『セガラリー』などの名曲で“ゲームミュージックバンド”の黄金時代を築いた伝説のバンド・blind spot（旧S.S.T.BAND）に独占インタビュー！

文：葛城亮

――皆さんが音楽を始めたきっかけを教えていただけますでしょうか。

並木：僕は思春期にありがちな「女の子にモテたい」という理由で始めました（笑）。あとは中学時代に流行ったパイオニアのTV-CMで、高中正義さんの演奏しているエレキギターの運指が画面にしっかり映っていたのが印象的で、「こうやって弾けばいいのか！」と感化されて弾き始めました。すぐに本屋でエレキギターの教本を買って、それに載っていたエドワード・ヴァン・ヘイレンの曲を知り、同級生とバンドを組んで曲をコピーしたり……いろいろやりましたね。

熊丸：僕は親戚の兄貴の影響でディープ・パープルの曲を聴いていました。小学校6年の時に兄貴たちがホウキを持ってギターの弾き真似をしていたのですが、そこで「お前も何かやってみろ」と言われて、習字の筆か何かでドラムを叩く真似をやっているうちにディープ・パープルの『ハイウェイ・スター』とか『マシン・ヘッド』を練習していました。他にもレッドツェッペリンとか、周りとは毛色の違う音楽ばかり聴いていた気がします。

――ギターは練習されなかったんですか？

熊丸：ギターは練習しましたけど、Fのコードがどうしてもうまく押さえられなくて挫折しました（笑）。それに比べてドラムは音階がないし、リズムに合わせて叩けばいいだけなんで、中学の時に同級生とディープ・パープルのコピーバンドを組んだりとか。高校に入ってからはウェザー・リポートとかハービー・ハンコックといったジャズも聴きましたけど、最終的にはカシオペアにハマって『THUNDER LIVE』というアルバムを聴きまくってました。

松前：僕は小学校から中学校にかけて洋楽を聴き始めまして。中でも「シンセサイザーが入っている曲がいいなぁ」と思っていたので、トッド・ラングレンとかマイク・オールドフィールドとか、クラフトワークに代表されるジャーマンロックを聴いていました。今はシンセサイザーをやってますけど、最初は茶碗を箸で叩いたり、自然の音をカセットに録音して、マルチトラックレコーダーで曲を作ったりもしましたね。

――打ち込み中心でやってこられたんでしょうか？

松前：そうですね。ミュージシャンになるために上京した当時は、テクノポップが流行った少し後くらいだったので、インディーズでバンドを作ったりもしました。

斉藤：僕は父親が大のクラシック好きで、1日中家でクラシックがかかっていたんです。そのせいもあって人一倍音楽に親しみがあったと思います。小学校のころは周りでビートルズやカーペンターズが流行っていたんですけど、僕はポール・マッカートニーが好きだったので、ギターをやりながらベースもちょくちょく練習して……19歳のころにバンドに参加した時、突然ベースが抜けて、その代わりをしてからはずっとベースを弾いていますね（笑）。

森藤：自分は高校のころから“クロスオーバー11”とかのFMの深夜ラジオで流行の音楽をいろいろ聴いていました。だけど、子どものころからゲームが大好きでゲーセンに通っていたので、一番影響を受けたのは当時ゲーセンで稼働していたアーケードゲームですね。中でも一番衝撃だったのが『アウトラン』と『スペースハリアー』です。大学で入ったサークルが、ジャズのビッグバンドだったので、それからは人と組んで演奏するようになりました。

――音楽以外に何かハマっていることはありますか？

並木：僕はラーメンかなぁ（笑）。イチ押しのお店は蒲田にある“麺バカ息子”というお店で、特製つけ麺がオススメですね。昨年末は改装のため休業されていたんですけど、1月3日から営業再開ということで、次に食べに行くのが楽しみです。

熊丸：子どものころは野球少年だったんですけど、今は実際にするのではなく、観るのが楽しみです。引退した野球選手のその後とか、現役選手のプレー部分以外の側面をドキュメンタリーで追うような番組が好きですね。

松前：僕は大衆酒場めぐりですね。1人でふらっと入ったところで1杯ひっかけて帰るのが好きで、よくやります。

斉藤：自分は将棋です。PCとかスマホでAI相手に指したりもしますし、休みの日なんかはNHKの将棋番組を観るようにしてます。

森藤：僕はネット麻雀ですかね。セガの『NET麻雀 MJモバイル』というアプリにハマっていまして、この前の公式大会では全国43位を獲って、今は6段まできました。もう少し段位を上げてからゲーセンに乗り込もうかなと思っています。

→約20年の時を経て再結成したblind spot。
自分たちの音楽と支えてくれるファンたちへの思いとは……（3ページ目へ）

データ

関連サイト

• Blind Spot公式Facebook
• アトス・インターナショナル