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2012年11月6日(火)

これはもはや“歴史大河ドラマ”──プレイしたからこそ断言できる『アサシン クリードIII』は史上最大級のオープンワールドACTだと!

文:イトヤン

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『アサシン クリードIII』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 皆さん、こんにちは。これまでにも、ユービーアイソフトのタイトルの記事を数多く担当しきたイトヤンと申します。今回は、11月15日にPS3/Xbox 360版、そして12月8日にWii U版が発売されるオープンワールドアクションの最先端『アサシン クリードIII』のシングルプレイ・インプレッションをお届けします。

『アサシン クリードIII』

 『アサシン クリード』シリーズは、2007年に登場した第1作の記事を担当して以来、新作が発売されるたびにずっとプレイしてきた、個人的にも非常に思い入れのあるタイトルです。それだけに、このシリーズが持っているポテンシャルの高さは、十分に理解していたつもりだったのですが……。

 そんな自分でさえ、『アサシン クリードIII』を初めてプレイした時には、壮大なスケール感にすっかり圧倒されてしまいました。そしてゲームを進めていくにつれて、今度はその内容の密度の濃さにどんどんと引き込まれていったのです!

『アサシン クリードIII』

 海外ゲームの超大作と言えば、今ではハリウッド映画並みの規模となっている作品も、決して少なくありません。それでもこの『アサシン クリードIII』は、これまでに例がないぐらい、エンターテインメイントとして突き抜けたスケールと密度を持つ作品だと感じました。

 ……と、ただひたすら圧倒されていても仕方がないので(汗)、一体この作品の何がどうスゴいのか、具体的に見ていくことにしましょう。

■歴史のうねりの中を生きる主人公コナーを描いた
壮大な“大河ドラマ”感に圧倒される!

 『アサシン クリード』シリーズでは、これまでにも十字軍時代のアルタイル、ルネッサンス時代のエツィオと、歴史の大きな転換点に立ち会った主人公のドラマを描いてきました。そして今回の『アサシン クリードIII』では、18世紀に起こったアメリカ独立戦争を舞台に、主人公コナーの生き様が語られます。

 ここでまず唸らされたのが、コナーが少年から大人へ、そしてアサシンのリーダーへと成長していく過程が、じっくりと丁寧に描かれている点です。物語のネタバレになるので詳しい説明はできませんが、イギリス人とインディアンの間に生まれたコナーの生い立ちは、かなり波瀾万丈なものです。本作ではそんな彼の人生を少年時代から順を追ってプレイできるので、プレイヤーはコナーという人物を、すごく身近に感じられるようになっているのです。

『アサシン クリードIII』
▲インディアン(ネイティブアメリカン)の一員として育った少年時代のコナーを、プレイヤーが直接操作するステージも登場。コナーが成長していく過程をまるごと体験できる。

 成長したコナーはやがて、アメリカがイギリスから独立して新国家を樹立しようとする、“アメリカ独立戦争”の流れに身を投じることになります。『アサシン クリード』ではこれまでにも、こうした歴史的事件や、そこで活躍した実在の偉人たちが登場してきましたが、アメリカ独立戦争と言えば日本の歴史の教科書にも載っている一大イベントです。

 後に合衆国初代大統領となるジョージ・ワシントンや、開戦のきっかけとなった“ボストン茶会事件”など、日本人でも聞き覚えのある有名人やトピックが物語が進むにつれて次々に出てくるので、歴史好きとしては本当にワクワクさせられます。シリーズの基本設定であるアサシン教団とテンプル騎士団の対決という展開と、実際の史実とのバランス配分がなんとも絶妙なんですよね。

『アサシン クリードIII』
▲アメリカ独立戦争の引き金となった“ボストン茶会事件”の現場にコナー自身が立ち会って、紅茶の入った木箱を自分で海に投げ込むこともできる。

 この『アサシン クリードIII』ではとにかく、“歴史的事件の現場に立ち会っている”という感覚を、従来のシリーズ以上に強く感じられるのです。事件の展開が実に細かく描かれれているというのもあるのですが、事件の舞台となる街並みや、現場に集まった群衆ひとりひとりの表情がすごくリアルに表現されているというのも、その大きな理由だと思います。このあたりはビジュアル的な時代考証もさることながら、本作に合わせて開発された新ゲームエンジン“Anvil Next”の威力が存分に発揮されているのでしょう。

 “Anvil Next”の真価が発揮されるのは、なんといっても大規模な戦闘シーンです。ここではアメリカ軍(大陸軍)とイギリス軍の兵士たち、合わせて2000人ものNPCが1つの画面に登場して激しい戦いを繰り広げます。主人公コナーはその中を自由に移動して、その兵士たちと直接戦うことすら可能なのです! 隊列を組んだ兵士たちが至近距離でライフルを撃ち合い、銃剣で斬り合うこの当時の戦闘は、高性能な武器を操る現代の戦闘よりも凄惨なものですが、それを見事に表現している本作の描写はまさに圧巻です。

『アサシン クリードIII』
▲アメリカ独立戦争の中でも名高い激戦“バンカーヒルの戦い”のまっただ中を疾走するコナー。数千人のNPCが同時に行動する、その技術力の高さにも要注目だ。

 このように本作では、アメリカ独立戦争という歴史的事件と、主人公コナーの人生とが複雑に絡み合って、非常にスケールの大きな物語が描き出されています。筆者個人としては『坂の上の雲』といった長編歴史小説や、『アラビアのロレンス』といった大作歴史映画を連想したほどです。ゲームというジャンルでそれらの作品と肩を並べるくらい、壮大な“歴史大河ドラマ”が登場したのだと、そう感じました。

→質も、量も、どっちもスゴイ!(2ページ目)

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