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2012年8月21日(火)

“新生”の一端がついに明らかに! gamescomで『ファイナルファンタジーXIV』について吉田プロデューサーが語る

文:電撃オンライン

 ドイツで開催されたイベント・gamescom 2012にて、スクウェア・エニックスのMMORPG『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、FF XIV 新生エオルゼア)』のプレイ映像が公開された。

 『FF XIV 新生エオルゼア』は、2010年9月より展開しているPC用MMORPG『ファイナルファンタジーXIV』を、“新生”と銘打った再立ち上げにあわせて、タイトル名を変更したもの。壮大なエオルゼアという世界を舞台に、ネットワークを通じて、世界中のプレイヤーと冒険ができる。

 公開されたプレイ映像では、キャラクターの動きやエフェクト、さらには陰影の表現など細部まで確認できた。すでにスクリーンショットは公開されていたが、調整されたプレイ映像に、集まったファンは大興奮。残念ながら日本では、この映像を見ることはできない。プロデューサーの吉田直樹氏いわく、「自分としてはまだ90%の出来で、まだ手を入れたいところがある。日本のユーザーの皆さんにはお待たせして申し訳ありませんが、ベストな状態の映像をご覧いただきたいので、もう少しお待ちください」とのことだ。

 実機映像を見てみると、光源処理の美しさは一目瞭然。とくに影はリアルタイムで姿を変えるので、本当に森に立っているかのような雰囲気だった。キャラクターの動きや装備変更、チョコボへの騎乗からバトルに至るまで、テスト環境とはいえ非常にスムーズで、これが現行版『FFXIV』よりも低スペックで実現するというのだから驚きだ。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』 『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲ステージイベントには多くのファンが詰めかけ、吉田氏自らがプレイする実機プレイの様子に見入っていた。▲まったく新しいプログラムシステムに、まったく新しい表現方法。現行版にあった既存の内部プログラムはほぼ存在しないという。この陰影表現はぜひ実物を見てほしい。

■皆の力をひとつに! 新システム“リミットブレイク”とは!?

 “リミットブレイク”とは、パーティメンバー全員の力を集結して放つ特殊攻撃。ジョブの役割ごとに効果が異なるが、全員が持つリミットブレイクゲージが溜まった時に使うことができるという、強力な攻撃だ。ジョブによって効果は変わるので、状況に応じた使い分けと、パーティの中で誰がどんな状況のときに使うかなど、バトルバランスに影響する非常に興味深い一発逆転の秘技となっている。

 “リミットブレイク”と聞けば、『FF』シリーズ好きならば容易に想像がつくだろう。『FFVII』でクラウドたちが使っていたあの技だ。吉田氏が過去のインタビューなどでも語っているように、『FFXIV』はこれまでの『FF』シリーズをモチーフにして、さまざまな『FF』らしさを、ダイレクトに取りいれていこうという意欲作になる予定。

 今回の“リミットブレイク”もその一端だが、MMORPGならではの要素をプラスして、仲間の力を集結して大きな力を引き出す、という形に若干の変更がなされている。全員の力を合わせてこそ、限界を超える力が引き出されるというシチュエーションは、燃えないわけがない!?

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』 『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』
▲チョコボに乗る竜騎士。今回はチョコボも自分のキャラクターも、どんな場所でもジャンプが可能。アクションが増えることで楽しさを演出してくれるというのがよくわかる。▲黒魔道士のリミットブレイク“メテオ”。リミットブレイクはジョブの役割ごとに異なり、さらにレベルがあるという。

 今回、プロデューサーの吉田氏が日本のメディア向けに、さまざまな質問に答えてくれたので、あわせて紹介しよう。

 なお、8月30日発売の『電撃PlayStation Vol.525』(アスキー・メディアワークス刊)では、下記の質問とは別の、さらに深く突っ込んだインタビューが掲載されるのでぜひ注目してほしい。

■吉田プロデューサーへのインタビュー

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

――まず、『FF XIV 新生エオルゼア』では街やNPCが作り込まれているとのことですが、それらにクエストがかかわってくると考えてよろしいのでしょうか?

 もちろんそうです!

――それは、初めてプレイするプレイヤーにとって導線的な役割もはたすと考えてよいのでしょうか?

