2018年4月7日(土)
4月24日にサービス開始から5周年を迎えるパズルRPG『ぷよぷよ!!クエスト(ぷよクエ)』について、『ぷよぷよ』シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀さんにインタビューを行いました。
『ぷよクエ』は、ぷよをゆびでタッチし、同じ色のぷよを縦横4つ以上つなげて消していくパズルRPG。キャラを組み合わせたデッキを使い、ひとり、もしくは他のプレイヤーと協力してプレイしたり、バトルしたりが可能です。
細山田さんには、昨年行ったリニューアルやコラボ企画をはじめ、初心者に向けた指針やeスポーツについてお聞きしました。5周年に向けた今年の目標も語っていただいたので、ぜひご確認ください。
――昨年10月にアプリをリニューアルされましたが、反響はいかがでしたか?
大変よかったです。個人的にもアプリの刷新感を出したいと思っていました。弊社の『チェインクロニクル』であれば『2』、『3』と展開していて大きく変化したことがわかりやすいんですね。
『ぷよクエ』を遊ばなくなってしまった人がいるなかで、どのようにアプローチをすればいいのかを考えたところ、配信から3年以上経過したということもあり、見た目を今風にアレンジしたほうがいいだろうということで、リニューアルを行いました。
――なるほど。
またサービス開始当時と今ではプレイ状況が異なるため、ユーザーランク200までは経験値が多く入るなどの施策を行っています。
あわせて“えらべる★6プレゼント”を行ったのですが、あちらも反響がよかったです。あのタイミングで復帰された人も多くいるという結果が出たので、行ってよかったなと。あの後、1日あたりのプレイ人数が回復しました。
――昨年は多数のコラボを行ったことも印象的でした。
自社IPを含めてにはなりますが『ソニック』、『サクラ大戦』、『名探偵コナン』などとのコラボを行いました。どれもすごく反応がよかったですし、そこから入ってきてくれたユーザーも多くいました。9月に行ったイベントでは、『サクラ大戦』コラボから遊び始めたというユーザーから、数多く声をかけてもらいました。
一度ゲームを離脱した人を戻すのは簡単ではないのですが、リニューアルしたり、コラボを行ったりしてよかったと思っています。『ぷよぷよ』シリーズは家庭用ゲームでナンバリングを行っておりますが、売り切りの物とは違うため、運営し続けている本作では、例えば『ぷよクエ2』といった名前にすると引いてしまう人もいると思ったため、タイトル名はそのままで、見た目の変更や中身の刷新でアピールしました。
――『おそ松さん』コラボは、他のコラボと比べて驚いたのですが、あれもアンケートで上位にあったのでしょうか?
はい、アンケートで上位にきていました。『おそ松さん』は先方の絵をコチラにあわせる形にしてリリースしましたが、一部ファンからは「『ぷよクエ』風の絵で『おそ松さん』を見たかった」という声もありましたね。
直近で行った『初音ミク』はセガでも家庭用ゲームを開発リリースしていたこともあり、それぞれのファンのマッチングはよさそうだと以前から感じていました。『ぷよぷよ』が『ミク』のゲームに入ることはありましたが、『ぷよぷよ』に『ミク』が来ることはなかなか難しく、実現していませんでした。でも運営タイトルの『ぷよクエ』であればやれるということで、実施しました。4年以上運営している歴史があると、いろいろなことをやれると感じました。
――『初音ミク』コラボは特にコラボイラストやストーリーがマッチしていて楽しかったです。
おかげさまで評判はかなりよかったです。実は昔、東京ゲームショウでミクダヨーさんのデビュー戦をすけとうだらさんと一緒にすぐ横で見ていたため、自分のゲームに登場してもらえてうれしかったです(笑)。
――今年になり、2つのコラボがありましたが、まだ控えているのでしょうか?
ありますね……もちろんこの場では言えないのですが、春にはアンケートで上位にランクインしていた“とあるタイトル”とコラボする予定です。他にも大型のコンテンツとのコラボを画策中です!
ありがたいことに、先方から「『ぷよぷよ』とコラボしたい」と言ってくださることも多々あります。各社さまに『ぷよぷよ』を好きな方、理解してくださっている方が多くいるため、「そこまでやっていいの?」ということも多く、助けられていることが多いと感じています。
不思議なのは、今のユーザーにはあまり知られていないと思う『ソニック』や『サクラ大戦』がアンケートで毎回上位にランクインしていたんですよね。
――現状のユーザー層はどのように把握されているのでしょうか?
