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2013年8月8日(木)

『ゼノギアス』が当時のスクウェアRPGファンに与えた衝撃を、未プレイの方々に味わっていただきたい! 【思い出ゲーム特集】

文:まさん

 みなさん、こんにちは! 『電撃PlayStaion』などでライターのお仕事をしているまさんです。今回は、2週間連続で名作をオススメしていく特別企画“思い出よみがえりゲーム特集”ということで、伝説のロボットRPG『ゼノギアス』を紹介したいと思います。

『ゼノギアス』

 実はこの作品について、“電撃PlayStation×PlayStation Store”特集でもつい1カ月ほど前に記事を書いていたりするのですが……正直、あれだけじゃ全然語り足りませんでした! あの記事をきっかけに、個人的にゲームアーカイブス版でプレイを最初からやり直したところ、さらに『ゼノギアス』熱が燃え上がってしまったので、今回はもっと詳しく本作のことを語っていきたいと思います

『ゼノギアス』 『ゼノギアス』

■重厚で壮大な設定と緻密な伏線が絡まり合うストーリー

 スクウェア・エニックス(旧スクウェア)より、1998年2月11日に初代PSで発売された『ゼノギアス』は、当時“聖剣伝説が出ない理由 FFとは異なる可能性 そして、ゼノギアス”という衝撃的なキャッチコピーがテレビCMで流れていたこともあり、遊んでいなくともタイトルは印象に残っているという人も多いかと思います。もっとも実際には、のちに『聖剣伝説4』が発売されましたが、とにかく当時の旧スクウェアがそんなCMを立ち上げるくらい、気合の入ったRPGだったことは間違いありません。

 実際にプレイしてみると、そのキャッチコピーが誇大広告ではないとわかるくらい骨太な作品で、好きなシーンを何度も見返すため、本作専用のメモリーカードを用意して、セーブデータを小分けにして保存したものです。そんな自分のようなファンが他にもたくさんいるのか、今でもPlayStation Storeのゲームアーカイブス版が、ダウンロード数の上位にランク入りしています。

『ゼノギアス』 『ゼノギアス』

 さて、この作品が評価されている最大の理由をあげるのなら、なんと言ってもその練られたストーリーにあるでしょう。とにかく伏線の回収の仕方と、話の盛り上げ方がバツグンにウマい!

 SF的なオープニングから、普通のファンタジーRPGの舞台としか思えない牧歌的なラハン村へと移行する演出は、この作品がただのRPGではないことを予感させてくれます。始めたばかりでは意味がわからない描写や何気ない場所に隠された伏線も、ゲームをラストまで進めると納得できるように描かれているので、クリアした後に何度も最初からやり直したくなるんです。

 ただ、それ故に、適当に1周目を流しプレイしてしまうと、話をあまり理解できずに終わってしまうかもしれません。とはいえ、初見ではわかりにくい用語も多いので、無理に1周目から理解しなくてもいいと思います。まずは、単純な盛り上がるシーンやキャラクターの掛け合いを楽しみつつ二転三転するストーリーを堪能し、2周目以降のプレイで伏線をじっくり解釈しながら遊んでみるのがオススメですね。

『ゼノギアス』 『ゼノギアス』
▲のどかな日常が続くラハン村。この村で起きる悲劇がすべての引き金になるのですが、それを引き立てるための平和な描写が胸に来ます。激しいシーンと平和なシーンの区切り方が絶妙なんです。

 物語がおもしろいと先ほどから主張していますが、それはやはり、登場するキャラクターにもきちんとした個性が存在しているから。主人公のフェイをはじめ、町の物知り先生・シタン、最初は敵対する立場として登場するヒロイン・エリィ、親友としてともに戦うバルト、緑色のおじさん・リコ。3000G……じゃなくて銃使い・ビリー、父親から巨大ロボットを与えられた少女・マリア、謎だらけのロリ・エメラダ……と、どのキャラにも見せ場と活躍があり、かつ泣けるエピソードや燃えるエピソードがきっちりと盛り込まれています。

『ゼノギアス』 『ゼノギアス』
▲わりと多彩な一面や顔芸を見せてくれるエリィや「しょおー! しょおー! しょおー!」という掛け声とともに次々と敵を葬るシタン先生。個性的な仲間たちは、バトルでも大活躍してくれます(緑の人以外)。

 なお、初めてプレイした人は、もしかすると序盤のフェイの性格にイライラするかもしれません。その性格にもゲーム中できちんと理由が語られるので、温かい目で見てあげてください。物語に感情移入してイライラした人ほど、逆に感動できると思いますから。

 本当は、どういったイベントがどうおもしろいのかを個別に語っていきたいところですが、ネタバレせずに初見を遊んでもらいたい作品なので、あえて今回も詳細には触れません。とにかく、この作品は息もつかせぬイベントが盛りだくさん! 燃える後継機入手イベントや、ロボットに乗れないで潜入&捕まるというお約束のイベント。どんでん返しにつぐどんでん返しに、意外な人物の過去……と、良質なロボットアニメを見ているかのようにお話を楽しめるとだけ言っておきましょう。序盤と終盤ではまったく印象の違うゲームなので、未プレイの方は初回ならではの驚きをぜひ味わっていただきたい!

『ゼノギアス』 『ゼノギアス』
▲生身で出場するアヴェの武闘大会や、首に爆弾をつけられて投獄されるキスレブなど、衝撃的なイベントや燃えるシチュエーションが満載! ソラリスの工場で起きるイベントでは、シタン先生の優しさをかみしめながら缶詰を食べましょう。

 「俺は塵だ……」の読み方が“チリ”なのか“ゴミ”なのかわからなくて困ったり、リカルド・バンデラスって誰だっけと思ったり、缶詰おいしそうと思ったり、ディスク2枚目の構成でえっ、となれるのは『ゼノギアス』初見プレイだけの特権ですから。

『ゼノギアス』 『ゼノギアス』
▲衝撃的な展開と演出で、当時賛否両論を巻き起こしたディスク2枚目。ある意味でアニメ的な演出で今なら受け入れられそうですが、当時としては早すぎたのかもしれません。この画面写真についてもあえて説明はしないので、当時のファンが抱いた驚きを、実際にプレイして感じてもらいたいですね。

→遊びやすいゲームシステムも高ポイント!(2ページ目)

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データ

▼『ゼノギアス』(ゲームアーカイブス)
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS3/PS Vita/PSP(ダウンロード専用)
■ジャンル:RPG
■配信日:2008年6月25日
■価格:600円(税込)
▼『ゼノギアス』
■メーカー:スクウェア
■対応機種:PS
■ジャンル:RPG
■発売日:1998年2月11日
■希望小売価格:7,140円(税込)

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