2014年7月5日(土)
バンダイナムコゲームスより、6月26日に発売されたPS3/Wii Uソフト『仮面ライダー バトライド・ウォーII』。本作に登場する仮面ライダーバロンを演じた小林豊さんへのインタビューを掲載する。
『仮面ライダー バトライド・ウォーII』は、歴代の平成仮面ライダーが登場する“バイク&ヒーローアクションゲーム”の第2弾タイトル。多彩な仮面ライダーを操り、広大なフィールドをバイクで駆け抜けながら大量の敵とのバトルを繰り広げていく。最新のライダーである仮面ライダー鎧武が参戦している他、究極フォームや映画にスポットを当てたストーリーなど、多数の新要素が用意されている。
キャストインタビューの第4回では、放送中の『仮面ライダー鎧武/ガイム』にて仮面ライダーバロンを演じている小林さんにインタビューを実施。オーディションやあこがれた仮面ライダーを演じる際の気持ちなどを語っていただいた。
――小林さんの年代では小学校高学年くらいに平成仮面ライダーが放映されていましたが、『仮面ライダー』シリーズはご覧になられていましたか。
平成仮面ライダーシリーズで観ていたのは『龍騎』でしたね。ボクはドラゴンが好きなので、ドラゴンと仮面ライダーが一緒に戦う龍騎の姿はカッコイイと思いましたし憧れでした。
――「平成仮面ライダーシリーズで」とおっしゃいましたが昭和仮面ライダーシリーズもご覧になっていたのでしょうか?
はい。ボクの中の仮面ライダーって、じつは1号・2号が初めてなんですよ。実家に仮面ライダーのビデオが1本だけ残っていまして、内容は全体の中の5~6話分だったんですが、それを繰り返してず~っと見てました。
人間を地面にひきずりこむ怪人(土蜘蛛の怪人ドグモンド)とか、カゴに飼われていたカラスが巨大化して襲いかかってくる怪人(怪鳥人ギルガラス)の話でしたね。
――子どものころだと、かなり怖かったのでは?
ええ、めっちゃ怖かったですね! なので、この2つのエピソードはとくに覚えてます。
――その頃はヒーローごっこはされていましたか?
仮面ライダーだけでなく、他のヒーローでもやってました。でも、あるヒーローのアクションを真似しようとしてヌンチャクを振っていたら、間違えて頭を打ってしまったのでやめました(笑)。
カラオケに行ってもヒーローものの曲しか歌えなくって。3曲くらいのレパートリーしかないのでそれをずっと歌っていたら、両親に「もうやめて!」と言って止められましたね(笑)。
――オーディションを受けて駆紋戒斗の役をいただいたときは、どのようなお気持ちでしたか?
まず“ドッキリ企画”だと思いました(笑)。ボクはバナナが苦手なんですが、オーディションの時にその話題に触れられたんです。「バナナのどこが苦手なの?」「いや~臭いとか食感とか……全体的に苦手ですね」みたいなやりとりを、10分くらい長々と話していたんですね。
その後、マネージャーさんから「アナタはバナナをモチーフにした仮面ライダーになります」と言われたんです。一瞬思考が停止しましたよ(笑)。次第に冷静になって「散々バナナが苦手だって言っていたのに……そもそもフルーツの仮面ライダーってなんだ? まさか、これはドッキリじゃないか!?」と思って、隠しカメラを思わず探してしまいましたよ(笑)。
――なるほど(笑)。では、ドッキリじゃないと理解した後はどうでしたか?
自分の中にヒーローへの憧れがあって、仮面ライダーになりたいと思ってこの世界に飛び込んだので、本当にうれしかったですね。
――駆紋戒斗を演じるときに心がけていることを教えてください
自分が“駆紋戒斗”であることだけを意識するようにしています。そういう思いでやっていると、不思議と“小林豊”ではできなかったこともできるようになるんですよ。ボクはアクションも経験が少ないので、リハーサルでアクションをしても「大丈夫かな? どうしよう……」と考えてしまいがちなんですが、いざ本番になって駆紋戒斗になりきると苦手なアクションも一発でOKをいただくこともあります。
――生身でのアクションシーンも増えてますね。
苦手だからといって「イヤだ!」とか「できない!」って言ったら、何もできなくなっちゃいますからね。アクション監督にはボクに合ったアクションを考えてもらっていますし、いくら苦手なことでもチャレンジすることだけは、忘れずに頑張ってます。
――演じるようになって、日常生活で身の回りでの変化があったのでは?
街を歩いていると「あ! 戒斗だ!」って言ってくれる子どもたちは増えましたね。そんな子どもたちの活気に満ちた目の輝きが、ボクの原動力になってます。
――子どもたちに声をかけられた時は、どのように反応されてますか。
頑張って戒斗っぽくしようとはするんですが、それよりうれしい気持ちのほうが強いので、基本的にはニヤニヤしちゃいます(笑)。クールな“駆紋戒斗”は知っていても、明るい“小林豊”を知らない人もいてポカーンとされることもありますが、なにより笑顔で接したほうが子どもはスゴイ喜んでくれますから。
――確かに駆紋戒斗なら、子どもでも冷たく当たっちゃいそうですからね(笑)。
そうですね(笑)。なので、ファンに接するときは等身大の自分で向き合うようにしています。
――変身シーンでロックシードをくるっと回すのは、小林さんのアイデアなのでしょうか?
