2011年11月4日(金)
【日本ファルコム30周年記念企画 Vol.3:メモリアル座談会(2) 1986~90年編】『イース』や『英雄伝説』が誕生したPC-8800シリーズの黄金期
日本ファルコムの30周年を記念する特別企画の第3回。『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(11月8日発売)の制作スタッフが、自分たちが作った記念本を見ながら日本ファルコムの30年の歴史を振り返るメモリアルな座談会をお届け。座談会第2回は、『ロマンシア』が発売された1986年から『ダイナソア』が発売された1990年までの5年間を振り返る!
■座談会参加メンバー
●そみん
記念本の主要制作メンバー。無類の日本ファルコム好きで、『ドラゴンスレイヤー 英雄伝説』が遊びたくてMSX2を買った。だがPC-8800シリーズは友人宅でしか遊んだことがない。35歳男性。
●編集Y
レトロPCをこよなく愛するベテラン編集者。記念本の制作にはかかわっていないが、往年の日本ファルコムの歴史を知る生き字引きとして座談会に参加。43歳男性。
●おぬ
主に『イース』シリーズの記事を担当した記念本の制作メンバー。Windows以前のPCには触れたことがない。30歳男性。
■1980年代後半は神ゲーが連発された黄金時代
そみん 今回の座談会では1986~1990年の5年間の日本ファルコムの歴史について振り返っていきますが、この時代に発売されたタイトルは今も根強いファンを持つ名作ばかりですね。
編集Y 主要なものを列挙するだけでも、1986年10月に『ロマンシア』と『太陽の神殿 アステカII』、1987年6月に『イース』、同年7月に『ドラスレファミリー』、同年12月に『ソーサリアン』、1988年6月に『イースII』、1989年3月に『スタートレーダー』、同年7月に『ワンダラーズ フロム イース(イースIII)』、同年12月に『ドラゴンスレイヤー 英雄伝説』、1990年12月に『ダイナソア』が発売されている。どれも往年の日本ファルコムファンならピンと来るタイトルだな。
おぬ 『スタートレーダー』(AVGやRPG要素を備えたSTG)と『ダイナソア』(3DダンジョンRPG)は家庭用ゲーム機に移植されていないので、ややマイナーかもしれませんね。
編集Y どのタイトルもさまざまなPCで展開されたけど、当時はPC-8800シリーズの勢いがある時期だったから、PC-8800シリーズで遊んだ人が多かったんじゃないかな。1990年ごろからは市場がPC-9800シリーズへと移行し始めていたけど、1980年代後半はとにかくPC-8800シリーズが強かったからなあ。
おぬ 僕はまだ小学生だったので何となくしか覚えてませんが、1986年には『ドラゴンクエスト』、1987年には『ファイナルファンタジー』が発売されて、ファミコンでのRPGブームが起こった時期でもあるんですね。
そみん 名作が目白押しですが、これらをリアルタイムで遊んできたYさんにとって、一番インパクトが大きかったのはどのタイトルでしたか?
編集Y どれか1つを選ぶとか、無理だって(笑)。ただ、ソフト発売前からの盛り上がりの大きさで言うと『イースII』がすごかった気がする。『イースI』や『ソーサリアン』、『英雄伝説I』の盛り上がりもすごかったんだけど、これらはどちらかというと、ソフト発売後の評判がよくて盛り上がった感じだったんだよね。それに比べて『イースII』は、そもそも『イースI』の続きを描く完全な続編という時点で、もう大ヒットは約束されていた感じだったからさ。それに加えて、PCゲームショップの店頭などで流れたオープニングデモも大きな話題を集めたわけだ。
おぬ 有名な“振り向きリリア”ってやつですね。
編集Y そうそう! ヒロインのリリアが振り向くアニメーションの滑らかさとリリアのかわいさがね、もうオレらの心にグッときたわけ。そして、そのデモに使われたのは名曲『TO MAKE THE END OF BATTLE』! 発売前から胸が熱くならざるをえないでしょ!!
そみん 『ぐるみん』では『TO MAKE THE END OF DIGGING』という『TO MAKE THE END OF BATTLE』のセルフパロディ曲が登場したぐらい、ファンにはおなじみの曲ですもんね。
編集Y 今でも日本ファルコムの音楽は多くのファンを惹きつけているけど、往年のファンとしては、それはもう昔からの伝統という感じがするよ。
▲記念本に掲載している『イースII』の広告。「優しさから、感動へ。」という有名なキャッチコピーが書かれている。 |
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