2014年1月22日(水)
――皆さんがS.S.T.BANDとして活動されていた当時、セガさん以外のゲーム会社にもさまざまなサウンドチームがありましたが、注目していたサウンドチームはありますか?
並木:皆さんそれぞれ個性が違ったのでそれぞれのよさがありましたけど、個人的にはデータイーストのGAMADERICとか、コナミ矩形波倶楽部(くけいはくらぶ)が好きでした。あとは『超兄貴』の作曲を担当した葉山宏治さんですね。
――今お名前が挙がった方々とは、現在もお付き合いがあるのでしょうか?
松前:ゲームミュージックフェスティバルというライブでよく共演していたので、みんな仲がいいですね。
斉藤:その他だとタイトーのZUNTATAですかね。
――ゲームミュージックに関連して影響を受けた方はいらっしゃいますか?
並木:音楽面で影響を受けたのは中高生時代に聴いた音楽が大半ですけど、ゲームミュージック界に入ってからは、セガで一緒に『ギャラクシーフォース』のBGMを作曲した林克洋くんの影響を受けたと思います。
熊丸:ゲームミュージックではないですけど、僕の師匠がカシオペアの神保彰さんなので、彼から受けた影響は大きいですね。
森藤:僕の師匠は難波弘之さんなんですが、難波さんと一緒にゲームミュージックやアニメの劇中歌をいくつか作曲したので、尊敬していますし影響も受けていると思います。
――バンド内での作業というか、実際にアレンジ音楽を作る際のやり取りはどのようにされているんでしょうか?
松前:基本的には僕と森藤が2曲ずつ打ち込みでアレンジの土台を作って、各楽器の細かいメロディやリズムはデータを受け取ったメンバーが微調整していく感じです。
森藤:幸いにも作業を行う3人がDigital Performerという同じツールを使っているので、苦労せずにやり取りできているのも大きいと思います。
――実際にスタジオに集まって打ち合わせをされたりはしないのでしょうか。
松前:まったくしないというわけではありませんけど、集まることは少ないですね。自分以外のメンバーがスタジオに集まって演奏する時とかは、スカイプで演奏の音を拾ってもらって、それを自宅で聴きながら監督しています。そこまで音質がよくないので細かい違和感には気づけませんが、あとで録音したデータを送ってもらって調整することが多いですね。
――音楽に対する自分たちだけのこだわりみたいなものはありますか?
並木:あまり大層なものはありませんが、まずは自分たちが楽しむことが一番大事だと思っています。
斉藤:20年前にバンドの土台ができ上がっているので、再結成しても芯さえブレなければやれるんじゃないかなと思います。
松前:僕らの好きなミュージシャンって、存命している人でも60代~70代の方ばかりなんです。そういう方たちは、長く音楽を続けていると唐突にアレンジを変えたり、定番の曲を一切やらなくなったりするんですけど、僕らはちょっとそれは違うな、と。例えば当時のS.S.T.BANDのファンって、当時のままの演奏が聴きたいと思うじゃないですか。僕らは自分たちが好き勝手に演奏するんじゃなくて、お客さんが楽しく感じてもらえるように演奏するのが大事かな、と思っています。
森藤:実際ライブに来るお客さんはそういうのを目当てにして来ていると思うし、僕も一ファンとしてバンドの内部から当時の演奏からかけ離れないように目を光らせたいと思います(笑)。
熊丸:森藤は俺がちょっとパターン変えて叩くとすぐに「そこは鉄板なんで変えないでください!」って指摘入れてきたりするもんな(笑)。
松前:「これは変えてほしくない」というフレーズはありますからね。そういう意味でも僕らを客観的に見てくれるメンバーがいるのはありがたいです。
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
並木:今後とも末永く、ゆる~くお付き合いください(笑)。
松前:年に2回くらいのペースでライブをやりたいと思っていますが、毎回同じパターンでは飽きられてしまうと思いますので、鉄板の曲は押さえつついろいろ新しい企画を考えてやっていこうと思います。
熊丸:僕にとってドラマーとしての自分を表現できるバンドはblind spotしかないので、これからもメンバーと一緒に楽しくやっていければと思います。
斉藤:昔ほどキレのある演奏はできないかもしれませんが、もう一度しっかり体力をつけて、ファンの皆さんを楽しませられる演奏を心掛けたいと思います。
森藤:繰り返しになってしまいますが、僕がこのバンドのファン代表として、昔と変わらない音をお届けできるように頑張ります。それと、光吉さんの曲が難しいせいか皆さんやりたがらないので、光吉さんのファンにも喜んでもらえるように取り入れていきます(笑)。
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