2012年9月19日(水)
――では次は、戦闘アニメーションについてお聞きしたいと思います。シリーズを追うごとに進化をとげている戦闘アニメーションですが、それらはどのようにして作られているのでしょうか。
上瀧:『ワールド』の時点でもだいぶ改良はしていたのですが、『Gジェネ』は基本的にカメラが固定でした。そこで今回は、カメラを動かして演出するシステムを作ったんです。じつは、毎回そうしたシステム設計まで含めて演出を作り直しているんですよ。昔の作品ではビームライフルを一方向から撃つだけといった見せ方でしたが、相手の背後に回り込んでからビームライフルを撃ったり、バルカンを撃ちながらビームサーベルで斬りつけたりと、バリエーションが非常に豊富になっています。具体的な制作は、新たなシステムを構築したあと機体の動きを絵コンテに起こすところからスタートしていますね。1種類の機体ごとに手作りですので作業量はぼう大ですが、そこはスタッフの“ガンダム愛”でカバーしていますね(笑)。
――“戦闘デモ(※6)”も、そうしたガンダム愛によって作られているように見えますね。
上瀧:“戦闘デモ”は、原作のカッコイイところをきちんと見せたいという意図の他、ユーザーに“その機体を開発したい”と思ってもらいたいという想いを込めて入れています。メニュー画面から選択できる“ユニット研究”で機体の開発ルートのヒントがわかるのも、そうした理由からですね。戦闘デモを見るのはけっこう時間がかかると思いますが、ぜひ全部を見ていただきたいです。
――ガンダムAGE-2 vs. ガンダムAGE-1のように、“戦闘デモ”のシーンの中に、お遊び的な組み合わせやサプライズ参戦作品の戦闘アニメーションが混ざっているなど、ファンならニヤリとするものが用意されているのも『Gジェネ』ならではですね。
上瀧:毎回やりすぎてご指摘を受けることもありますが、そこはゲームならではということで楽しんでいただければと思います(笑)。
――戦闘アニメーションを絵コンテから起こしているということでしたが、小説が原作となる作品のように、機体の動きが映像として表現されていない作品も多いと思います。こうした作品の戦闘アニメーションは、どのようにして作られているのでしょうか?
桑原:映像作品以外の機体は、原作となる小説や漫画をみんなで徹底的に読み込んでから、スタッフ同士で話し合って作っています。ここでも、最後はやっぱり“愛”ですかね。
――毎回、戦闘アニメーションが大きく進化していくので、ユーザーとしてもどんどん目が肥えてしまいそうですね。
上瀧:そんなユーザーの方にもしっかりと納得していただけるよう、プロとしてのこだわりを持って毎回全力で作るようにしています。今回とくに力を入れたのは、回避や被弾の描き方でしょうか。それらの戦闘アニメーションというものはどうしても地味になりがちなので、それを払拭したいと考えました。カメラを動かす演出はもちろん、相手の武装に応じて爆発のエフェクトや貫通の表現なども細かく変えています。もちろん戦闘のスムーズさも損なわないように調整していますよ。
メニュー画面から選択することで見られる各作品の“戦闘デモ”。原作を再現したものから、ガンダムファンならニヤリとする創作シーンまで、さまざまな戦闘アニメーションを見ることができる。
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