2015年12月26日(土)
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。
第37回で扱うのは、2000年12月21日にセガ(現・セガゲームス)からドリームキャスト用ソフトとしてリリースされた『ファンタシースターオンライン』。発売から15年を迎え、シリーズはいまなお人気を博しています。
『PSO』から始まり、さまざまな広がりを見せる本シリーズについて、電撃の編集やライターがその思い出を振り返ります。
すべての始まりである『ファンタシースターオンライン』。その思い出を語れと言われると、「あのころはのう……」とおばあちゃん気分になってしまうくらい15年の月日は大きいです。だって“テレホーダイ”ってわかりますか? 常時接続が当たり前じゃない世界ってわかりますか!?
そんな時代、電話回線の向こう側にいる仲間とともに向かうのは、まさに未知なる冒険でした。あの時感じた最高のドキドキワクワク感は、今のどのゲームにも負けません。まあ、ネット接続料金が一定額になるテレホーダイタイムは23時~8時だったので、若さと夜中のテンションがプラスされた効果がなきにしもあらずですが……。
キーボードがなくてもあらかじめ用意された単語を選んで発言する“ワードセレクト”である程度プレイヤー同士の意思疎通が図れたのも、気楽にオンラインゲームを楽しめる要因だったかと思います。しかも翻訳機能付きなので世界規模で楽しめたのは今考えてもすごい!
ちなみに初代『PSO』に関する私の自慢はこのゲームがいかに楽しいかとくとくと語ってドリームキャストを5人くらいに買わせたことかなっ! この世界に引っ張り込むだけ引っ張りこんで、自分はのんびり自キャラを愛でるゆるいプレイをしていましたが。レイキャシール万歳……!
▲パソコンのデータを漁ってたら出てきたスクリーンショット。レイキャシール4人でボス倒してリザルト画面でニマニマしていたのを思い出しました。 |
20世紀の終わりにドリームキャストで発売された『PSO』は、日本のオンラインゲームの草分けとも言える存在です。3Dアクションやフキダシチャットなど、『PSO2』でも採用されているシステムの基礎はここで生まれました。まだインターネットが身近とは言い難かった当時、ネットワークを介して他人と会話し、一緒に遊べることに強い衝撃を受けたことを覚えています。
『PSO』にはオフラインモードとオンラインモードがありましたが、基本的な内容はどちらも同じ。それでもオンラインに接続して遊んだのは、他人との繋がりが楽しかったからだと思います。クエストへ行かずに朝までチャットだけで過ごしたことも珍しくありません。現代のオンラインゲームよりもプレイヤー間の交流が濃密だったのは、誰もがオンライン初心者だったからでしようね。
ちなみに、DC版ではビジュアルメモリに1キャラ(ビジュアルメモリ4Xは4キャラ)しか保存できなかったため、我が家には大量のメモリが残っています。たくさんの思い出が詰まってるので処分できないという人は私だけではないはず!!
2000年にドリームキャストのタイトルとして登場した『ファンタシースターオンライン』は、日本のコンシューマ機初のオンラインRPGです。今では当たり前になりつつあるオンラインの世界ですが、当時はオンラインを通じて見知らぬ人とゲームをしたり、チャットで会話をするというのがとにかく新鮮。
遠くアメリカに住んでいる日本語がしゃべれる日系アメリカ人のプレイヤーとゲームをしたとか、それだけでも楽しくて、一度プレイしたら時間を忘れてハマってしまうほど魅力的でした。特にこの『PSO』のチャットは、文字を打ち込むと漫画のセリフのように吹き出しで表示されるので、画面内のキャラクターと直接会話をしている感がかなり高かったのです。
▲プレイしている当時に書いた自キャラのイラストです。 |
個人的な印象ですが、このゲームで一緒に遊んだ人は、大体が“なりきりプレイ=ロールプレイ”な人が多かったと思います。ちっこいハニュエールが「チェキチェキ♪」とか言いながらチョロチョロと走り回っているだけで、中身はおっさんだろうがカワイイのです。たぶん、日本のネカマ文化はきっとこの『PSO』から星の数ほど生まれていったのだろうと思います。
発展途上中のオンラインゲーム市場。とてもいい時代をラグオルで過ごせた幸せに感謝! 皆さん、ありがとうございました!
