PSで多くのファンに支持された『ファイナルファンタジータクティクス』に、新要素を加えた移植作。おなじみの重厚なストーリーはそのままに、『FF』シリーズの魅力である“魔法”、“バトルシステム”、“ジョブシステム”などの要素が進化している。また、ジョブシステムを発展させた“ジョブメイキング”では、さまざまなジョブとアビリティを組み合わせることで自由なキャラクター育成が楽しめる。
- ■ジャンル:S・RPG
- ■対応機種:PSP
- ■価格:2,940円(税込)
- ■年齢区分:12歳以上対象(B)
M.N
トコトンやり込むRPG好きライターM.Nです。初代『ファイナルファンタジー』を誕生日プレゼントにもらったことが、人生に多大な影響を与えてくれました。セーブデータの取り合いで兄弟ゲンカをしたことも、今となってはいい思い出です。
歯ごたえのあるS・RPGが楽しみたい人なら
PSで発売された同名タイトルをベースに、新要素を加えた移植作。ファンタジー世界“イヴァリース”を舞台にした壮大な物語は、『ファイナルファンタジー』の名にふさわしい内容です。イヴァリースは『ファイナルファンタジーⅩII』や『ファイナルファンタジー タクティクス アドバンス』と共通の世界で、物語の年代こそ違うものの共通するキーワードも多数。なかでも、ゲストキャラクターのバルフレアとルッソの存在は、ファンなら見逃せないところでしょう。本作のバトルは、3Dマップに配置したユニットを操り、敵を撃破していく戦術SLG方式。歯ごたえのある難易度で、SLG上級者でもたっぷり楽しめることは間違いありません。また、『FF』シリーズではおなじみのジョブシステムがあり、ユニットを好みのジョブにすることで自由なバトルと育成ができるのも特徴です。そのほかにも、美しいアニメーションや通信対戦など、見どころが満載! じっくり腰をすえてゲームを楽しみたい人にオススメです。
▲新ジョブの“暗黒騎士”と“たまねぎ剣士”、新規イベントやセルシェーディングによる絵画のようなアニメーションなどが追加され、PS版をプレイした人でも楽しめます。
プレイした人でも楽しめる追加要素が嬉しい!
本作のオススメポイントは、なんといっても完成度の高いSLGパート。敵がとても賢く、確実にプレイヤーを追い詰めてきます。難易度がとても高く、SLGが苦手な人は投げ出してしまうほど……といっても、これは寄り道をしなかった場合の話。エンカウントバトルを利用して、ユニットをしっかり育成すれば問題ありません。多彩なジョブもあるので、育成するだけでも楽しめますよ。また、PS版からの改良点にも注目です。PS版では16人しかユニットを登録できないため、キーキャラだけで登録枠が埋まってしまいました。そのため、序盤から育ててきた汎用キャラを泣く泣く消すことに。しかしPSP版では、最大24人まで登録可能になったので、汎用キャラも最後まで使えます! 他にもさまざまな追加要素があるので、はじめての人はもちろん、PS版をプレイした人でも楽しめることは間違いありません!!
▲敵をトードの魔法でカエル状態にして無力化。その後、アビリティを使いまくれば、カンタンにキャラの育成ができます。育成にハマると、なかなかストーリーが進みません(笑)。
アンズ
どうも、アンズと申します。『ファイナルファンタジー』シリーズは、ほぼすべて発売日に買って遊んでおります。『II』、『IV』、『VI』など、シナリオ重視で制作されていると言われる偶数ナンバー作品を気に入る傾向があります。
重厚な世界観に入り込もう!
『ファイナルファンタジー』シリーズの外伝的な作品ですが、本作のジャンルが“S・RPG”であることからも、それがわかっていただけるでしょう。物語は、イヴァリースと呼ばれる国で巻き起こる“獅子戦争”を中心に語られていきます。規模に関して言えば、世界中を旅することが多いシリーズの他作品に比べるとこじんまりしていると感じるかも。しかーし、だからこそイヴァリースという国やそれに関わる人物などについて、これでもかというぐらい深く、綿密に描かれております。ゲームを進めれば進めるほどこの世界観に入り込め、そして登場人物の心理や行動に胸打たれることになります。主人公“ラムザ”と、その親友“ディリータ”が徐々にすれちがっていく様子は、何度見ても切ない……。
▲移植に際して追加されたムービーは、キャラクターデザインの吉田明彦さんの画風を忠実に再現しております。
▲通信機能を使ったシステムを新たに追加。対戦する“コロシアム”と、協力してミッションに挑む“共同戦線”が楽しめます!
SLG初心者でも大丈夫!?
本作はS・RPGなので、他のシリーズ作品とは少々おもむきが異なります。シミュレーションと聞くと、難しそうなイメージを持っている人もいると思います(まぁ私のことなんですけど……)。しかし、充実したチュートリアルが用意されているので、そのへんは大丈夫! 教官“ダーラボンさん”のわかりやすい講義を聞くことで、システムがすんなり理解していけます。チュートリアルは項目ごとに細かく分けられているので、全部聴くのが面倒だという人は、プレイ中にわからないことがでてきたときに確認する程度でもオッケー。プレイするうちに、なんとなく理解できることもありますしね。しかしこのゲーム、システムを理解していても強い敵はホントに強いです。見事にPS版と同じ中ボスにやられてしまった私は、あの頃からなにも成長していないのかな……。移動中に発生するフリーバトルを利用して、きっちり仲間を鍛えながら進めていきましょー!
▲バトルでジョブポイントを取得して、どんどんアビリティを習得しよう!
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