2012年4月13日(金)
では、最後に『三国志大戦TCG』のディレクターを務める窪内直樹さんに、開発の経緯や今後の展望、そしてユーザーへのメッセージを含めたショートインタビューを行いましたので、それをお届けします。
――本日はお疲れ様でした。
お疲れ様でした。
――この『三国志大戦TCG』は、セガのTCG参入第1弾となるわけですが、なぜ今TCGなのか、そして『三国志大戦』というコンテンツを選んだのか、これまでの道のりを教えていただけますか?
まず開発の経緯からご説明します。日本ではあまり知られていない話なんですが、セガでは6年ほど前に『恐竜キング』という小型筐体のアーケードカードゲームを出していたんですが、これをアメリカで展開しようという話が出たんですね。ただ、アメリカでは治安上の問題でゲーム筐体を置けないことがわかったんです。それではということでアメリカ・ヨーロッパ圏向けに『恐竜キング』のTCGを作ったことがあるんですよ。
また、セガはご存知の通り『WCCF(WORLD CLUB Champion Football Intercontinental Clubs)』や『三国志大戦』をはじめとするアーケードカードゲームを得意としています。そこで『恐竜キング』TCGのプロデューサーが、2つのノウハウを合わせて国内向けのTCGを作ってみようと言い出したんです。それが、だいたい2年前の話ですね。そこから開発が始まりました。
――国内では初参入ですが、海外向けにはすでにTCGの開発経験があったのですね。
そうですね。今は若いプレイヤーにはいわゆる萌え系のTCGが、やや高めの年齢層には『マジック:ザ・ギャザリング』が受けていて、TCG業界が活性化しています。TCG業界に参入するなら今だろう、という判断のもとゴーサインが出ました。
――『三国志大戦』というコンテンツが選ばれた理由はなんでしょうか。
セガのカードゲームと言えば、やはり『三国志大戦』というところが大きかったですね。“高年齢層にもアピールでき、なおかつ、戦略性の求められるTCG”を作りたいというコンセプトもあって、『三国志大戦』はそれらの内容をぴったりと満たすものでした。実際、反響は大きくて、特にアーケード版を遊んでいたプレイヤーさんの多くが『三国志大戦TCG』に触れてくれています。
――好発進をした『三国志大戦TCG』ですが、ブースターも発売されています。イベントの開催など、今後の展望をお聞かせいただけますか。
まず2013年の初頭に全国大会を行う予定です。ショップ大会、地区予選大会といった段階を設けた大規模な大会になりますね。また、それらに先がけて、夏休みや冬休みの期間にも中規模での公式イベントの開催を検討し始めているところです。
――夏休みというと、ブースター第3弾が発売された後でしょうか。
その少し後になりますね。第3弾でひとまずすべての勢力が登場しますので、その状態になったところで全国大会をやろうという計画です。先ほど軽く触れさせていただきましたが、特に去年から今年にかけてTCG業界全体が盛り上がっている状況にありますので、他の企業さんとも協力して何かできればいいな、とも考えています。
――それは楽しみですね。ところで、第3弾で登場する新勢力と言うのはやはり……。
はい、漢軍です。
――少々気の早い話だとは思いますが、第2弾、第3弾がどんな雰囲気なのか、可能な範囲で聞かせてください。
第2弾では、司馬懿や董白、馬超に諸葛亮といった人気武将がカード化されます。イラストはもちろん全カード描き下ろしになっています。また、“軍師”と呼ばれるカードも第1弾とは別の新たな方向性で、戦闘には参加しなくても、場にいるだけで何かしらの効果を発揮してくれるデザインになります。
――それはデッキ構築の幅がもっと広がりそうですね。
はい。また、第3弾に登場する漢軍は“国力”がキーワードになってきます。これもアーケード版のイメージを反映させたものになります。
――国力ですか。
まだまだ先のお話ですので、ご想像にお任せします(笑)。
――国力と言えば、複数の勢力(色)を使用するようなカードも今後登場するのでしょうか。
今のところはなんとも言えませんが、たとえば“赤壁の戦い”を再現しようとすると、そういったカードが登場する可能性はありますよね。
――『三国志大戦TCG』を作るにあたっての苦労話や思い出などはありますか? また、制作過程で意識したことなどもあれば教えてください。
製作にあたって意識したのは、武将の配備などにはコストを支払うシステムにすることです。これは僕が長年遊んでいる『マジック:ザ・ギャザリング』の影響がありますね。あとはダメージを受けることが恩恵につながることです。これは最近のTCGによく採用されているシステムで、今のTCGプレイヤーにも好まれている要素の1つでしたので、この『三国志大戦TCG』でも導入しました。
――個々のカードで印象に残っていることはありますか?
▲《孫策》 |
《孫策》ですね。『三国志大戦TCG』の作成にあたっては、ライフカウンターやサイコロを用意しなくてもデッキだけで遊べる仕組みにしたんですが、唯一《孫策》だけはちょっと思い切ってみました。“ため計略”という時限式で発動する能力で、さらにターンをまたいで効果が永続的に発揮される唯一のカードになっています。
――では『三国志大戦TCG』で初めてTCGに触れるというプレイヤーさんと、熟練のTCGプレイヤーさんにそれぞれアドバイスやメッセージをいただけますか。
始めたばかりの方へのアドバイスとしては、デッキに“兵隊”カードをたくさん入れましょう。武将を強化してくれるだけでなく、国力にもなるのでデッキの動きが安定します。あと国力は表、裏、表、裏の順番で並べるといいですよ。
――オススメの勢力はありますか?
やっぱり蜀ですね。戦法がシンプルでいいです。でも、ときどき《趙雲》でアクセントをつけることもできますから。そして熟練のプレイヤーさんはぜひ軍師を活用してみてください。あなたのデッキ構築力が問われます!
それと、初心者の方にお伝えしておきたいのは、ショップにどんどん行ってみてくださいということです。何しろ始まったばかりのTCGですから、公認大会は初心者歓迎です。ショップでは初心者のプレイヤーに向けた講習をやっていたりもしますので、デッキ構築のアドバイスが聞けたりすることもあります。そして何より、ショップには一緒にゲームを楽しむ相手がいますから。
――ありがとうございました。
というわけで、今回セガさんになんとか1勝できたので、ブースターパックを1BOX読者プレゼントにもらいました! ……そして、あまりにもふがいなかった電撃オンラインを見かねてか、セガさんの温情により、カードスリーブやポスター、店舗用に配られた非売品のエプロンなど、レアなものも含むさまざまなグッズをいただくことができました。欲しい人は、下のフォームから応募してください!
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(C)SEGA
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