2012年2月6日(月)
――演義モードのムービーですが、既存のものを流用せずに新規で作っているところに、このタイトルへの力の入れ方、心意気を感じました。
庄:それはプロデューサーの心意気かもしれませんね(笑)。先ほどと被るのですが、移植ではない新たな携帯機用の『真・三國無双』シリーズを作ろうという考えがあったので、ムービーをそのまま使うのではなく、話の展開に合った映像を作ることになりました。
――拠点制圧や拠点同士のつながりは『Empires』シリーズから持ってきたのでしょうか?
庄:『Empires』シリーズありきで、拠点システムを持ってこようとしたわけではありません。携帯機用ソフトということで、1回の戦闘はテンポよく遊べるようにするというのがまずありました。繰り返しテンポよく遊ぶ時に、ゲームとして攻略の仕方を毎回楽しめるようにするために、拠点のシステムや武将の特性を用意しました。
とはいえ『Empires』シリーズも弊社からリリースしているので、参考にするところはあり、まったく意識していなかったというとウソになるかもしれませんね。
――戦場では“アクシデンタルバトル”が発生しますが、これはランダムでしょうか?
古澤:ある程度は、条件付けされて起こることが決まっています。誰もいないところでいきなり発生するわけではありません。
――タッチスクリーンを使った一騎討ちを作る上で心がけたポイントを教えてください。
庄:一騎討ちだけでなく、アクシデンタルバトルもそうなのですが、我々はタッチ操作やモーションセンサーを使ったゲームを作ってきたことがなかったので、そういった入力方法でどこまでやってしまっていいのかを、つねに心がけました。どれくらいだったら手ごたえを感じつつ楽しく遊べるのか、どこからが難しいのか、無理なのかという調整には試行錯誤しました。
古澤:ギリギリまでいじっていましたね。最終的には、序盤であれば適当にプレイしてもクリアできるけれど、慣れてくる終盤では手強く感じられるようにしました。それとあわせて、難易度に応じて難しさを調整しています。
――難易度を変えると、かなり手触りが違うのに驚きました。難易度を上げると、気軽に攻撃するのではなく、相手の出方を見て攻撃する必要がありますね。
庄:ユーザーの皆さんの反応を見ると、高い難易度に挑まれている方は苦労されているみたいですね(笑)。ただ、難易度の“難しい”や“修羅”を選ばれた方はあえて難しい戦いを選んでいると思うので、そこはぜひ挑戦してみてください。
古澤:一騎討ちで倒されてしまっても、その場でリトライできるようになっているので、諦めずにぜひ攻略してほしいですね。何度も挑戦して、勝利を掴み取ったその後で、雑魚兵になぐられてやられることもあるのですが(笑)。
――難易度を上げると、一度攻撃を受けただけでそのままやられてしまうこともあり、「一騎討ちは気合いを入れないとダメだな」と感じました。
庄:今回の戦闘では、緊張感を意識して作っています。一騎討ちであれば、通常の戦闘とゲーム性をしっかり変えた上で、相手を見て行動することを表現しているので、従来のようにガンガン攻撃していくと、痛い目にあいますね。
――体力ゲージがなくなり、直感的になったワケは?
庄:開発する上で、PS Vitaのフル活用する以外に、“直観的な一騎当千のゲームにしよう”というテーマがありました。ゲージをいちいち見ながら遊ぶより、視覚的や聴覚的に状況を理解できるものにしようということです。それに加えて、昨今の『無双』シリーズでは自分の体力ゲージをつねに強く意識しながら遊ぶようなゲームではなくなったかな、と思うところもあり、思いきって体力ゲージをなくすことを考えました。
また、携帯機の小さい画面に小さいゲージを表示して体力を注視させるよりは、直観的に把握できるほうがいいだろうと思ったのも理由の1つですね。
――内部的には今まで通りに体力ゲージがあり、何パーセント以下になるとエフェクトが出るということをしているのでしょうか?
古澤:そうですね。ある程度減ると画面がうっすら赤くなり、倒れる直前まで減ると血走り、BGMがしぼられて息遣いのボイスが聞こえてくる。そこでピンチであることを表現しています。
庄:先ほどもありましたが、戦場の緊張感を意識しています。シリーズを重ねるごとに多くの方に支持され、爽快感が強まっていますが、戦場の緊迫感も楽しんでいただきたいなと。そのためにも、より直観的な表現がよかったわけです。今回は一騎討ちでなくても、複数の武将に囲まれると、一気にピンチになって、画面が真っ赤になるように調整しています。
――序盤ですら、あっという間に体力が削られる展開に、驚きました。
庄:(笑)。ただ、立て直せば体力はすぐに回復するようにしています。メリハリをお楽しみいただければと思います。
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