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2017年1月28日(土)

『陰陽師』レビュー。手触りがよい良作RPG。マルチプレイなど、今風のやり込み要素も完備

文:そみん

 NetEase Gamesが2017年上旬配信予定のスマートフォン用RPG『陰陽師』のレビューをお届けします。

『陰陽師』

●動画:【陰陽師】いざ、美と妖の平安世界へ。

 『陰陽師』は“妖”が蠢く美しき平安時代を舞台とした美と妖の本格幻想RPG。プレイヤーは、陰陽師“安倍晴明”となり、さまざまな式神とともに魑魅魍魎(ちみもうりょう)と戦い、美しく妖しい平安時代で繰り広げられる謎を解き明かしていくことになります。

『陰陽師』

 とにかく豪華すぎる声優陣や美麗なキャラクタービジュアルで話題になっている『陰陽師』の物語やRPGとしての出来はどうなのか? 今回は主にゲームシステムやプレイ感覚など、RPGとしての出来に関する感想をお届けします。

『陰陽師』

【『陰陽師』レビュー

キャラを動かせるって大事! ノベルや紙芝居よりも“ゲームを遊んでいる感じ”がする!

 これまでのレビューでは物語や世界観を中心に感想を述べてきましたが、肝心のゲーム部分についても紹介していきます。

 結論から述べると、とても好感触です。実際に遊ぶまでは、物語やキャラクターは魅力的だと感じながら、ゲーム部分は昔ながらのカードバトルをベースにしたよくあるスマホアプリ系だと、あまり期待していませんでした(失礼!)。

『陰陽師』

 これは個人差もあると思いますが、自分の場合はゲーム=自分の操作や考えがゲーム内に介在できるものであり、行動に対するリアクションがあるものと考えているタイプです。加えて、なんらかの制限や縛り(ルール)のもとでの状況打破や効率化を考えることなんかも好きですね。

『陰陽師』
『陰陽師』

 そんな自分にとって、キャラを自分で動かせることって大事なんですよね。ノベルや紙芝居タイプのゲームも、物語に専念できて好きですが、こと“ゲームらしさ”を感じられる意味で、キャラを操作できることは大事です。

 正直なところ、移動の自由度は高くなく、基本的には物語の流れに沿って会話や調査アイコンをタップする流れですが、“自分で操作している感覚”は十分に味わえます。

RPGのキモであるバトルの手触りが好感触。声やアクションから感じる“戦っている実感”

 キャラ操作と同様、バトルについても見せ方や手触りがうまく作られていて好印象です。

『陰陽師』

 基本システム自体はオーソドックスなコマンドバトルで、素早さに準じて敵味方の行動が入り混じるという、いわば“よくあるタイプ”です。

『陰陽師』
『陰陽師』

 便利なオートバトルも用意されていますし、演出の2倍速もできるので、さくさくと遊ぶことができます。

『陰陽師』
『陰陽師』

 それでいて、ゲームを遊んでいる感じ、すなわち“戦っている実感”を得られる理由は、なんなのでしょうか?

 個人的な感覚なので、ズバッと説明しにくいのですが、おそらくボイス演出やモーション演出がしっかりとしているため、少し前のコンシューマゲームのような感覚を得られるからだと思います。

『陰陽師』

 例えばアクションや格闘ゲームだと、攻撃が当たった時の挙動や効果音で、気持ちよさが大きく変わりますよね。RPGのバトルにもそういう黄金律的なバランスがあると思うんですよ、個人的には。

 大技の演出が早送りでがんがんスキップされると、それはそれで味気ない気が。等速でも倍速でも見栄えがよく、テンポにも違和感を受けない演出とかが個人的には好きなわけですが、『陰陽師』はそのバランスがうまいように感じました。

『陰陽師』

 演出だけでなく、バトルシステム的にもキャラの個性を生かしたスキルが用意されているところを高評価。攻撃役(アタッカー)や回復役(ヒーラー)など、役割に応じたロールプレイが大事となるバランスになっていることに加えて、補助役(バッファー)が重視されるゲームデザインとなっていることもポイント。

『陰陽師』
『陰陽師』
『陰陽師』

 特に格上の相手と戦う際には、結界などで味方の被害を減らしつつ、敵のステータスを下げて戦うことが大事になります。

 比較的、ゴリ押しでの瞬殺がしにくいバランスとなっており、昔ながらの“RPGのバトル感覚”を味わいやすいところは、なんだか懐かしく感じちゃいました!

『陰陽師』

マルチプレイやキャラ育成など、今風のやり込み要素は完備

 プレイ感覚としては、メインシナリオを読み進めながらパーティ強化をしていく1人用のRPGとして楽しめました。

『陰陽師』
『陰陽師』
『陰陽師』

 ただ、他のプレイヤーとのギルド的な陰陽寮や、強敵相手に戦うマルチプレイなど、最近のアプリRPGのベーシックな要素はほぼほぼ用意されています。

『陰陽師』
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『陰陽師』
『陰陽師』
▲陰陽師の御霊は、基本能力アップなどの効果があります。

 強敵と戦うために必須となるキャラ育成の部分は、アクセサリ的に着脱できる“御魂(みたま)”に注目。セットした個数に応じて効果が変わるなど、考え方しだいでいろいろとカスタマイズの幅が広がるところがいいですね。

『陰陽師』
『陰陽師』
『陰陽師』
▲式神の御魂はアクセサリ感覚で着脱可能。
『陰陽師』
『陰陽師』

 もちろん、素材を集めて“覚醒”することで、外見や能力が変わるという、おなじみの育成要素も存在します。各種素材ダンジョンも常設されているので、そこまでストレスを感じずにプレイできました。

『陰陽師』
『陰陽師』
『陰陽師』
『陰陽師』

総括:海外制作ながら、非常に日本らしい安心感を感じるRPG

 本作は海外で作られたもので、すでに全世界で1,000万ダウンロード以上を記録している人気作です。

 とはいえ、個人的にはむしろ、その王道RPGらしい作りは、SFCやPSでの日本的なコンシューマRPGに似ていると感じました。

『陰陽師』

 ローカライズも非常に優秀と言いますか、そもそも海外で作る際に日本人の声優を起用して、それに字幕をつけるという流れだったので、日本語がしっかりしているのは当たり前と言えば当たり前ですね(笑)。

 運営的にはファンアートや同人作品についても肯定的なようで、ゲーム内の物語イベント動画中にコメント投稿をできるシステムを用意するなど、少し特殊なノリを感じる部分もありますが、なんと言いますか……開発スタッフの熱い情熱を感じます。

『陰陽師』

 とてもていねいに、かつ独自の美学をもって作られた本格RPGだと感じましたので、キャラや世界観が気になった人はもちろん、1人でじっくり遊ぶRPGが好きな人も、一度遊んでみてはいかがでしょうか?

【『陰陽師』レビュー

【『陰陽師』注目記事】

(C)NetEase,Inc.

データ

▼『陰陽師』
■メーカー:NetEase Games
■対応端末:iOS/Android
■ジャンル:RPG
■発売日:2017年上旬
■価格:基本無料/アイテム課金

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