2012年6月7日(木)
先月の5月24日にカプコンより発売されたPS3/Xbox 360用ソフト『ドラゴンズドグマ』。オープンワールドの世界を舞台に、さまざまなクエストに挑戦したり、モンスターと戦ったりと、プレイヤーの自由に冒険を楽しむことができるACTだ。
今回、その『ドラゴンズドグマ』で使われている楽曲を手掛けたコンポーザーの牧野忠義氏に、本作を手掛けるまでの経緯や、『モンスターハンター』シリーズなどの今まで手掛けた作品との違い、そして楽曲に込めた思いなどを語っていただいた(インタビュー中は敬称略)。
牧野忠義 氏:株式会社カプコン サウンド制作室 コンポーザー。『宝島 Z』『モンスターハンターポータブル 2nd G』『モンスターハンター3(トライ)』『モンスターハンターポータブル3rd』などの作品で楽曲を手掛ける。『ドラゴンズドグマ』ではメインコンポーザーを担当。インタビュー時に持参いただいたポールリードスミスのエレキギターは、実際に本作の作曲に使ったものだ。 |
――先月『ドラゴンズドグマ』も発売されて、ようやくひと段落といった感じでしょうか。
そうですね、今は比較的落ち着いているところですが、プロモーション活動なども結構やっていますね(笑)。WEBの番組では先日、ピアノやギターを演奏させていただきました。なかなかそうやってコンポーザー自らが出演して演奏する機会もありませんので、大切な経験だと思います。
――そうですね、あまり見ないですよね(笑)。
そもそも生演奏をしないコンポーザーの方もいらっしゃいますからね。コンポーザーに求められることって、演奏とはまた違ったスキルだと思いますので。そこは人それぞれですね。僕もピアノは独学でしたし、演奏から入って作曲をするようになりました。演奏はクラシックギターを小学生からやっていたので、ギターのほうが演奏歴は長いですね。
――そこからなぜゲーム音楽を手掛けようと思ったのでしょうか。
ゲームはずっと好きで、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といった有名なRPGのシリーズ作品をプレイしていました。そのようなタイトルをプレイしていて、音楽とゲームの映像、ストーリーによって訴えかけてくるものに、幼心ながら印象深いものを感じまして。そして自分で作曲をするようになってから、いろいろなコンテストで賞をいただくことができまして、それをきっかけにこの業界に入ったという感じです。
――なるほど。そこからカプコンに入社した経緯というのは?
一番のきっかけは『モンスターハンター』の「英雄の証」という曲ですね。この曲を2006年に行われたゲーム音楽のオーケストラコンサートで聴き、感動したのがきっかけで、その翌年にはもうカプコンに入社していましたね。入社する前は、まさか自分が『モンスターハンター』の曲を手掛けることになるとは思いもしなかったです(笑)。
――今回手掛けられた『ドラゴンズドグマ』のオリジナル・サウンドトラックですが、発売元がスクウェア・エニックスとなっていてビックリしました(笑)。これはどういったお話で決まったことなのでしょうか。
経緯としてはカプコンのほうからスクウェア・エニックスさんに話を持ちかけさせていただきました。一番の理由は、やはりスクウェア・エニックスさんのファンの方々にはRPGのファンが多いということですね。といったところで、『ドラゴンズドグマ』のハイファンタジーの世界観を好んでくれるようなファンの皆さんに訴求したかったという思いがあります。それに、スクウェア・エニックスミュージックのゲームサントラを売っていく、ネットワークの影響力の強さにも魅力を感じました。
――会社が近かったからじゃなかったんですね(笑)。
確かに近いですけど、そういう理由ではないです(笑)。個人的にもスクウェア・エニックスさんの作品は好きなものばかりなので、今回のコラボの話が実現してうれしいですね。
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