 そうですね。とくに序盤については、最初に降り立った場所のNPCに表示された“!”のアイコン を追って移動していくと、次のNPCにも“!”がある、といった感じで連鎖するように作っているので、クエストを追っているだけでレベルが7~8ぐらいまではサッサと上がっていきます。それによって、徐々にゲームシステムを覚えられるようにも配慮しているので、現行とはかなり方向性が違いますね。

――そうなると、一から始めようという人がストーリーを追いながらでも必然的にシステムが覚えられるゲームデザインになっているわけですね。

 その通りです。逆に現行の方がプレイすると、システムが開放されていないうちは、やれることが制限されていて窮屈に感じるかもしれません。かといって、なんでもできると初心者の方はパニックになっちゃうじゃないですか。なので、新キャラクターで始めた人は、1つずつクエストをこなしていき、レベルが上がるといろんなシステムが開放されていくように設計しています。

――現行でもチュートリアルがかなり親切に改良されていますが、『FF XIV 新生エオルゼア』はそれと比較してどうでしょうか?

 もっと丁寧です。例えば、1つクエストをクリアすると、次に○○へ行ってみよう、というような流れがきっちり出てきます。現行では教えてくれなかったところもフォローしてありますし、初心者がやるべき項目みたいなものも用意されています。

――現行でレベル50の人も、もう一度初めからやってみてもよい作りになっていると。

 バトルシステムも相当変わっているので、やってみるのもアリです。チュートリアルクエストに関しては、新規のクエスト扱いなのでレベル50の人でもプレイできると思います。

――初心者の方がひととおりのシステムを覚えられるにはどれくらいの時間がかかるように作られていますか?

 “ひととおり”の定義にもよりますが、パーティを組んでダンジョンへ行ってみようという基本的なところまでを、僕は15時間と想定しています。そこまではソロでいいですよってことで。その後に初めてパーティを組んで、クエストに従ってダンジョンを冒険してくるとなると、そうですね……寄り道しないでまっすぐ行ったとしたら30時間ぐらいかな。もうちょっと短いかもしれません。

――30時間というのは、狙って作られたのでしょうか?

 1つのコンテンツをクリアするまでの時間やメッセージの枚数などにこだわっているので、だいたいそうなるように計算して作っています。なんでもかんでも早く覚えさせようとしても、そう簡単に覚えきれないじゃないですか。勉強で例えると、最初に数学の公式を覚えた時って、何問かその公式で問題を解かないと身につかない。それと同じ理屈で考えて、しっかり覚えられるまでの期間を設けているわけです。後は、1日2時間ずつプレイして2週間、というのが僕自身の感覚的にありまして。

――現行ですと、クエストの他にオーダーを受けて何かをするという要素がいくつかありますが、それらはこの先どういった整頓のされ方をするのでしょうか?

 “レベル10が脱初心者”という考え方をしているので、ギルドリーヴはレベル10からでないと今回はスタートできないようにしてあります。冒険者ギルドで半人前と認められて初めてリーヴが託されるので。それと、かなりのコンテンツチョイスがあるので、何か一択だとあまりおいしくないようには作ってあります。まんべんなくさまざまなコンテンツをこなすと経験値がたまるように設計されているので、効率を求めるならいろいろなことに手を出してみるのがよいかと。

『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』

――『FF XIV 新生エオルゼア』では、パーティを組む機会はどのように設定されていますか?

 コンテンツファインダーに載っているものは、すべてパーティ向けととらえていただいていいでしょう。それ以外は、基本的にソロで気軽に参加できるものになっています。僕の中では、ソロ用のコンテンツとパーティ用のコンテンツの他に、そのちょうど中間にあたるパブリックコンテンツというのに分けています。後、ログインした時やエリアチェンジした時に、「今日はこれやるといいよ」というオススメのコンテンツが表示されるようになっています。

――それは、プレイヤーの状況などを判断して出るものなのでしょうか?

 近くにあるコンテンツの混雑具合やプレイヤーのレベルなどを見て、リストで表示されます。本人がパーティ志向なのであれば、パーティ向けのコンテンツを上位に出すようにも設定可能です。だから、何をすればいいかもう迷わなくて済みますし、逆にウザいと思うなら消しておくこともできます。

――リストのウィンドウにフィルターをかけられると。

 はい、邪魔ならウィンドウごと消せますよ。

――個人で表示・非表示を選ぶことができるんですね。

 でも、まったくの初心者さんにとっては非常に便利だと思います。リストには10個のコンテンツが表示されるんですけど、それを全部こなすと2時間ぐらいかかり、プレイヤーが「今日は十分遊んだなあ」と満足いただけることを想定しています。

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