News

2013年6月17日(月)

『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』シリーズ居酒屋座談会、再び。柴プロデューサーと藤坂さんがヨコオタロウに物申す!?

文:タダツグ

■15位のヴェルドレから11位のエリスまでをチェック


【15位:ヴェルドレ 520ポイント】

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ

:次はヴェルドレのじいさんか。

藤坂:デザイン的にはすごく気に入っているんですよ。正直、『DOD1』のデザインの中では一番好き。こういうヤツをもっともっと描きたいんだけど、まぁ、華がないから需要がないのもわかってます(笑)。

松下:需要があるかと言われれば……ないですよね。

:いや、でもここに残ってるっていうのは素晴らしいことだよ。ユーザーさんの支持を得ているわけだから。

松下:ぶっちゃけますと、嫌いなキャラランキングではワースト1位で、ファンからはハゲ呼ばわりされていました。

:まぁね。こいつ最低ですから、キャラ的には。何もしてないどころか、災いを広げてさえいるのに、偉そうにしてるし。

松下:ユーザーさんとまったくの同意見ですね(笑)。

:お前ええ加減にせえよ! と思わせたいキャラだったので、そういう意味ではしっかり自分の役割を果たしたと思います。


【14位:フェアリー 980ポイント】

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ

:フェアリーはね、もう完全にキャラ勝ち。デザイン的にも完成しているし。

松下:まぁ、シンプルですよね。

:パッと見ただけでわかるくらい完成している。藤坂さんは、ジジイとかこういうのとかが得意だよね。

藤坂:いや、わかんないですけど。そうかなぁ(笑)。

松下:妖精って言われて思い浮かべるのは、やっぱりこういう感じかなと思います。

:みやむー(※)にボイスをやってもらっているところが、ド変態ですよね。

※みやむー:声優の宮村優子さんのこと。

松下:ド変態ですよ。いや、柴さんに面と向かって言うのは失礼かもしれませんが。

:いや、これは珍しくヨコオタロウのオーダーだったんですよ。『エヴァンゲリオン』が好きだからね、彼。

松下:なるほど、だからアスカ役の宮村さんに……納得です。

:なんにせよ、キャラとしては非常に素晴らしい。このゲームを引き上げてくれたキャラの1人だと思ってます。

藤坂:今見ると、デザイン的に萌えとかはあんまりないですね(笑)。レオナールとペアっていうのがいいんですかね?

:そこはもう、わかりやすいからね、本当に。


【13位:セエレ 990ポイント】

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ

:あぁ、一番ムカつくガキが来ましたか。

松下:おっと。お嫌いですか?

:嫌いですねぇ。

松下:ヨコオさんも嫌いなキャラとして名前を挙げてましたよ。この人気投票でも、嫌いなキャラとしても票が入ってますけど。まぁ、13位ってすごいじゃないですか。

:セエレが自覚しているかどうかはさておき、幼い少年特有のあざとさは持ってますからね。そういうところにキュンとくる人がいるのもわかります。『DOD3』のスタッフにも言われるんですよ。「セエレ! セエレは……セエレは出ないんですかセエレは」ってね(笑)。

松下:なんとも罪深い(笑)。

:半ズボンっていうことがとても大事なんだとも言ってました。

藤坂:僕も、そこは大事だって聞いたことがあったので(笑)。

:確信犯なんですね(笑)。

藤坂:ちなみにセエレってマナと双子なわけですが。この2人には僕、ちょっと引きずられている部分があります。

松下:それはどういう意味でしょう?

藤坂:双子を描こうとすると、セエレとマナみたいにしちゃいそうになるんです(笑)。

松下:そういう固定観念が!

藤坂:地味に困るんですよ。双子とかちっちゃい子どもをデザインしようとすると、どうしてもセエレとマナを思わせる感じになりそうで。あああーってなる(笑)。

松下:それはたしかに困るんじゃないですか? 恐ろしい双子ですね。さすがだ。


【12位:ノウェ 1,370ポイント】

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ

:次はノウェか。ノウェさんですか。『DOD2』の主人公なのに、意外と低いもんなんですね。

松下:いい子なんですけど、その分アクが足りなかったんでしょうか。

:マナとかカイムとか、周りが濃いですからね。本当は、企画書の段階ではもっとアレなキャラだったんですけど……って、コレはさすがに書けないか(苦笑)。

松下:すごく気になるところで止められた。

藤坂:声を勝地涼さんがやったっていうのがすごいと思います。

:そうですよね。今や超一流の役者である勝地さんが、声優に初挑戦してくれたのがノウェだったんです。

松下:個人的に、僕はノウェのことが好きです。主人公として、とても好き。『DOD2』って、息子が父を超えていくっていう物語じゃないですか。あれは男として、感じるものがありました。

:最後とか、かなりグッときたでしょ?