『PSO』は、自分にとって“初めてオンラインRPGの楽しさ”を、教えてくれたタイトルです。当時、ゲームライターとして出入りしていた雑誌『電撃ドリームキャスト』の最終号で特集すると聞いて「ぜひやってみたい!」と志願……したのはよかったんですが、モデムの接続設定などオンラインRPGを始める前に必要なことが多かったんですね。
「遊ぶまでにこんなに大変なのか……」と仕事の序盤からヘコみモード。しかし、いざプレイを始めてみたら文字通り未体験のおもしろさ! キャラクターの体型を自由に変更可能なキャラクタークリエイション。文字を入力するチャットに加えて、“笑顔”や“怒り顔”などの絵を使った簡単なフェイスチャット。ほどよいアクション性があるフィールドでの戦闘など、すべてが革新的でした。
何よりもオンラインで他のプレイヤーと一緒に冒険をする楽しさが本当に新鮮で、飲食も描くべき原稿を忘れてプレイしていました。『PSO』をプレイするまでは、自分が他のプレイヤーと交流する場所はアミューズメント施設でした。でも『PSO』は家にいながらにして、他の誰かとチャットをしながら遊ぶことができました。その体験はやはり衝撃的でしたね……。
『PSO』をプレイしていなかったら、オンラインゲームの楽しさを知るまでかなりの時間が空いていたかもしれない。そう思えるほどに、珠玉のプレイ体験を与えてくれたまごうことなき傑作です。
『ファンタシースターオンライン』シリーズ15周年おめでとうございます~。私は『PSO』には触れておらず、PC版の『ファンタシースターユニバース』からシリーズを遊んでいました。“今も”ですが、そのキャラメイクの自由度に驚かされ、ついつい好みの容姿を作るまでゲームをスタートしないなんてことも。
種族はヒューマンで、主にハンターで遊んでいましたね。何せシリーズ初めてだったのでなんでもできそうなヒューマンと、あまり考えずに突っ込めるハンターという組み合わせで暴れてました。パーティプレイ的にはどうだったんだろうと、今さらちょっと考えましたが、本人が楽しめるのが何よりかと!
『ファンタシースターポータブル』もそうだったんですが、『PSU』は1人用プレイのストーリーがしっかりしていて楽しかったですね。NPCとの冒険も楽しめたので、ライア教官とよく遊んでいました。身長差があって、上の画像のようにイベントシーンから自分が見切れていた時は「キャラメイク失敗!?」と思ったりしましたが、それも今はいい思い出です。ほっこり。
『ファンタシースターオンライン』らしさを感じられるエネミーやキャラクターが登場しつつ、DSで協力アクションRPGを実現した『PSゼロ』。PSP版で展開していた『ポータブル』シリーズの人気がすごく、影に隠れがちですが、優れた点が多い作品でした。
その1つがマルチプレイ。DSでは、4人同時プレイや多彩な武器によるアクションゲームはなかなか見られませんでした。本作ではワイヤレス通信だけでなく、Wi-Fiでのマルチプレイを楽しめました。その際には、手書きの文字やイラストを使ったビジュアルチャットがおもしろく、他のプレイヤーのイラストを見て感心していたのもいい思い出です。
また、防御可能なシールドや遠近に対応したガンスラッシュなどは、後のタイトルに登場する要素の礎となりました。ハード性能的に、ビジュアル面で至らぬところがあったのも事実ですが、アクションはかなり工夫されていて、長く楽しめましたね。
外せないのは、100階建ての塔を登っていくエターナルタワー。階を登るに従い、難易度があがると同時にレアアイテムが出るので、ドンドン登っていく……のですがあまりの長さに寝オチしたことは一度や二度ではありません。目が覚めると、電池がなくなっているのを見て落ち込みました。「もう2度やらねえーよ!」と言ったにもかかわらず、その日の夜にはまた同じことを繰り返していましたね。
2009年12月3日に発売されたPSP『ファンタシースターポータブル2』。前作の『ファンタシースターポータブル』の続編で、前作から3年後のグラール太陽系にを舞台にストーリーが展開しています。私は、PS2『ファンタシースターユニバース』から本シリーズを知り、そのシリーズの中でもっとも楽しく遊んだタイトルが本作です。
普通にソロプレイで遊ぶのもおもしろかったのですが、何より友だちと集まって無駄に縛りプレイをして遊んだことがすごく楽しかったなぁ。あとソロプレイの時に、“ディー・ロレイ”というつねに浮遊しているボスが倒せなくて、感情に身を任せた結果……PSPが物理的に壊れて買い換えるというトラブルがあったことも今ではいい思い出。
この敵を相手にしてから、射撃武器も使っていこうと強く決めました。あれから6年が経ち、今でも忘れないあのボスは、私の中ではどんな敵よりも最強です。
また、登場するキャラクターのほとんどが個性的な性格をしていて会話などでも飽きさせないところもいいですね。ちなみに、私の好きなキャラクターはツンデレ具合がすごく魅力的なルミアちゃんです! 皆さんはどのキャラが好きだったのでしょうか?
