいます。『シムシティ』や『テトリス』は素晴らしい作品だと思います。海外のソフト、たとえばどれも同じように見えるFPS以外の作品も見てみたいです(羊雲さん/性別未回答)」といったご意見もありました。

 たしかに、ローカライズされた洋ゲーのRPGは決して多くないと思います。今年の後半はXbox 360『Fable III』、PS3/Xbox 360『Fallout: New Vegas(フォールアウト:ニューベガス)』と、注目タイトルがたて続けに発売されたとはいえ、隔月に1本ぐらいのペースでコンスタントに何かしらリリースされると、いろいろ選べるし日本のユーザーさんの選択肢も広がっていいんですけどね。ちなみに『Fable III』はこのコーナーでレポートもしているので、ぜひ。

 ただ、日本でリリースされるタイトルが少ない点をポジティブにとらえれば、国内販売をする各メーカーさんによってフィルタリングされ、ハズレがつかみにくくなっているとも考えられます。洋ゲーにもこれはちょっと……というタイトルはありますから。

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▲好評発売中の『Fable III』は、比較的行動の自由度が高いRPGとして有名です。
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▲Xbox 360『ボーダーランズ』より。ロールプレイングシューティングと呼ばれる、FPSとRPGの成長要素をミックスした作品も数多くあります。

 FPS以外の作品については、以前ご紹介したXbox 360『アラン ウェイク』のようなACTやPS3/Xbox 360『アローン・イン・ザ・ダーク』もありますし、SLGには『シヴィライゼーション』シリーズなどの有名作品もありますから、洋ゲーに注目してみると世界基準の良作に出会えると思いますよ。

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▲『アラン ウェイク』は、アクション要素のあるサイコスリラー作品。海外TVドラマシリーズを彷彿(ほうふつ)とさせる演出も見所です。

→次ページでは、日本で有名な洋ゲータイトルが判明!(2ページ目へ)

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