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2012年5月22日(火)

仲間にできるサポートポーンは20万体以上!? 『ドラゴンズドグマ』開発インタビュー特別バージョンをお届け

文:電撃オンライン

■エディットシステムを使ってゴブリンにも個性を持たせています!

──装備のデザインも細部までかなりこだわられていますね。

小林:ハイファンタジーの世界観は最初のコンセプトどおりで、その世界観に合わせてデザイン的にこだわるために、たくさんの資料を集めました。

伊津野:あまり変なものを作ってしまわないように、絶対に誰にも嫌われない「本物」を作ろうと思いました。

小林:そうですね、世界中のユーザーが相手なので、日本人だけ好むようなデザインでも困るし、かといって日本人から不評すぎるのも困りますからね。

伊津野:現実にあったらこんな感じになるんじゃないかと、いろいろな資料に目を通して作り込み、検証しています。

──実際の甲冑の資料を見たりとか?

伊津野:ほとんどそんな感じですね。博物館に飾ってあるような甲冑とか実際にある武器、文献など、ものすごく参考にしています。もちろん武器だけではなく、中世の暮らしの参考書をたくさんそろえて、NPCの服なども本物に見えるデザインにしています。また、住んでいるエリアで衣装や建物のデザインも異なってきますので、デザインする段階で分けて考えるようにしました。なので、最初の漁村だったら南国の人の民族衣装を参考にしたり、城下町に住んでいる人は、もう少し裕福なはずですから、衣装も凝ったものにしてみたり。とはいえ、城下町でも住民に貧富の差はあると思うので、そこのなかでも差を出してみたりと、こだわっています。

──インナーなどにもこだわりを感じました。

伊津野:その部分のこだわりも、最終的には個性を出すためという理由が大きいです。職業も含めて、パッと見た目で「このキャラはこんな性能のやつだな」とわかってもらえるようにリアルさを出しています。現実世界の街を歩いていて、すれ違った時に「おぉ、ちょっとアイツ、めっちゃ強そうだな!」と二度見して、近寄って話しかけて「ちょっと仲間にならない?」ということをゲームでやりたかったんです。あと、街の中で会うポーンには、あまりレアな装備をさせないように気をつけています。他のプレイヤーが作ったポーンを見た時に、「ちょっとそれどこで手に入れたの?」みたいなことがあるとドキドキしますよね。そういった装備をしているポーンもたくさん出てくると思うので、そんなドキドキ感を楽しんでもらうために、細かいところにこだわっています。

──本作に登場するモンスターはどういった基準でデザインされたのでしょうか?

小林:世界中の人がひと目でわかるもの、アクションゲームとして成り立つものがコンセプトですね。デザイン的にもこだわっていまして、着ぐるみ的ではなく、実際にその生物が生息しているような、そんなリアリティを実現できたと思います。有名なモンスターがたくさん登場しますが、しっかりと『ドラゴンズドグマ』のサイクロプスやグリフィンになっているのも見どころです。

伊津野:あと今回のエディットシステムを使って、モンスターもさまざまなバリエーションのものを作ることができました。なのでゴブリンだけでも、いろいろなものを出せたりします。

小林:単純に色違いしか出てこないんじゃなくて、体型も違います。

伊津野:そうです、サイクロプスやゴブリンなどにも、ちゃんと個体差を付けています。同じサイズの敵が10体以上で同じモーションの攻撃をしてくるのって、もう一世代、二世代前のゲームかなって考えています。

小林:つまり10体敵がいれば、同じ種族でも10体それぞれの個性がある。例えばゴブリンが現れるところだったら、それぞれに役割などがあって、細かい装備の違いを出して、より臨場感やリアルさがある演出ができていると思うんですよね。

──ラッパを吹くゴブリンは仲間を呼んでいるのですか?

小林:そうです。遠吠えする狼も仲間を呼んでいます。だから先にやっつけたほうがいいですし、そういう役割分担がなされているということですね。

伊津野:そういう調整って、実はスゴイ作業量ですけどね(笑)。

小林:遠目で見られるワクワク感っていうのが、オープンワールドらしくて、すごくいいなと。ポンとその場に急に現れるRPG的な演出ではなく、ちゃんとそこに生息しているんです。崖の上から不意打ちしてくることもありますし、見なかったことにして突破してしまうこともできます。

──牛のような生き物がいますが、ファンタジー的にアレンジが加えられたデザインのように見受けられます。あのデザインにされたのはなぜですか?

伊津野:この世界には生物としての馬がいないんですよ。食用であり、荷物を運ぶ家畜であり、四足歩行の哺乳類として唯一存在するのがあの生き物なんです。定義的には牛ではなく、この世界で牛と呼ばれている生き物です。馬がいたら乗りたくなりますよね。でもそれはポリシーとして使いたくなかったので登場させませんでした。

『ドラゴンズドグマ』 『ドラゴンズドグマ』
▲群れをなして襲ってくる敵。1体ごとに特徴や行動パターンも異なっている。
『ドラゴンズドグマ』 『ドラゴンズドグマ』
▲大型のモンスターにも個体ごとに特徴があるものも。肩当や兜をかぶったサイクロプスなどもいるようだ。

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データ

▼『ドラゴンズドグマ LIMITED EDITION』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PS3/Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2012年5月24日
■希望小売価格:各11,990円(税込)
※イーカプコン専売

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