ありがたいことに幅広い方に遊んでいただいていて、年齢の高い方にも結構遊ばれています。50~60代のサラリーマンから、コラボで入ってきたような中高生もいますね。若い人はアクションパズルの『ぷよぷよ』を知らずに、プロモーションで入ってきた人も多いので、そこはしっかりアピールしていきたいと思いますね。
――そうなると、年齢層の高い人がアンケートに答えているのでしょうか。
コアなファンが多数を占めていると思いますが、幅広い年齢層の方に答えていただいています。今年の3月末前後にも行わせていただきましたが、アンケート結果はしっかり見て参考にしているので、もしコラボしてほしい作品があるようでしたら、ぜひお送りください。
――“1日1回無料ガチャ”ですが、かなりいいキャラが出ると感じているのですが、あれは初心者や復帰層をメインにした施策でしょうか?
そうですね。ログインボーナスでは、最後にワイルドさんを入手できるのですが、途切れてしまうとモチベーションが下ってしまいます。ログインしたらボーナスがもらえて、ガチャを回せたら、そのまま農園に行き、少しクエストに行ってもらうようなきっかけになるんです。
魔導石ガチャは魔導石をためる必要があり、そこにハードルがあります。『ぷよクエ』はライトなユーザーが多いので、敷居は可能な限り下げたいんですよ。タダでガチャを回してもらい、楽しさを味わってもらう。さらに回したい人は魔導石を使ってくださいという流れです。
結構いいキャラは出ると思います。自分でプレイしていて「あれ、ラッキー!」と驚くことがあるくらいです(笑)。スタート当時は「やりすぎでは!?」という声もあったのですが、毎日楽しんでもらって、毎日遊んでもらうのが一番。前から考えていたのですが、いろいろあって、あのタイミングで入れることになりました。
――“リトライガチャ”も個人的にはうれしいですね。
開発運営メンバーや僕自身もプレイしている中で、できれば「引き直しをしたい!」と思ったのがそもそものきっかけです。以前に行ったガチャを復刻する場合は、引き直しを入れてもいいだろうと個人的に考えています。
★7を導入したことも“リトライガチャ”の導入には関係しているんですよ。★6がたくさん欲しくなるじゃないですか。あと、引き直したけど「やっぱりさっきの方がよかった!」というちょっとした遊びのような要素もあるから、いいのかなと考えています。
先ほども言いましたが、ユーザーのみなさんのアンケートから生まれる企画やシステムもあるので、意見はお送りいただけると本当に助かります。
――コラボで始められた人、復帰した人が遊んでいる中で詰まってしまった場合、どうすればいいでしょうか?
何で詰まっているのかにもよりますが、いくつかオススメする方法があります。まずはギルドに入ってもらうのがわかりやすいです。初心者歓迎のギルドでは、同じアプリを遊んでいる仲間が力になってくれます。
『ぷよぷよ』は世界観的に優しい世界で展開しているのですが、ユーザーにも優しい人が多いです。ギルドが機能しているのは、本作の大きな特徴です。
あとはSNSで質問すると親切なユーザーが答えてくれることが多いと思います。弊社的にはサポートセンターがあるので、FAQなどを見てもどうしてもわからないことがあれば、そこに問い合わせるというのも1つの方法です。そのうえで、コツコツプレイしていただくのが最終的な解決につながります。
――というのは?
毎日ログインして“1日1回無料ガチャ”を引いて、少しずつクエストをプレイしていくとレベルが上がり、強化されて進めるようになるかと。
育てるキャラが多いので迷われるかもしれませんが、わかりやすいのは★7になるキャラを育てていくのがいいと思います。★7まで成長させることができるキャラクターは伸びしろがあり、長くプレイできますし、素材はイベントなどで集まるものもあります。
もし強いキャラがひけないようでしたら、ぷよPで交換できるキャラは★6まで育つうえに、なかなか役に立つキャラなので、こちらもいいかと。
あとは、イベントなどで経験値が増えている時はレベルが上がりやすいので、そのタイミングに集中的にプレイしてもらうのもオススメです。
――遠回りが最終的に近道だと。
こちらの問題でもあるのですが、要素が多いので知らないと損することもあります。ギルドで参加する“ラッシュイベント”だと、入っているギルドが強力だと、初心者の方がやれる範囲で頑張っていたとしても、他のメンバーの活躍で、素材がかなり入ります。イベントに参加する回数でもらえるアイテムもあるので、とにかく負けてもいいのでやってみると成長につながりやすいかと思います。
個人的には、今後も“えらべる★6プレゼント”のような初心者に向けた施策ができればと考えています。
――ただ、初心者の方だとどれにするのか、悩む可能性もありますよね。
実は、『ぷよぷよ』の舞台に出演された役者さんや声をお願いしている声優さんから聞かれたことがあり、電撃オンラインさんをはじめ、記事にしていただいたところを紹介しました(笑)。それでも「これも欲しいけど、あれも欲しいから結局迷う」と言っていましたね。最終的には「見た目で選んでも、★6強いので損はしませんよ」と話すこともありました。
――PC版サービスの目的についてお話しいただけますか。
オリジナル版のアクションパズルの『ぷよぷよ』自体はマルチプラットフォームで展開しています。『ぷよクエ』はスマホでのサービスになりますが、家に帰ったら、PCでやりたい人もいるだろうと思っていました。実は『ぷよクエ』は“PCでも遊べる”ことを想定していたために、ぷよを入れ変える操作ではなく、なぞって消すものにしました。
PCでのサービスを模索していたところ、DMMさまに興味を持っていただき、いろいろと協力していただけるということで展開を決めました。
――現状の勢いはいかがでしょうか?
