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2013年3月22日(金)

初代『ドラッグ オン ドラグーン』が秘めた狂気の深淵を暴く――10年前、プレイヤーに絶望と歓喜を与えた問題作の根源とは?

文:タダツグ

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◆──<GAME SYSTEM>──◆
空中と地上で展開する戦闘! さまざまなアクションを駆使して敵を撃破せよ

 最後は、空中と地上を行き来して戦うという本作独特のゲームシステムを紹介しよう。本作の戦闘シーンでは、地上戦ではカイムを、空中ではレッドドラゴンのアンヘルを操作して敵を撃破していく。

『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』 『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』
▲空中と地上とで、まったく異なるゲーム性を楽しむことができた。

 カイムは魔法を使うこともできるものの、基本的には剣による肉弾戦がメイン。対してアンヘルは、炎のブレスを中心とした遠距離攻撃が主となる。また、戦闘を繰り返すことでカイム自身のレベルが上がっていく他、各地で入手できる武器も、最大で4段階までレベルアップするのも特徴。

 武器は、剣や槍といった種類に応じて攻撃速度やリーチが異なる他、武器のレベルを上げることで、見た目や使える魔法の効果が変化していくため、戦闘スタイルそのものも変化していくのが斬新だった。

●空中戦(上空モード)

 戦場での制空権を手にするため、アンヘルに騎乗して徘徊するモンスターや帝国軍の戦艦と戦う“上空戦”。□ボタンを押しながら敵に照準を合わせ続けると、複数の敵をロックオンして同時に攻撃を繰り出せるなど、STGに近いプレイ感覚が楽しめる。

『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』 『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』
▲アンヘルのブレスで敵を攻撃!! 空中を自在に飛び回り、モンスターや戦艦を撃破していこう。▲敵にブレスを命中させるとMPが上昇。これを使用することで、強力な大魔法を繰り出せる。

●地上戦(地上モード)

 カイムを操作し、剣による斬撃と魔法を駆使して群がる敵を撃破していく“地上戦”。敵である帝国軍に対して数に劣るカイムだが、ボタンを連打することでコンボをつなげて、強力な威力を誇る“フィニッシュブロー”を繰り出したり、剣ごとに種類が異なる“魔法”を使用したりすれば、一度に多数の敵を蹴散らすことができる。

『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』 『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』
▲カイムが使用する武器は長剣、槍、斧など多種多様。ステージに持ち込める武器には限りがあるため、自分にとって使いやすい武器や魔法を把握して戦うことが重要だ。▲フィニッシュブローや魔法など、攻撃手段は豊富。アクション性は高く、ガードや緊急回避といった特殊なアクションも用意されている。

●低空戦(低空モード)

 地上戦でアンヘルを召喚すれば、“低空戦”に移行。燃え盛るブレスで敵を撃破したり、低空を飛行して迅速に目的地へ到達したりできる。なお、魔法や弓矢などの投射攻撃を受けると、カイムが振り落されてしまい、強制的に地上戦へと移行する。

『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』 『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』
▲当然ながら、カイムとは比較にならないほど移動速度が速いアンヘル。目的地まで素早く移動したい時に便利だ。▲群がる敵をファイヤーブレスで一掃!! この爽快感がクセになる。ただし、弓矢や魔法攻撃を受けるとカイムが地上に落とされるので注意。

●ウェポンストーリー

 一定数の敵を撃破することで武器のレベルが上がり、性能がアップ。それに加えて、その武器の背景となるウェポンストーリーが読めるようになっていく。武器に関する由来や、かつての使い手に関する内容であることが多い。

『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』 『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』
▲最高レベルまで上げた際、衝撃的な結末を迎える場合も……。『2』にも継承された、ある意味で『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズの大きな魅力の1つとなっている。

【“草原の竜騎槍”ウェポンストーリー】

[Lv.1]昔、飛べない竜がいた。荒々しいが高潔な心を持つ彼は人間と交わることはなかった。だがある日、傷ついた若き騎士と一匹の竜が出会う。

[Lv.2]竜は騎士を助けると、彼が目覚めるのを見届け、その場を立ち去ろうとした。翼のない竜は、役立たずと人に忌み嫌われていたからだ。

[Lv.3]別れ際、騎士が言った。「この恩は生涯忘れない」 時が流れ、年老いた竜は人間の軍勢に取り囲まれる。竜が死を覚悟したその時……

[Lv.4]「翼なき友よ!長く待たせたな!」 あの時の騎士が国王となり、数千の兵と共に現れたのだ。竜は忘れていた牙を剥き出しにして吼えた。


【“鉄塊”ウェポンストーリー】

[Lv.1]この世界で最も大きな剣。普通の人間では振るうどころか動かすことすらできず、今までこの剣を使おうと思う人間はいなかった。

[Lv.2]この大剣を所持していた「バッカス将軍」は、弱者の命でさえも容赦なく奪う冷血漢で、自分の力を誇示するために殺した敵の鎧を溶かし作り上げた。

[Lv.3]命を奪う度に重くなる大剣。次第に持ち運ぶのさえも困難になり、誰にも、当の本人さえも扱えなくなっていった。

[Lv.4]ある朝、バッカス将軍の惨殺死体が見つかる。屍の傍らには血に染まり肉片の付いたこの鉄塊。いったい誰がこの剣を振るったのであろうか…。


 ここまで、初代『ドラッグ オン ドラグーン』の魅力を駆け足で紹介してみたが、いかがだっただろうか。

 とにかくダークな世界観なので、万人向けのゲームとは言えないかもしれない。しかし、記事を読んでちょっとでもピンときた人はぜひ、PS2を引っ張り出してでも遊んでみてほしい。それだけの価値は間違いなくある。『ドラッグ オン ドラグーン3』に興味を抱いているのなら、なおさらだ。すでに遊んだことがある人も、最新作に向けて、再度記憶を掘り起こしておいて損はないだろう。

 なお、近日中には、シリーズ第2作目となる『ドラッグ オン ドラグーン2 封印の紅、背徳の黒』を振り返る紹介記事を掲載する予定。こちらもぜひ、お楽しみに。

『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』

【シリーズ最新作『ドラッグ オン ドラグーン3』の内容は?】

『ドラッグ オン ドラグーン3(DOD3)』

 シリーズ10周年を記念して発表されたシリーズ最新作『ドラッグ オン ドラグーン3』は、PS3で2013年に発売予定。クリエイティブ・ディレクターとしてヨコオタロウさん、キャラクターデザインとして藤坂 公彦さんが参加するなど、シリーズ作品を手掛けてきたオリジナルスタッフが多数集結して、開発が進められている。

 まだ詳細は明かされていないが、右目に花を咲かせた美女が登場するなど、シリーズの伝統である独特な世界観は健在。ぜひこちらも、続報に注目してほしい。

→『ドラッグ オン ドラグーン3』の紹介記事はこちら

『ドラッグ オン ドラグーン3(DOD3)』 『ドラッグ オン ドラグーン3(DOD3)』

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Character Design : Kimihiko Fujisaka.

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