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2013年7月4日(木)

【第58回】電撃おすすめアプリ 毎日レビュー&攻略『歪みの国のアリス』――不可思議で残酷な歪みの国を旅するホラーアドベンチャー

文:リプトン熊田

■十分すぎるボリュームとトンがった内容の両方をあわせ持つ良作!

 さて、先ほどお届けしたのは第1章のストーリーなのですが、本作は全8章構成。選択肢は多くないので、基本的には物語を読み進めていくだけなのですが、とにかくボリュームがすごい! エンディングにたどり着くまで、それはもうたっぷりと楽しむことができるはず。

 次に、絵やテキスト表現が結構グロい! まさに“残酷おとぎ話”という表現がしっくりくるのですが、おとぎ話的な牧歌的な雰囲気と、生々しい怖さが妙な一体感を醸し出しているのです。大人と子どもの中間地点にある10代後半の女の子に携帯版がウケたのは、こういうところにも要因があるのかもしれませんね。男よりも女の子の方がグロ系得意な印象ですし(笑)。

『歪みの国のアリス』 『歪みの国のアリス』
▲直接的なモノから、暗に連想させるようなモノまで、グロ系表現は結構多め。なんか柔らかいものを踏んだと思ったら死体でしたとか、なんかおもしろ半分で首を刈っていきましたとか、そういうアレな出来事が、わりとサックリ書かれているのが本作の怖いところ。

 そしてなんと言っても、徐々に真相が明らかになっていくストーリーが素晴らしい! 本作は決して『不思議の国のアリス』をなぞるだけの作品ではありません。むしろその要素は、味付けの1つ。中盤以降の展開や、ましてやオチについては、今回これっぽっちも触れられませんが、物語はやがて、亜莉子自身が持つ過去のトラウマや凄惨な家庭環境を浮き彫りにしていきます。そもそも歪みの国とはなんなのか、時折出現する包帯だらけの女性の正体は、そして亜莉子たちが追うシロウサギとは? 最初は想像もしなかったような展開が、プレイヤーにジワリとした恐怖感を植え付けていきます。

『歪みの国のアリス』 『歪みの国のアリス』
▲この2枚の写真もかなり大きな意味を持っていたりするのですが、残念なことにまったくもってネタバレなので語れません……。

 っていうかですね。本当はいろいろ言いたいんです! むしろ語り合いたい! 原作込みで! こう、自分の中での答え合わせに近い感覚でしょうか。プレイヤー同士で語り合えば、絶対に自分とは違う見解も聞けるでしょうし、好きなシーンとかでも盛り上がれると思うんですよね。例えば『エヴァンゲリオン』とか考察するのが楽しい作品って、人と語り合うのがすごい楽しいじゃないですか。本作もまた、酒飲みながら夜明かしができるくらい語り合えちゃうと思います!

『歪みの国のアリス』 『歪みの国のアリス』
▲つぶあん派とこしあん派で不毛な争いを続ける、あんパンの人たち。このハゲマッチョそのものがあんパンです。そして腕パンの正体(笑)。
『歪みの国のアリス』 『歪みの国のアリス』
▲有名な“狂ったお茶会”のシーンで登場するネムリネズミと帽子屋。殺伐とした本作において、数少ない癒やし系キャラなのです。
『歪みの国のアリス』 『歪みの国のアリス』
▲アリスと言えば外せないハートの女王。巨大なデスサイズで、自ら首をはねます。ウミガメモドキは頭を引っ込めて回避する頭脳系(?)。

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データ

▼『歪みの国のアリス』
■メーカー:サンソフト
■対応機種:iOS/Android
■ジャンル:ADV
■配信日:配信中
■価格:450円(税込)

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