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2013年4月18日(木)

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ座談会でヨコオタロウから飛び出す過去作の衝撃的真実…『DOD1』のアレは神様じゃない!?

文:タダツグ

『ドラッグ オン ドラグーン3』

 スクウェア・エニックスが2013年に発売する、期待のPS3用ダークファンタジー『ドラッグ オン ドラグーン3』。その発売を待ちきれないファンを代表し、電撃オンラインの『ドラッグ オン ドラグーン』記事作成チームが、ヨコオタロウ氏らシリーズの開発スタッフをお迎えして座談会を実施。

 お酒を飲んだ勢いも手伝い、軽妙さを増すトークはいつしか、ファンには衝撃のネタバレにおよび!?

 なお、この座談会は、『ドラッグ オン ドラグーン(以下、DOD)』ファンにとっては聖地といえる新宿にて、3月某日仏滅の夜に行われた。

→ヨコオタロウ氏の開発秘話カンペが読める座談会Part1はこちら!


【『DOD』シリーズ座談会参加メンバー】

・ヨコオタロウ 『ドラッグ オン ドラグーン3』のクリエイティブ・ディレクター。初代『ドラッグ オン ドラグーン』でもディレクターを務めた。

・安井章 『ドラッグ オン ドラグーン2』のディレクター。初代『ドラッグ オン ドラグーン』ではデザイナーを担当。

・佐々木隆太郎 スクウェア・エニックスの宣伝部に所属。『ドラッグ オン ドラグーン3』のプロモーションを担当。

・野村一真 電撃オンラインの編集長。初代『ドラッグ オン ドラグーン』の攻略本で編集を担当。

・染谷行人 電撃オンラインの『ドラッグ オン ドラグーン3』の担当編集。

・松下忠嗣 ライター名はTDB。電撃オンライン、および『電撃PlayStation』の『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ記事担当。過去のインタビューを通じてヨコオ氏と交流があり、たまにプライベートでも飲みに行く。

■新たなる病……その名は“ファッション鬱”

松下:しつこいかもしれませんが、妹の話に戻りますよ。

ヨコオ:それはいいですけど……あれ? 何かの話の途中じゃありませんでしたっけ。たしか、染谷さんからの質問で。

野村:ああ、いえ、大丈夫です。染谷はどうでもいいです。

染谷:(無言で2回うなづく)

ヨコオ:大丈夫? ほんとに大丈夫なの?

松下:じゃあ、染谷の質問にも答えてもらえますか? ゲームを作る時はファン目線なのか、それとも自分のエゴを通してるのか? って質問。

ヨコオ:あ、そこはお客さん目線ですよね。

松下:そこが意外なんですけどね。

ヨコオ:僕の場合、自分がやりたいことをやるんじゃなくて、お客さんにどうしたらウケるんだろうってことを考えながら、いつも作っていますので。

松下:これまで過去に何度もヨコオさんにお話を聞いてきていますが、そこは一貫してずっとそうおっしゃってますよね。

ヨコオ:僕は、お客さんが喜んだり、ニッコリしたくなったりするゲームを作りたくて、この仕事をやっているので。その時々で。

松下:ニッコリですか? ビックリとかドッキリとかじゃなくて? じゃあ、次は僕からの質問です。このカンペに“ファッション鬱”って言葉が出てきたじゃないですか。ファッションというか、これが流行るだろうという、そういった先見の明で作っているってことですか?

ヨコオ:いや、ファッション鬱っていうのはちょっと違いますね。このゲーム、よく“暗い”だとか“鬱ゲー”だとか言われるんですけど、ほんとに暗い話って、もっとうんと暗いと思うんですよ。たとえば児童虐待とか。もっと嫌な話なんて、世の中にはたくさんあるじゃないですか。そういうのじゃなくて、美男美女が出てきてやれ「腕が切れました~」とか、しょせんはゲームの中の話でしかない。ずいぶん表面的でしょう?

松下:なるほど。鬱っていうか……グロ系なんですかね。

ヨコオ:そうです。そういう意味ではグロ系なんですけど、世界に暗い話と明るい話があるとすると、そのちょうど中間の、そこから暗い話寄りの中間くらい。わかりますかね?

松下:酔っぱらってきたからわかりづらいですが、要はやや暗い話寄りだけど、すごく振り切れているわけでもない、と。

ヨコオ:そうです。そういう意味で、気取ってるファッション鬱だって書いたわけです。

松下:それは難しいところですね。言い方によっては、“あなたたちはこういうのが好きですよね?”と決めつけたファッションになりかねない。

ヨコオ:あーどうですかね。そういう決めつけの意図はないです。ファッション鬱っていうより、“ライト鬱”とか“スタイリッシュ鬱”というほうが近いかもしれません。余計わからない感じになりましたが。

松下:それを狙って作っているわけではないんですよね?

ヨコオ:正直、僕ってあまり暗いの好きじゃなくて。ホラー映画とか苦手なんですよ。1人で見られない。スプラッターとかも大嫌いで。なんであんなに血がいっぱい出てるの? いつもすごく不思議なんですよ。でも、自分で出すのは平気みたいで(笑)。

松下:そっちのほうが、すごく不思議ですよ!!

ヨコオ:ただ、人が作った映画とかで血を見ると、すごくグッタリする。不思議ですよね。とにかく、僕の中ですごく暗い話を作っているつもりはない。それだけです。

松下:なるほど、わからん。不思議な人ですよね……。

『ドラッグ オン ドラグーン3』 『ドラッグ オン ドラグーン3』
▲ヨコオ氏いわく、“ファッション鬱”とのことだが……今見直してみても、いろいろ精神的に“クル”シーンは数多い。▲スプラッターは苦手と語りつつ、『DOD』も『ニーア』も十分スプラッターのような気も……。自分でやるぶんにはかまわないというそのメンタルは、簡単には理解しづらいところ。

→『DOD』が背負いし業……
イケメンと美女がチュッチュするRPGへのアンチテーゼ(2ページ目へ)

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データ

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