スマホから、PC版に行く人も多いですし、反応は悪くないです。いいスタートを切れたと思います。ただ、もう少し多くの人にPC版を遊んでもらいたいと考えているのですが……サービス開始時のキャンペーンがかなり豪華だったので、今後どうしようかなと悩むことも多いです(笑)。
――細山田さんがプロデュースされているオリジナル版『ぷよぷよ』について、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)化が発表されました。セガフェス2018では大会が行われるようですね。
経緯はすでに発表された通りで、アクションパズルの『ぷよぷよ』(ぷよぷよ通ルール)で大会を行います。もともとeスポーツのようなものを個人的にやりたいと思っていたため、時代が追い付いてチャンスを得たという認識です。さらにいえば、コミュニティ間での大会は以前より行われていますし、過去にも大会が行われていました。
僕が担当するようになってからも何度かやってきたのですが、ここまで大きいものは久しぶりになります。すでに、いつも以上の方に申し込みをいただいているということで、ありがたい限りです。
――『ぷよクエ』での大会は予定されていないのでしょうか?
『ぷよクエ』でもリアルタイム対戦による大会やタイムアタック大会を以前に行い、そちらは盛り上がりました。『ぷよクエ』の大会も可能ならばしたいと思っているのですが、まずは『ぷよぷよ』がうまくいき、要望があるようでしたらアプリも検討する可能性はあると思います。
ただ、市場の流れと、『ぷよクエ』を遊んでくださっている方が望んでいることは違う可能性がありますし、全員が参加できるものではないので、そこらへんも加味して考えたいと思っています。
――アプリの場合、キャラを持っているか否かも関係しますし、スキルを育てているのかも影響する。対戦する競技として考えるといろいろなハードルはありそうですね。
プロスポーツを含めて、定義については我々も把握をしています。今回、日本eスポーツ連合(JeSU)がやろうとしていることも理解していて、他の企業さんが個別にやろうとしていることも理解していて、どちらもありだと思います。
もちろん資金や時間などに制限もあるので、やろうと思ってもなかなかできないこともあるのですが、「とにかくやってみよう! みんなで盛り上げよう!」ということで、枠組の中でうちとして何ができるのかやれるのかを実践していくことが、『ぷよぷよ』eスポーツの最初の一歩だと考えています。
――最後に今年の目標をお話しください。
もうすぐ5周年があるため、そこから盛り上げていきたいと考えています。好評であった他IPとのコラボは継続してやっていく予定です。
機能的な面では、上級者はもっと楽しめるのはもちろん、初心者の方を底上げするような施策を検討しています。また、夏から秋に大型アップデートを実施したいと考えていて、どのような方針にするかを検討中です。
――大型アップデートでは、昨年の“農園”や“とことんの塔”のように新たなコンテンツが追加されるイメージでしょうか?
そうです! 実はちょうど昨日、その打ち合わせがありました(笑)。開発チームと新たなことを検討しながら、今年も運営をしていきたいと考えています。あと個人的な願望ですが、今年は皆さまに会いにいける、みんなが集まれるようなイベントを行いたいと思っています。
『ぷよぷよ』全体としてはeスポーツに参加して、よりコミュニティを盛り上げていきたいです。そこから入ってきた人には、アプリを楽しんでいただければ幸いです。育成などのキャラコンテンツをメインとした作りになっているのですが、★7追加以外にもいろいろな要素を強化したいと思っています。
初心者の方や、復帰してくださった方が長く遊んでいただけると、我々としてもいろいろなことができるので、喜んでいただける施策を行っていくので何卒よろしくお願いいたします。
(C)SEGA
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