『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-』

 PS『ファイナルファンタジーVII』の物語を軸に多角展開する“コンピレーション オブ FFVII”の第4弾として発売されたA・RPG。ストーリーは、神羅カンパニーのソルジャークラス1STを目指す“ザックス”が、ウータイでの作戦行動中に発生した“ソルジャー大量失踪事件”をきっかけに過酷な運命の戦いへいざなわれるというもの。“クラウド”や“セフィロス”との関係の深い“ザックス”が、この壮大な物語の中で何を見て何を感じるのかが見どころとなっている。

  • ■ジャンル:A・RPG
  • ■対応機種:PSP
  • ■価格:2,940円(税込)
  • ■年齢区分:12歳以上対象(B)

スズタク

 『ファイナルファンタジー』シリーズの作品はほぼすべてクリア。お気に入りは『ファイナルファンタジーVI』で、初見プレイではもちろんシャドウを見殺しに。ついでに、シドおじいさんも死なせてしまった。それでもめげずにクリアした、そんな『FF』シリーズ大好きライター。

スロットがアナタのバトルをサポートします

 本作は、『ファイナルファンタジーVII』の続編や外伝をまとめた作品群『コンピレーション オブ FFVII』の一作品。作中には専門用語が飛び交うので、事前に原作である『ファイナルファンタジーVII』本編をプレイしておくことをオススメします。さて、このゲームでとくに注目なのが“デジタルマインドウェーブ(D.M.W)』という新システム。これは、バトル中に自動で回転&ストップを繰り返すスロットで、そろった絵柄や数字によってバトル中にさまざまな効果が表れます。目押しなどはできませんが、特定の絵柄をそろえやすくする方法などもあるので、カスタマイズ次第では強力な補助要素となります。このシステムのポイントは、「何もしてなくても自動で行われる」という点。戦闘が始まると勝手にリールが回るので、自分は目の前の敵に集中しているだけでOKです。アクション要素も強いバトルの中、自動で自分をサポートしてくれるこのシステムはありがたい限りでした。

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▲任意で操作はできないけど、システムとしては深い“D.M.W”。また、ゲームの終盤ではバトルだけでなく、ストーリー面でも”D.M.W”が重要な意味を持つことに……。

細かな表情の変化に注目!

 近年の『ファイナルファンタジー』作品に共通する美麗グラフィックのムービーも、本作にはきちんと盛り込まれています。中でも、エンディングに繋がるラストシーンは鳥肌……もとい、チョコボ肌(!?)の嵐です。僕は『ファイナルファンタジーVII』(インターナショナル版)をプレイ済みだったため、神羅カンパニーのエリートソルジャーを目指すザックスが辿る運命も、ラストシーンも予想できていました。でも、それを改めてリアルな映像で見せられると、一風変わったアクセントとなってのしかかります。さらに、トドメといわんばかりに心を打ったのが、その後のクラウドの反応です。正気に戻ったクラウドが、ザックスのもとから離れるときにわずかに見せる表情の変化。悲しみのあまり、顔が一瞬クシャリと歪むシーンは、きっとゲーム中でも最高のシーンだと思ってます。要所で挿入されるムービーはどれも見ものですが、ラストのこのシーンだけは別格です。実際に鑑賞するときはまばたきすらしない気持ちで、ガッツリ食いついてみてください。

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▲「これが携帯機の映像!?」と思いたくなるほど美しくリアルな映像。シアターモードなどで何度も鑑賞できたら最高に嬉しかったかなぁ……。

サシミスキコ

 『FF』大好きっ子のサシミスキコです! シリーズは一通り遊んでるけど、一番のお気に入りはダントツで『VII』!! リメイクまだー?

遊んでなくても楽しめますよ!

 本作は『ファイナルファンタジーVII(以下『FFVII』)』の序章的ストーリー。主人公は『FFVII』の主人公“クラウド”と深い関わりがありながら、いままで詳しく語られることがなかった“ザックス”です。そんな彼の物語には、“クラウド”や“エアリス”、“セフィロス”やタークスなど、『FFVII』の主要人物がズラリと登場! 『FFVII』で語られなかった、さまざまな事件の裏側とそれにまつわるドラマがたっぷりと楽しめます。というわけで『FFVII』を楽しんだ人が、本作をプレイしていないのはあまりにもったいないですぞ! とは言え、『FFVII』を未経験の人でも十分に楽しめる作りなので、そういう人でも全然問題ナシ! いや、むしろその方がストーリーの先が読めないので、より楽しめると言えるのかも!? それはそれでうらやましいなぁ……。

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▲“ザックス”が使うバスターソードがいかにして“クラウド”に受け継がれたか、というところも大きな注目ポイント!

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▲バトルはアクション仕立て。マテリアシステムやリミット技など、『FFVII』のシステムがきっちり反映されてるんですよ!

時代の流れを感じました

 グラフィックは、PSPソフトの中でも群を抜いてキレイ! ソフトが発売されたのは約2年前なのですが、とてもそうは見えないんですよー。スクウェア・エニックスお得意のCGムービーは言わずもがな、本編中のキャラもポリゴンで美しく描かれております。“ザックス”や“クラウド”たち男性キャラはみんなカッコいいし、“エアリス”や“ティファ”たち女性キャラはカワイイ! 『FFVII』では、キャラはデフォルメでされていた(バトル以外)のですが、本作ではリアルな頭身のうえにボイスも付いてるのが嬉しいとこです。バトル中もバシバシ動いてガンガンしゃべるのを見ていると、『FFVII』からずいぶん進歩したなぁとしみじみ思いました。直接の続編ってわけじゃないのはわかっているんですけど、どうしても比べてしまうんですよねー。

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▲戦闘中に回転する3つのリールが揃うと、数字や描かれる人物によってさまざまな恩恵が受けられます。また、その時にちょっとしたエピソードが挿入されたりして、それも楽しいですよ。

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▲いなか出身という共通点が判明し、一気に打ち解ける“ザックス”と“クラウド”。2人のやりとりを見てると、なぜかニヤニヤしちゃうんですよねー。