2011年3月2日(水)

IGAプロデューサー×成田良悟先生がDSの名作ゲーム『マックスウェル』を語る!!

文:電撃オンライン

 KONAMIから発売されたDS用ソフト『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』。本作のローカライズを手掛けた五十嵐孝司(IGA)プロデューサーと、本作をやり込んでいるという、小説家の成田良悟先生の対談企画を行った。

 本作は、欧米で100万本以上販売されている『Scribblenauts(スクリブルノーツ)』の完全日本語版。アイテム名をタッチペンで書いて出現させ、そのアイテムを使ってステージの問題を解いていくパズルゲームだ。2万語以上の単語入力に対応しており、どのような言葉が収録されているかを探すのも楽しみの1つといえる。

 対談では、実際に2人がDSを片手にプレイしながら、本作の魅力をたっぷりと語っている。なお司会進行は、本記事のライターが担当している。なお本記事では、ステージの解法などのネタバレが含まれている。本作のステージの解法は無数にあるが、気になる人は注意してほしい。

●五十嵐孝司プロデューサー

 最近ではXbox 360ダウンロード専用ソフト『悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair』を手掛けるKONAMIのプロデューサー。通称IGAプロデューサー。過去に、電撃オンライン編集部にもムチを持って襲撃しにきたことがある。今回の対談では、ムチを持つ代わりにマックスウェルの帽子をかぶって登場。

●成田良悟先生

 電撃文庫『バッカーノ!』シリーズや『デュラララ!!』シリーズなどを手掛ける小説家。ゲームについて造詣が深く、今回の対談企画も、成田先生がTwitterに本作のプレイ状況を投稿していたことから実現した。『電撃文庫MAGAZINE』(アスキー・メディアワークス刊)の企画で、『悪魔城ドラキュラ』のノベライズを執筆したこともある。

『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』 『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』
▲五十嵐プロデューサー ▲成田先生


■実は日本びいきのゲームだった?

IGA:本日はよろしくお願いします。

成田:こちらこそよろしくお願いします。……その頭に被っている帽子はいかがされたんですか!?(笑)

IGA:版元であるワーナー・ブラザースさんにお邪魔した際にいただきました。昔はこのようなノリをするのは好きではなかったんですけど、いつのまにか平気になってしまいましてね……。ということで、今日はこの格好のまま失礼してもよろしいでしょうか?(笑)。

成田:もちろんです(笑)。しかし、ワーナーさんがオリジナルのゲームを発売するというのも珍しいことですよね。本作は、まずその部分が気になりました。

IGA:そうですね。ただ、実際にゲームを開発したのは、シアトルにある“5TH Cell”という会社なんです。私も開発の皆さんとは何度かお会いしたのですが、日本好きの方が多くて驚きましたよ。

成田:あっ、そうなんですか。

IGA:だから本作の原作となる『Scribblenauts』でも、日本のアイテムが多数登場するんです。侍や忍者は基本としても、カッパまでいますからね。

成田:そういえば力士もいましたね(笑)。

IGA:アメリカナイズな力士ですけどね(笑)。でも、本当に日本のアイテムがたくさんあるので、ローカライズの際には助かりました。

――カッパも力士も最初からいたんですね。

IGA:そうですね、実はローカライズで追加したのもKONAMIのキャラクターぐらいなんです。元が完成されたゲームですので本当はそのキャラクターたちも追加しなくてもいいと思っていたのですが、5TH Cellさんから「ぜひ追加してほしい」という要望を受けたため、実現させたんです。

――KONAMIキャラクターは全部で12人いますね。

IGA:部署内を回って、1つ1つ商品のプレゼンをしました。

成田:私が最初に見つけたKONAMIキャラクターは“ビックバイパー”でした。空を飛ぶステージで結構お世話になりました。

IGA:ビックバイパーは性能がいいんですよ。

成田:あとは『ドラキュラ』シリーズのキャラクターがいるかなと思って、ずっと“シモン”とか“ベルモンド”とかを入力していました……。

IGA:本作に登場するのは“アルカード”なんですよね(笑)。シモンが入っていない理由は、もともと『ドラキュラ』シリーズは1キャラクターにしようという考えがあり、その中で社内で「本作に出すのはどのキャラクターがいい?」と票を取ってみたんです。そうしたら意外にもアルカードが1番人気だったので、こちらを登場させることになったんです。シモン自体はいませんが、“せんし”がシモンのグラフィックに似ているので、彼に“ムチ”を持たせてあげてください! ちゃんと持ち手のところを渡さないと、持ってくれませんけど……。

成田:“し”と入力すると死神も出ますし、“ドラキュラごっこ”はできますね(笑)。

『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』 『ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート』
▲「『ポップンミュージック』シリーズのミミ&ニャミもいますよ」とIGAさん。KONAMIキャラクターが登場するのは、ファンにはうれしいサプライズだ。 ▲他にも、“まなか”に“ゴエモン”に……と、成田さんが実際にKONAMIキャラクターたちを呼び出してくれた。

――ちなみに、本作を日本語化するにあたって苦労した点はありますか?

IGA:日本語への翻訳そのものは翻訳会社に協力をお願いしたのですが、“ラーメン”と翻訳されたものが“焼きそば”だったり、“さしみ”が“すし”だったりと、文化の違いに戸惑うことはありました。そこは“ラーメン”を“スープ”のグラフィックに変えたり、“さしみ”を“カルパッチョ”に変えたりして対処しました。

――なるほど。

IGA:あとはレーティングですね。日本版は全年齢対象にしたかったので、人形たちの世界であることをきちんと説明することが必要でした。

→魔女にヘリ!? 
何でもありのクリア方法がつぎつぎと!(2ページ目へ)

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