監督から「変身ポーズは自分で考えるものだ」と聞いていました。駆紋戒斗はクールな設定のキャラクターなので、「ロックシードを手でクルっと回したらカッコイイですよね」という話をしたら、こういうポーズになりました。ボクの意見を反映していただいたポーズなのでとても気に入ってます。
――ゲームに出演されると聞いた時の感想をお聞かせください。
このお話をいただいて、あらためてゲームの詳細や動画を調べたらスッゴイおもしろそうなゲームだったので、収録がとても楽しみでした。収録時には動いているバロンは見られなかったのですが、この前ボクのブログに「『バトライド・ウォーII』の情報が出ましたね」というコメントが寄せられてて、あわてて調べたら、もうメッチャ楽しそうで! 発売日を心待ちにしてます。
――普段ゲームはプレイされていますか?
あんまりやってないですね。アクションゲームは好きなんですが……なにしろヘタなのでクリアできないんですよ(笑)。
――ゲームでのセリフ収録時の苦労話などあれば教えて下さい。
TV版の収録の際は演じているアクションを見て声を当てられるのですが、ゲームは台本だけだったので苦労しましたね。掛け声や雄叫びもあるんですけど、普段の戒斗はアクション時にあまり声を出さないキャラなのでイロイロな声をイロイロな音域で出すのが結構たいへんでした。
――収録時に印象に残っているセリフはありますか?
やっぱり、戒斗の決めセリフ「今から俺が、本当の強さというものを見せてやる」ですかね。駆紋戒斗は口数が少ないですが、1つのフレーズで印象に残る言葉が多いですから。そういう言葉を録音した時は、駆紋戒斗がこの作品に携わっている感覚がしてとてもうれしかったです。
――逆にやりにくかったセリフは……?
“クロニクル”モードで鎧武や龍玄と話す長めのセリフがあるのですが、そこで何度か詰まってしまって撮り直させていただきました。
――バロンを使って、どのように戦ってみたいですか?
バロンの強さを証明するために、一切ダメージを受けずにクリアしたいですね! あとボクは隅々まで調べて回るタイプなので、マップにあるボックスを調べたり、ザコ敵を全滅させたりしていきたいです。でも、きっと途中で迷ってクリアできなくなっちゃうんだろうな(笑)。
――バロン以外で使ってみたいライダーはどれですか。
いや~全部ですね。龍玄は自分では使えないけど、アシストとして呼び出すことができるみたいなのでミッチにがんばってほしいです。
――でも、龍玄に後ろを任せるのは少し不安なのでは(笑)?
確かに、鎧武を後ろから撃つシーンがありましたから少し不安かも(笑)。でも、そういう話で盛り上がれると思うので、みんなでプレイしたいです。
――本作では“イエヤスの居城”も登場しますが、映画撮影時の思い出などがあれば教えてください。
あのシーンは滋賀県にある彦根城で撮影したのですが、じつは滋賀県はボクの出身地なんですよ。まさか地元で仮面ライダーの撮影ができるなんて思っていませんでした。あと、母親が撮影を見に来てくれて、少し恥ずかしかったですね(笑)。でも、それだけに思い出深い撮影になっています。
――ゲームではバナナアームズとマンゴーアームズに変身できますが、小林さんはどのアームズが気に入ってますか。
やっぱりバナナアームズですね。スタイリッシュで紳士的な姿がカッコイイと思います。これは言うと怒られるかもしれませんが、マンゴーアームズの武器のマンゴーパニッシャーは、ボクじゃ振り回せなさそうだからなぁ。やっぱりバナスピアーくらいがちょうどイイですね(笑)。
――仮面ライダーバロンを演じるようになって、実際のバナナに対する印象も変わったのでは?
ボクがバロンを演じることになった時、「出されたバナナには向き合おう!」と決めました。バナナが苦手なことを公言していたせいもあってか、最近は本当にバナナと遭遇する機会が増えてるんですよ。だから、自分でバナナを買って食べることはないにしろ、他の人から出されたバナナはちゃんと食べるようにしています。この前もキャストと行った喫茶店で、バナナがたくさん入ったホットケーキを完食しましたから。臭いだけでもダメだったことを考えると、かなり進歩があったと思ってます(笑)。
――それはかなりの進歩ですね。
苦手なものって苦手と言っちゃえば、本来はずっと食べなくても大丈夫なわけですからね。バナナを克服できるいいチャンスなのかなとも思いました(笑)。
――バロンを演じることで、バナナを克服したということですね。
その通りです。バナナ以外には苦手な食べ物はありませんからね。よい子のみんな、好き嫌いしているとヒーローになれないゾ!
――小林さんは好き嫌いがあってもヒーローになれてしまいましたが(笑)。
……なれるけども、克服しないと真のヒーローではないゾ(笑)!
――小林さんにとって、『仮面ライダー』とはどういった存在でしょうか?
ボクのなかで仮面ライダーは“夢”ですね。ボクは仮面ライダーに夢をもらってこの世界に飛び込みましたし、今はボクがその夢を与えられる立場になっている。ボクがファンの子どもたちからパワーをもらっているように、ボクがヒーローを夢見る子どもたちの原動力になれればいいな、と思っています。
――そんな仮面ライダーに憧れる子どもたちにアドバイスをお願いします。
何事もチャレンジすることですね。できなくてもいいんです。チャレンジすることさえ忘れなければ、いつの間にかできるようになっているかもしれないですから。
――小林さんにとっての駆紋戒斗、仮面ライダーバロンはどういった存在ですか?
ボク自身の憧れですね。先ほどの話でもありましたが、自分ではできないかもと不安になるシーンでも、駆紋戒斗を演じてみればできていたりする。できないこともできるのは駆紋戒斗を演じるからこそなので、いつかボク自身も彼に近づいていきたいと思っています。
――では、最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。
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※画面は開発中のもの。
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