松下:すごく好きです!

:実は、ノウェとレグナが戦うシーンって、ディレクターの安井さんとすごくもめたんですよ。だって、最初はドラゴン戦だったんですよ、あそこ。上空戦で終わる予定だったんです。

松下:別のドラゴンに乗るんですか? それはちょっと違うかも。

:違いますよね? よくないでしょって言って、無理やり空中でノウェを操作して戦うシステムを作ったんです。

藤坂:デザイン的には、僕の中でノウェって、わりとちゃんと主役っぽい感じになってるから好きです。

:そうですね。すごくバランスがいいと思います。いい主人公だと思うんだけどな。素材としては絶対に悪くないと思うんですけど、見せ方とかやり方は失敗しちゃった部分があったかもですね。

藤坂:カイムにもノウェにも愛着はありますけど、僕、ゲームとしては『DOD2』のほうが好きなんですよ。

松下:そうなんですか?

藤坂:僕も『DOD』シリーズを作っている側なので、こう言っていいのかはわかりませんが、このシリーズは『DOD2』でやっとゲームらしくなったなっていう印象があって。いろいろな意味で『DOD2』のほうが好きです。何も知らない人にオススメするとしたら、『DOD2』のほうを選びますね。


【11位:エリス 2,360ポイント】

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ

:ああ、エリスか……。彼女もいろいろと表に出せない思い出が、いーっぱいあるキャラですね(遠い目)。

松下:ノウェよりランクが上ってところにちょっと笑ったんですけど(笑)。でも僕、エリスは藤坂さんのイラストの中で一番好きかもしれない。

藤坂:彼女はたしか、『ベルセルク』のキャスカ(※)がモチーフだった気がします。

※『ベルセルク』のキャスカ:『ヤングアニマル』(白泉社)にて連載中のダークファンタジーコミック『ベルセルク』のヒロイン。男勝りな性格で、勇敢な美女。ある事件に巻き込まれ、自我が崩壊してしまう。

松下:え、そうなんですか? 見た目とか全然違うと思いますけど。

藤坂:雰囲気とか、セリフ回しとか、男勝りなところとかは、キャスカをイメージしていた気はします。

:踊るようにして戦うっていうのがよかったよね。あれは、考えたスタッフさんの発明だと思う。

松下:超よかったですよ。加えて超強かったですし。見た目もかわいいし、最高。

藤坂:そう言ってもらえるとうれしいですね。エリスとノウェは、一般的に見てもかわいい女の子、かっこいい男の子を描こうと頑張ったキャラなんです。その点マナとかは、ちょっとクセがあるじゃないですか。

松下:藤坂さん的には、マナとエリスはどちらがお好きなんですか?

藤坂:デザイン的な意味なら、マナですね。なんだかんだで、ちょっと変わったものを描きたくなる衝動が強いから(笑)。エリスはどっちかというと、優等生なデザインです。

松下:キャラ的にもそうですしね。

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ
▲成長したマナの、パンツじゃないと出せないラインがこれ。ヒロインがスカートではないというのは、当時はめずらしかった?

藤坂:『DOD2』のマナなんて、ヒロイン的な立ち位置なのにパンツですし。スカートじゃないんだよね、って。

松下:でも、最初のイメージビジュアルのマナのおしりはすごくよかったですけどね。あれはパンツじゃないと出せないライン。

:Tシャツにジーンズだぜ、って感じ?

松下:かなりぴったりフィットじゃないですか。

藤坂:個人的には、ファンタジーのヒロインとしてはどうだろうってモチーフだったんですけど、それが無事に通ったので、マナのデザインのほうが好きです。

染谷:(柴さんと藤坂さんの皿にエビチリを取り分け、ソースをかけていく)

:うわっ、ちょっとソースのかけ方が雑じゃないですか? テーブルにこぼれそうですよ。

松下:僕にとっては先輩なんですけど、なんとなく危なっかしい。

染谷:(無言で柴さんのグラスにビールを注ぐ)

:おっと、ありがとうございます。でも、泡しか入っていないです(苦笑)。こうやると、泡とビールの割合がきれいになるように注げますよ。

染谷:(目を輝かせながら、必死にメモを取り始める)

松下:あの、先輩、柴さんに手酌をさせるのはまずいです……。

→柴さんと藤坂さんがヨコオタロウさんについて物申す!(5ページ目へ)

(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
Character Design : Kimihiko Fujisaka.
(C)2003 cavia/SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
(C)2005 cavia/SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

データ

関連サイト