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2013年11月15日(金)

『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』発売の意図や『MGSV』の目指す方向について、渡米中の小島監督に直撃インタビュー!

文:電撃オンライン

■決められた展開がない、リアルな潜入シミュレータ

――『MGSV』全体としては、どのようなゲームの構成になっているのでしょうか。

 オープンワールドのゲームですが、『GTA』シリーズとは違うんです。アレは広大な箱庭の中、そこで日常を生きていくようなゲームなんですよね。『MGSV』はかなり大きなフィールドが用意されているんですが、そこは全部敵地なんです。敵対するところに1人で行くわけで、見つかると大変なことになるわけです。そこで「何々をせよ」というミッションがあって、オープンワールドの世界を自分の戦略でミッションを遂行し、ミッションを遂行した後は脱出しないといけません。そこまでのフェーズが1つのミッションとなっています。そんなミッションをたくさん用意してあります。

“小島監督インタビュー”

 人質を救出するようなミッションでは、時間がかかりすぎるといけないので、タイムリミットが設定されているものもあります。そんなミッションの1つがTVドラマの1話とすれば、1クール12話構成ですよね。まぁ本編は12ミッションなんて少ない数ではないですが。それで、TVドラマってシリーズのお話がずっと続くことってあまりないですよね。1~3話まではシリーズのメインとなるお話が語られますが、4話くらいからメインの話とは少し離れたキャラクターの裏話だったり、事件の裏側が語られたり。そんな感じで、『MGSV』も1つ1つのミッションをこなしていく間に、プレイヤーがその話を繋げていくことによって、1つの大きなうねりになるようになっていきます。

 あと、各ミッションの中にはいろいろな情報が散在しています。これを見つけられるユーザーもいれば、見つけられないユーザーもいることでしょう。それで、見つけたユーザーは、それらの情報を頭の中で組み立てていくことで、キャラクターの背景や事件の背景の詳細がよりわかるようになるわけです。物語で語られる理由とは違う、本当の理由がわかるようになっていて、物語の奥行きが出るような作りにしていますので、リニアなゲームとは違います。

――そういった奥行きのある情報は、サブミッションで発見していくのですか?

 いや、メインミッションにもサブミッションにも情報はあります。オープンワールドなのに「この道を進みなさい」というのはイヤじゃないですか。ゲームを作る側からしたらそのほうが作りやすくていいんですけどね。カットシーンもありますが、AからBへ行くときに、その間のプレイに押し込むといったものではなく、どこでも発生するようなものが多いです。

 FPSなどほとんどの作品は、ものすごいリニアですよね。1本のレールが敷かれていて。ここを踏んだら爆発するといった演出が見られるような感じで。あと、敵と戦う場合にしても最初に演出が入って、必ず正面から戦うとか。リニアなゲームというのは昔のゲームで例えると、『グラディウス』とかですね。強制横スクロールシューティングというのは止まらないじゃないですか。ずっと流れていくので、地形のリズム感とか全部作り手が調整できるんです。音楽のリズムを上げていくように、ザコ敵、中ボス、そして最後にボスが登場するという流れは、映画を見ているように盛り上がっていくんです。

 一方、新たな『MGS』は、リニアなステルスゲームではなく、レールに乗らないリアルな潜入シミュレータになっています。だから、人によっては奇跡的に敵にまったく合わず……まぁ絶対にそんなことはないと思いますが、まったく敵に見つからずに偶然目の前にいた捕虜を救出してヘリに乗せたら終わってしまった、なんてこともあるかもしれません。以前なら「捕虜を救出したら敵が出現する」といった演出もできるんですが、それをやってしまうとゲームとしての奥行きがなくなってしまうので、しないようにしています。

 だから人によっては、「なんだコレ。簡単すぎる」と思ってしまう人がいるかもしれません。もちろん、その逆のパターンもあると思います。でも、何回も遊んでもらえるとプレイ感が変わるので、その奥深さがわかってもらえると思います。最近はリニアなゲームが多いので、こういった部分をユーザーの方々がどう思ってくれるかが、少し心配なところでもあります。

 ちなみにTGSのデモプレイではガンガン撃ちあっていたので、見ていた人たちから「こんなの『メタルギア』じゃない」なんて言われもしましたが、あれはあくまでプレイの1つで、慎重に潜入プレイをしていたらあんなに撃ちあうことはありませんから(笑)。

 あとは、どういったゲームなのかと聞かれましたら、「このゲームはあらゆることができる。高射砲も撃てるし、機関銃を拾ったらそれも撃てる。ただ「コレをしたら必ず見つかるかもしれない」というリスクがつきまとうので、その欲求を抑えながらコソコソするゲームなんです。最後にヘリが来たときくらいは思いきり暴れてもいいとは思いますが。

――欲求を抑えるのはけっこう大変そうですね。

 基地には高射砲がいっぱいあるんですが、ヘリが来る前にC4爆薬とかで高射砲を爆破させておくと、ヘリは落とされにくくなるんです。でも、基地内で爆発が起きれば敵の兵士たちが全員出てきて危険になるじゃないですか。そんなやり方をするのも1つの手ですが、一番いいのは施設内にある高射砲すべてにC4を仕掛けておき、ヘリが来たときに同時に爆発させると助かりやすくなるわけです。こういった戦略なども考えて、いろいろプレイをしてみてほしいです。

→これまでにない緊張感の“敵地への潜入”(3ページ目へ)

(C)Konami Digital Entertainment

データ

▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ プレミアムパッケージ』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:PS4
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年春
■希望小売価格:8,480円(税込)
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ プレミアムパッケージ』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:PS3
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年春
■希望小売価格:8,480円(税込)
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ プレミアムパッケージ』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年春
■希望小売価格:8,480円(税込)
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:PS4
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年春
■希望小売価格:2,980円(税込)
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:PS3
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年春
■希望小売価格:2,980円(税込)
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:Xbox One
■ジャンル:ACT
■発売日:未定
■希望小売価格:未定
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』
■メーカー:KONAMI
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2014年春
■希望小売価格:2,980円(税込)
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』(ダウンロード版)
■メーカー:KONAMI
■対応機種:PS4
■ジャンル:ACT
■配信日:2014年春
■価格:2,480円(税込)
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』(ダウンロード版)
■メーカー:KONAMI
■対応機種:PS3
■ジャンル:ACT
■配信日:2014年春
■価格:2,480円(税込)
▼『メタルギア ソリッド V グラウンド・ゼロズ』(ダウンロード版)
■メーカー:KONAMI
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:ACT
■配信日:2014年春
■価格:2,600円(税込)

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