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2012年5月28日(月)

『Z.O.E』は『MGS』の実験作にもなっていた? 制作秘話が数多く飛び出した“ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)”イベント

文:電撃オンライン

 KONAMIは、5月25日に東京・新宿の新宿バルト9にて、『ゾーン オブ エンダーズ(以下、『Z.O.E』)』のイベント“ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)-NIGHT 宇宙最速~ReBOOT Preview~”を開催した。

 このイベントでは、小島監督ら開発陣と井上和彦さんをはじめとする声優陣によるスペシャルトークや生アテレコなどが行われた。また、別の記事にてすでにお伝えしているとおり、PS3/Xbox 360用ソフト『ゾーン オブ エンダーズ HD エディション』の発売日や限定版の詳細、続編のプロジェクトが進行していることが明らかになった。

 ここではステージにて行われたイベントを中心にお伝えする。

■紆余曲折を経て形になった『Z.O.E』

▲左から司会の森一丁さん、小島秀夫監督、新川洋司さん、西村誠芳さん、岡村憲明さん、村田周陽さん。

 まず初めに、『Z.O.E』シリーズのプロデューサーを務める小島秀夫監督、メカニックデザインを担当する新川洋司さん、『Z.O.E』の作画監督を担当した西村誠芳さん、『Z.O.E』の脚本を担当した岡村憲明さん、続編の『ANUBIS ZONE OF ENDERS(以下、『ANUBIS』)』の脚本を担当した村田周陽さんといった開発陣が総登場。各自が登場と同時に「はいだらー!」と叫ぶというオープニングとなった。

 開発陣からの制作秘話として『Z.O.E』になる前の開発途中のエピソードが語られた。事の始まりは、『ときめきメモリアル』のドラマシリーズなどを手がけていた岡村さんの「そろそろオリジナル物を作りたい」という思いがあって、企画がスタートしたという。

 企画がスタートしたものの、岡村さんが当初書いていたのは“平安巫女もの”の『九曜大戦』という作品。しかも物語のプロットは書いてあっても、企画書にはゲームとしての内容はまったく書いていなかったという。そこで小島監督から「何がしたいんだ」と言われた岡村さんは、「ロボットものがやりたい」と答えたという。

▲『Z.O.E』の初期段階の『九曜大戦』の企画書。その後『アトランティス』となり、ロボットアニメへと徐々に近づいていった。

 その後、メカデザインに新川さんの加入があり、作品は『アトランティス』へと姿を変えて、最終的に『Z.O.E』へたどり着く。

▲『Z.O.E』で決定したキャラクター。左からセルヴィス、レオ、ヴァイオラ。▲新川さんが加入したことで、メカデザインがより一層引き締まった。

■小島プロダクションの一軍を投入して完成した『ANUBIS』

 脚本・監督を村田さんにチェンジして制作された『ANUBIS』は、テーマに“最強のオービタルフレームであるANUBISを倒すこと”がかかげられていたという。制作チームに『メタルギアソリッド2』の制作を終えていた小島プロダクションの一軍を投入することで、『Z.O.E』での問題点や疑問点などを解消することができた。

 一方、村田さんによると『Z.O.E』や『ANUBIS』のチームは、『MGS』チームと近い場所で作業をしていたため、ひんぱんに開発途中の『MGS』を見させてもらっていたという。そうして『MGS』を見た後は「“なぜあんな動きができるんだ”と打ちのめされていた」と語った。

▲『ANUBIS』でのメカデザインとキャラクター。レオが頭に鉢巻を巻いているが、これは前作よりも男らしくなったのを表しているという。

 メカニックデザインを担当した新川さんは、「これまで『MGS』で軍事ものをずっとやっていたので、違うものがやりたかったんです。『Z.O.E』と『ANUBIS』の制作は完全に趣味の範囲ですね」と語った。なお、『Z.O.E』では、実現できなかったギミックなどがたくさんあったが、『ANUBIS』ではこれらをふんだんに取り入れているという。

▲最強のオービタルフレーム・アヌビス。▲レオが乗るLEV・ビックバイパー。

 また『Z.O.E』や『ANUBIS』では、さまざまな実験的な技術が取り入れられているが、これは『MGS』への布石だったと小島監督より明かされた。『Z.O.E』などでその技術を使ってみて、うまく行くようだったら『MGS』にも取り入れていたとのこと。

▲『Z.O.E』はもともとドリームキャスト用として制作された。これは映画『アトランティスから来た男』の登場人物がうずまき模様の海パンを履いていたからだとか。▲新川さんは金子さんとのコラボについて「自分にはないアイデアがたくさん出てくるので、刺激になった」と語った。▲当初、レオの鉢巻については『MGS』のスネークと姿が被るので外したのだが、小島監督の「鉢巻をしているほうがいい」のひと言で復活したという。

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(C)Konami Digital Entertainment

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データ

▼『ゾーン オブ エンダーズ HD エディション(プレミアム パッケージ コナミスタイル特別版)』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:PS3
■ジャンル:ACT
■発売日:2012年10月25日
■価格:9,980円(税込)
▼『ゾーン オブ エンダーズ HD エディション(プレミアム パッケージ コナミスタイル特別版)』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2012年10月25日
■価格:9,980円(税込)

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