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2013年4月11日(木)

【第8回】電撃おすすめアプリ 毎日レビュー『拡散性ミリオンアーサー』

文:石田賀津男

 私、石田賀津男が『拡散性ミリオンアーサー』というタイトルを初めて聞いたのは、東京ゲームショウ2011の会場でのタイトル発表時だった。その名前を目にした瞬間、「これはやられた!」という感想を抱いたのをよく覚えている。

『拡散性ミリオンアーサー』

 アーサーというのは、中世ヨーロッパの伝承、アーサー王伝説のこと。アーサーは石に刺さったエクスカリバーを引き抜いたことで王として認められ、多くの騎士を従えてブリテンを支配するという、ファンタジーの原点とも言える存在だ(内容については諸説あるが詳細は割愛)。

 また、「ソーシャルゲームで100万のユーザーを集めたら大ヒット」と言われており、本作はそれと同じニュアンスを込めつつ、多数のプレイヤーが参加するソーシャルゲームを“エクスカリバーが無尽蔵にあって、引き抜く人がいっぱいいたら”という豪快なifの世界に置き換えて描いている。そのセンスはお見事と言うほかない。では本作がどんなゲームなのか、実際のゲームの流れを見ていこう。

■100万人のアーサーの中の1人となり、エクスカリバーを振るう!

 ゲームを始める前に、3人のキャラクターの中から主人公を選ぶ。引き締まった体つきの少年、勝気な風貌の少女、温和で中性的な少年と、それぞれをサポートする妖精がいる。ここで選んだ主人公によって、ゲーム中の物語が変化する。ただ最終的な帰着点は同じで、ゲームシステムにはほとんど影響しないので、好みで選ぼう。

『拡散性ミリオンアーサー』
『拡散性ミリオンアーサー』 『拡散性ミリオンアーサー』
▲3人の主人公はどれも個性的。能力的な差はないので、気に入ったキャラクターを選んでみよう。

 主人公を選んだらゲームがスタートする。テキストアドベンチャーのような体裁で、キャラクターの立ち絵とセリフが流れていく。画面をタッチしていれば物語が進んでいくので、気楽に読んでいけばいい。

 主人公は無数にあるエクスカリバーの1本を抜いてしまい、約100万人いるアーサー王の1人にされてしまう。王の仕事は、内乱で荒れたブリテンを平定するとともに、島の外からやってくる“外敵”を排除すること。エクスカリバーを手にした(持たされた)アーサーは、早速やってきた外敵と戦わされることになる。

『拡散性ミリオンアーサー』 『拡散性ミリオンアーサー』

 バトルはカードの形で登場する騎士でデッキを組む、カードバトル型のスタイル。最初の展開はチュートリアルになっていて、用意されたデッキで外敵を撃退する。

 その後もコメディにシリアスにと、さまざまな展開が待ち受けている。特に山場での熱い展開は見どころ。この手のソーシャルゲームにしてはかなり長大なストーリーが用意されており、豪華な声優陣によるボイス付きで展開される。このシナリオを担当しているのは、電撃文庫で『とある魔術の禁書目録(インデックス)』などを手掛ける人気作家の鎌池和馬先生だ。

 ちなみに無数のアーサー同士で戦い真の王を選ぶ……というような展開はなく、物語の流れで自然に各プレイヤーが王になる。対戦型の要素もあるが、ゲームの必須要素にはなっていないので、マイペースに物語を楽しみながら進められるのも本作の特徴だ。

『拡散性ミリオンアーサー』 『拡散性ミリオンアーサー』
▲エクスカリバーを抜いてしまった主人公が、戦争に巻き込まれていく。シナリオはレベルが上がるごとに開放され、自分のペースで楽しめる。

→次のページでは、バトルシステムについて紹介!(2ページ目へ)

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データ

▼『拡散性ミリオンアーサー』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応端末:iOS/Android
■ジャンル:カードバトルRPG
■価格:無料(アプリ内課金)

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