『PSU』の世界観を引き継ぎつつ、さらにその先を描いていった『ポータブル』シリーズ。中でも最高傑作とマッスルが思っているのが本作です。
いくつかポイントがあるのですが、1つはキャラと物語。ナギサとワイナールという今なお人気の名コンビや、カッコよさを増したヒューガなどによる物語の結末は、わかっていても心と筋肉にグッとくるものがありました。また、開発スタッフが劇場版アニメと比喩したように、テンポよく進んでいくところも心地よかったです。
もう1つ外せないのは、すべてがパワーアップしていたところです。バトルシステムやスクリーンショット機能、ビジュアルロビーなどゲーム内要素はもちろん、すれ違いによる通信要素・インフィニティミッション、『PSO』とのコラボなど、これまでに出ていた要望、不満点に向き合い、対応しています。さらには今では当たり前になったさまざまな社外コラボやクリエイターコラボなども多数収録されていました。やり込み要素もとにかくすごかったのですが、これらのコラボでより長くプレイできたのです。
2年前に知り合いが遊び始めたということで、再びプレイしてみたのですが、グラフィック以外はまったく古びていませんでした。今年9月にインターネットマルチのサービスが終了したのですが、それまでユーザーがプレイしていたということ。まさに“インフィニティ”なタイトルです!
『PSO』でゲーム性に衝撃を受けて、『PSポータブル2』からは攻略班の一員として記事に参加。『PSポータブル2 インフィンティ』ではメディア対抗戦で優勝できたなどシリーズのほぼすべてに思い出があるけど、今回は絶賛稼働中の『PSO2』について書いていきます。
PC版のサービス開始時の2012年7月からプレイしているので早3年以上……1タイトルをここまで長く遊ぶのは初なのですが、その要因は全体的に敷居が低いところかなと思ってます。基本無料だし、レベル上げもかなりラク。装備品もある程度はプレイヤーショップでそろえられちゃいますし。
自分は武器の不買プレイをしているうえ、プレイの期間が空いちゃうこともありますけど、それでも1カ月もあればほぼ最前線に戻れるんですよね。その時には新たなクエストが追加されてたり、いろんなコスチュームやアクセサリーなんかも増えてたりして、またモチベーションがムクムクと!
そのときどきで変わる流行を追ってみたり、緊急クエストにガンガン挑んでみたり、コーディネートを考えてみたり、ゲーム内にいる少数(笑)の仲間と交流してみたり……この3年以上の中でいろんな楽しさや経験を味わわせてくれた本作『PSO2』。
2016年には新章ともいえる“エピソード4”が始まりますが、ゲームの取っつきやすさはそのままに、『PSO2』5周年、さらにはシリーズ20周年、TVアニメと、これからもいろんな思い出を紡がせてくれたらなって思っています。
『PSO』シリーズを遊んでこなかったのですが、興味があり、ずっと気になっていた黒船Mk-II。世界観を踏襲した『PS NOVA』がPS Vitaで出るということでプレイしました。オンラインで協力プレイをできない課題こそあったものの、おもしろい点は多かったので長い間プレイしていましたね。個人的に好きだったのは、武器カスタマイズとギガンテス討伐です。
武器にアタッチパーツを装着していくカスタマイズは、パーツの大きさやつける場所、角度をかなり自由に変更可能。『PSO2』同様に作り込まれているキャラクタークリエイトのように、自分だけの武器を作れるのが楽しくて新たな武器が手に入るたびに、パーツをつけかえていました。
もう1つは、プレイヤーの前に立ちはだかる巨大なエネミー・ギガンテスを討伐するのがとにかく楽しかったということ。巨大な敵を討伐するゲームは他にもあるのですが、他タイトルと比べて自分のアクションレベルとのマッチングがちょうどよく、気付いたら何度も同じギガンテスを倒し続けていました。
『PSO2』と連動させてアイテムや資金を集められたら、もっと多くの人がプレイしたと思っています。書いていたら、武器や拠点のカスタマイズをやりたくなってきましたよ!
記事公開に際して、『PSO』シリーズの画像をセガゲームスからご提供いただきましたので、以下に掲載いたします。中には『PSO』をきっかけに結婚したユーザーにゲーム内でお話を聞く画像も入っています。画像は当時プレイしていた人だけでなく、『PSO2』をプレイしている人もチェックしてください。
【周年連載 バックナンバー】
→第36回:ブーストが勝敗のカギとなる『サイバーボッツ』稼働から20年。デビロット姫や超限定版のネタも
→第35回:初代『電脳戦機バーチャロン』稼働から20周年。当時の攻略法や用語集を改めて掲載
→第34回:『キングダム ハーツII』ディズニーとスクウェア・エニックス夢の共演。『KHIII』発売前にもう1度
→第33回:生まれた意味を知る『テイルズ オブ ジ アビス』10周年。魅力的なキャラや爽快なバトルが充実
→第32回:業界に衝撃を与えた『龍が如く』から10年。重厚な人間ドラマと遊びの幅の広さは初代から健在
→第31回:『風来のシレン』20周年。お竜にドーーン!! ガイバラにイッカァーーン!! ペケジに倒される!?
→第30回:『ダンガンロンパ』1作目発売から5年! 人気シリーズの開発当時を主要メンバーが振り返る
→第29回:セガサターン名作紹介。編集・ライターのおすすめソフトは!?
→第28回:名作『ワンダと巨像』10周年。今なお色あせない“巨像と戯(たわむ)れる”濃密な時間
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