2012年3月23日(金)
どうも、ごえモンです。イエティから2012年春に発売されるXbox 360用ソフト『ルートダブル -Before Crime * After Days-(以下、ルートダブル)』。その特集ページで連載しているインタビュー企画も、今回でついに8回目となりました。
第8回は、本作のメインキャラクターデザイン・原画を担当したイラストレーターのみけおうさんを直撃! インタビューでは、『ルートダブル』に参加することとなった経緯や、苦労したポイントなどさまざまなことについて聞いています。せっかくなので、みけおうさんのパーソナルな部分についても伺いましたので、特にみけおうさんのことをご存知でない人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
●これまでのインタビュー記事
・【第1弾】独占キャストインタビューその1
・【第2弾】独占キャストインタビューその2
・【第3弾】独占キャストインタビューその3
・【第4弾】中澤工さんインタビュー 前編
・【第5弾】中澤工さんインタビュー 中編
・【第6弾】中澤工さんインタビュー 後編
・【第7弾】シナリオライター・月島総記さんインタビュー
――まずはコンシューマゲームのユーザーに向けて、簡単に自己紹介をお願いいたします。
みけおうと申します。普段はPCゲームの原画を描いたり、小説の挿絵やイラストを描かせていただいています。最近ですと、EX-ONEのPCゲーム『真夏の夜の雪物語 ‐MIDSUMMER SNOW NIGHT‐』やJourneyさんの『なないろ航路』などの作品があります。コンシューマゲームへの参加は今回が初めてとなります。どうぞよろしくお願いいたします。
――『ルートダブル』に参加されることとなった経緯について教えてください。
ヴューズさん、レジスタさんとは結構昔からの知り合いというか、お仕事のお付き合いがありまして。私が原画を描かせていただいた『こんねこ』というPCゲームのコンシューマ移植などでも大変お世話になったのですが、コミケなどのイベントでいつもあいさつに来ていただいて「いつか一緒にお仕事したいですね」なんて話をしていました。
社交辞令でそう言われることも多いので、あまり意識はしていなかったのですが、中澤さんが『ルートダブル』の企画を立てられた時に実際声をかけていただいて、びっくりしましたしすごくうれしかったですね。「あー、あれは本気で言っていたのか……」と。
ただ、実はこの企画への参加は一度お断りしているんです。私もインタビューで聞かれるまでちょっと忘れていたのですが(笑)、声をかけていただいたころ、いろいろ個人的な事情が重なってしまって、他のお仕事も含めてまとめて作業ができる状態ではなく……。悩みに悩んで「すみませんがこのまま参加してもご迷惑をおかけすると思いますので」と連絡しました。
すごくやりたかったので「あーーーー」と落ち込んでいたのですが……「お仕事に復帰されることがございましたら、その際はぜひご一緒にお仕事できればと思っております」というありがたいお返事をいただきまして。
それで今回の企画は、他の方が描かれるんだろうなとすっかり思い込んでました。
――その後、どういった経緯で担当されることとなったのでしょう?
お断りした約1年後ですかね、「企画、大切に育てておりますので、もし本格的にお仕事に復帰なさる時期が見えましたら、その際には改めてご相談させていただければ幸いです」というメールを改めていただきました。
「え? まだ……待っていてくれたの?」って、本当にびっくりしました(笑)。普通に考えても、1年ってひょっとするとゲーム自体の開発が終わってしまいますからね。お断りした後も定期的には連絡をいただいていたのですが、ここまで「みけおうさんの絵で」と言われることってないですからね。
まだちょっと作業時間がどれぐらい取れるかわからなかったので、自信がない感じではあったのですが、ここまでしていただいてちょっとやそっとの理由で「できません」はないなぁと思いまして。もちろんお受けすることにしました。
――最初に、本作についての企画書などをご覧になった時の感想を教えてください。
今までにかかわってきた作品ですと、企画書はだいたいA4で2~3枚、別紙でキャラクター指定……といった感じのものが多かったのですが、『ルートダブル』の場合は最初にもらった企画書からすごいボリュームでした。ちょっとした冊子ぐらいページがありまして。まだざっくりとした内容ではあったのですが、その時点ですでに「この先どうなるんだろう」と先が気になる内容になっていたかと思います。こんなすごいものもらっちゃっていいのかな? みたいな。
――こういったサスペンス色の強い作品は、あまり担当されたことがなかったとのことですが、担当するにあたり不安はありましたか?
私に描けるのだろうかという全体的な不安はかなりありました。アクションシーンや、キャラクターが傷ついて倒れるシーンなんて、今までほとんど描いたことがありませんでしたので。そこの不安は最初にお話して、どうしたら一番いいか相談をさせてもらいました。
――本作のCGやキャラクターデザインなどを手掛ける上で、苦労された部分はありましたか?
“レスキュー隊の服”が苦労しました……。今も納得いっていないと言えばいっていないというか、もうちょっとカッコいいデザインがあるんじゃないかという心配もあります。最初にもらった資料も結構すごくて(笑)、あまり見た目がカッコよくなかったので、いろいろ調べたり考えたりしていろいろ描いてみたのですが、何をどうしたらいいのか、もっとよくなるのか見当もつかなくていろいろ迷走しましたね。
あとは、立ち絵が……地味に大変でした……。普段のPCゲームではあまり書かないような表情差分がかなりありまして、しかも1ポーズごとにほぼすべての表情差分があるので。“呆然”と“驚き”をどう表現する? みたいな。なかなか微妙な違いの指定がたくさんありましたね。
立ち絵自体があまり好きではないというか、線画に入ってしまうと延々同じ作業の繰り返しで“作業的”なんですよね。なのでどうしても飽きてしまうのですが、しかしユーザーさんの目には一番多く触れる部分なので、一番気合を入れなくてはいけないという。あまり飽きないように毎日少しずつ作業して、塗り上がった後にも最終調整をして、さらに手を入れてあります。なので相当時間がかかっているかなと。
――ユーザーさんに、特に注目してほしいCG、シーンなどはありますか?
ましろの本気料理を披露するシーンはすごいので見てほしいですね。eco*さんもインタビューで仰っていましたが、私も好きな1枚です。本当においしそうなので。あとは風見のエンディング(?)のCGです。今回イベントCGは、すべてわだぺん。さんが絵コンテをやってくださったのですが、このシーンは構図を含めてかなり時間をかけさせていただきました。
(C)イエティ/Regista
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