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2012年9月19日(水)

ブレイク系『Gジェネ』の1つの完成形に――『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』クリエイターインタビューをお届け

文:電撃オンライン

■ライトな部分はライトに、コアな部分はコアに

――今回はストーリーが“ワールドツアー”と“ワールドコア”の2つのストーリー(※1)に分かれていますね。これはどういう理由からなのでしょうか?

宮城:“ワールドツアー”は、“ユーザーが外側からガンダムの世界の魅力を見ていく”というコンセプトで制作しています。一方の“ワールドコア”は、“『Gジェネ』の世界にユーザー自らが入り込んでいく”という異なるコンセプトになっています。そのため、ダブルストーリーという形に落ち着きましたね。

――難易度は“ワールドツアー”よりも、オリジナルストーリーが展開する“ワールドコア”のほうが、少し難しくなっているようですね。そしてどちらも最初から選んで遊ぶことができると……。

上瀧:難易度が高いのに最初から選べるようになっているのは、いつチャレンジしてもいいですよ、という形で遊び方に自由度を持たせたかったんです。やり込み派なら、早い段階でプレイできるようにと。これは“ジェネレーションブレイク(※2)”も同様で、ブレイクするかどうかは、ユーザーが自分で選べるようにしてあります。ストーリーを早く見たいなら、ブレイクしなければどんどん先に進める。もちろん、キャラクターを成長させたり主役機体をちゃんと集めたりしたいならジェネレーションブレイクを発生させるほうがいいですが。

桑原:ジェネレーションブレイクは、難易度を高めるかどうかを自分で選択できるようにして、初心者やライトユーザーをフォローするという狙いがあります。また、新要素の“マスタースキル(※3)”も、初めて『Gジェネ』をプレイする人が、これを使えばなんとかクリアできるという救済措置として入れました。ただ、救済措置を入れすぎると、コアなファンに「簡単すぎる」という不満を抱かせてしまうとも思ったんです。そうした問題は、ジェネレーションブレイクを発生させることで解決します。さらに“コアインパクト(※4)”と“オーバーインパクト(※5)”もですね。とくに後ろの2つは発生させると難易度が跳ね上がりますが、メリットは大きいです。早く新たな機体を手に入れたいと考える『Gジェネ』ファンにとっては、かなり楽しいやり込み要素になると考えています。

――ライト層とコア層のそれぞれを楽しませることを意識して制作されているわけですね。そう考えると、バランス調整などにもかなり苦労されたと思いますが……。

桑原:今回は味方の増援も同時に出てきますし、さらに“オーバーインパクト”を発生させると味方のゲストが全員敵になってしまうので、理不尽なバランスにならないように調整するのはかなり大変でしたね……(笑)。

上瀧:“オーバーインパクト”のシステムが追加されたことで、今回は『ワールド』と比べても1ステージの中身がかなり濃く、コアなファンでもやり応えはあると思いますよ。

――難易度のバランスがとれている点もありますが、今回は戦艦の捕獲枠制限がなくなっているなど、従来の作品よりもユニットを入手するときの手間が減って遊びやすくなっていますね。

桑原:『Gジェネ』に時間を割いてもらえるのが作り手としてはうれしいのですが、今は多彩なエンターテイメントがあり、ゲームに割ける時間が限られている時代だと思うんです。ユーザーの意見にも、サクサク進んで1周クリアしてから、図鑑を埋めたり好きなユニットを集めたりといったやり込みプレイがしたい、という声が多くありました。それをふまえて、今回はあえてライトなところはライトに、コアなところはコアに、というメリハリのある形にしました。捕獲枠の制限をなくしたのもそうした考えからです。当然ユニットは集めやすくなりましたが、『ワールド』よりも登場ユニットが増えているので、図鑑のボリュームもかなりのものになっています。すべてを集めようとするやり込み派のユーザーにも、十分満足してもらえると思いますよ。

――“特殊設計(原作キャラクターの専用機を設計で作れるシステム)”などの新要素も、専用機に対応するスカウトキャラを探すという従来の手間を省き、図鑑をコンプリートしやすくする、という意味があるのでしょうか。

上瀧:それもありますが、ユーザーの遊びの幅を広げたいという意味のほうが大きいですね。今回は“捕獲”のシステムでも、序盤からいろいろな機体を捕獲可能にしています。やろうと思えばいろいろなことができるので、その中から自分なりの遊び方を見つけて、少しずつ“濃い”プレイに挑戦してもらえればうれしいですね。


※1……“2つのストーリー”

『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』 『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』

 『オーバーワールド』では、“ワールドツアー”と“ワールドコア”の2つのモードで、異なるストーリーが展開。両方のステージをクリアしていくことで、物語の全貌が明らかにされるという仕組みだ。“ワールドツアー”では、原作のシチュエーションをベースにしつつ、作品間を超えたクロスオーバーストーリーが進行。“ワールドコア”では、語り部となるコード・フェニックスを中心としたオリジナルストーリーが進行していく。

※2……“ジェネレーションブレイク”

『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』 『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』

 ステージで特定の条件を達成すると、さまざまなガンダム作品同士のクロスオーバーイベントが発生するシステム。これが発生すると、新たな味方ユニットや敵ユニットが増援として出現する。さらに“チャレンジミッション”の条件を達成すると、特別なシークレットユニットが出現。シークレットユニットを撃破すれば、そのユニットの僚機を捕獲できる。

※3……“マスタースキル”

 自軍の“マスターユニット”に設定したユニットの搭乗キャラクターが使える特殊なスキル。距離に関係なく機体を捕獲できる“自由捕獲”や、ガンダム系のMSに大ダメージを与える“ガンダムキラー”などがある。

※4……“コアインパクト”

『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』 『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』

 “ワールドコア”モードで条件を満たすと発生するイベント。自軍の機体と同じ能力を持つ機体が敵軍に現れる。なお、“オーバーインパクト”も含め、条件を満たさなくてもステージクリアは可能だ。

※5……“オーバーインパクト”

『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』 『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』

 “ワールドツアー”で“ジェネレーションブレイク”を2回発生させると条件が示され、その条件を満たすと、それまで味方だったゲストユニットがすべて敵になり、自軍に襲いかかってくる。難易度は跳ね上がるが、戦艦を撃破すれば強力な主役級のユニットを捕獲するチャンスがある。ハイリスク&ハイリターンなシステムだ。


→“ガンダム愛”と手作りの戦闘アニメーション(3ページ目)

(C)創通・サンライズ (C)創通・サンライズ・MBS

データ

▼『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド』ダウンロード版
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:PSP
■ジャンル:SLG
■発売日:2012年9月27日
■価格:6,280円(税込)
※2012年9月27日~12月末の期間限定で5,650円(税込)
▼『SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド ザ・マスターガイド』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2012年9月27日
■定価:1,575円(税込)
※判型・ページ数:A5・160P
 
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