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2015年2月1日(日)

『パラッパラッパー』の生みの親・松浦雅也さんが明かす開発秘話【闘会議2015】

文:電撃オンライン

 本日2月1日に幕張メッセで開催された“闘会議2015”。イベント内でSCEが配信した番組“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版 in ニコニコ闘会議”に『パラッパラッパー』シリーズの生みの親である松浦雅也さんが出演。さまざまな開発秘話が明かされました。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”

 松浦雅也さんといえば、『ウンジャマ・ラミー』や『ビブリボン』など、さまざまな音楽ゲームを手がけてきた名クリエイター。ミュージシャンでもありつつ、ゲームデザイナーである松浦さんからは、数々の思い出が語られました。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”

 『パラッパラッパー』を開発した当時は今ほどゲーム開発の役割分担が明確ではなく、「いい意味でいい加減でした(笑)」と懐かしそうに語る場面も。当時はCDといえば音楽を聴くものでしたが、それを使ってゲームを作るのは不思議な感覚だったそうです。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲1996年12月6日発売の『パラッパラッパー』。

 音楽に合わせてボタンを押すような音楽ゲームは『パラッパラッパー』以前にもありましたが、松浦さん的には少し不満があったとのこと。当時は知育や教養的な音楽ゲームが多く、もっと音楽の楽しさを出せるゲームを作りたかったということで、『パラッパラッパー』の演出やゲーム性につながったようです。

 企画会議の際にはテーブルの上に白い模造紙を広げて、そこに落書きをしながら「こういう時にはどんな言葉がいいですか?」と話しながら歌詞を決めていくこともあったそうです。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版” “SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲説明書がブックレットではなく、1枚の大きな紙に印刷する特殊な仕様でした。

 ちなみに説明書が特殊な仕様だったことについては、音楽CDでいうところの特装版的なものを意識したからかもしれませんとのことでした。

 基本的には音楽先行で作っていったそうですが、P.Jベリーやサニーちゃんなど、一部のキャラは初期からほぼ決まっていたそうです。ちなみにデザインに苦労したのはパラッパくんで、逆にたまねぎ先生はすんなり決まったと話していました。

 『パラッパラッパー』ならではのペラペラのグラフィックの誕生秘話も明かされました。当時、グラフィックチームからPSの性能でキャラを立体的に表現するのは難しいとの話があり、2Dにするか、クオリティを落として3Dポリゴンにするか議論があり、最終的には今のような少しだけ厚みがある形に落ち着いたそうです。

 また、声に関する思い出話もありました。ここでもパラッパくんの声がなかなか決まらず、最終的には電話でオーディションを行って決めたと語っていました。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲1999年3月18日発売の『ウンジャマ・ラミー』。
“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲ジャケットにティアドロップ型の穴が空いていて、直接CDが見える特殊なデザインでした。

 主人公のラミーが左利きのギタリストなっているのは、松浦さん自身が左利きだからとのこと。バンドでライブを行う際、ギタリストが左利きだと目立ってかっこよく見えるという経験から、左利きの設定にしたそうです。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲1999年12月12日発売の『ビブリボン』。音楽CDを入れ替えることで異なるステージを楽しめるゲームでした。

 『パラッパラッパー』ではラップをメインにした音楽ゲームを作りましたが、海外からは「もっといろいろな音楽を使ってほしい」という声が大きかったそうです。それを受けて『ウンジャマ・ラミー』ではギターをメインにしつつ、その先の発想として“音楽を入れ替えられるゲーム”と考えて『ビブリボン』を作ったそうです。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版” “SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲『ビブリボン』の説明書とCD。

 ちなみに『ビブリボン』は音楽の波形などを読み取ってステージを生成する仕組みだったので、「ここでこんなギミックを出したいから、こんな音楽にしよう」という、普通とは違う流れで音楽を作ったとのことでした。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲2003年11月20日発売の『モジブリボン』。
“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲『モジブリボン』の説明書は横長のユニークなものでした。
“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲DL版『モジブリボン』も配信されています。

 『モジブリボン』については、人間の声以外で歌を作りたいと思い、音声合成システムでラップを作る形にしたとのこと。

 このように松浦雅也さんからはさまざまな開発秘話が語られました。最近の活動はFacebookなどで告知しているとのことなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。ライブ中にスマホのARアプリを利用した演出を取り込むなど、時代にあわせた新しい仕掛けも積極的に盛り込んでいるそうです。

“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版” “SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲番組中には結さんが『パラッパラッパー』を実際にプレイする場面も。
“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版” “SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
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▲このゲームでPSのボタンの位置を覚えた人も多いのでは?
“SCE JAPANスタジオ チャンネル 出張版”
▲残念ながら車を運転するステージでゲームオーバーに。

■“闘会議2015”開催概要
【開催日】
2015年1月31日~2月1日
【時間】
1月31日 10:00~18:00(最終入場17:30)
2月 1日 10:00~17:00(最終入場16:30)
【会場】
幕張メッセ国際展示場4~7ホール
【入場券】
1日券:前売1,000円/当日1,500円
通し券:前売1,500円
優先入場券:1日券1,200円/通し券1,700円

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