それでは『アルトネリコ』シリーズの世界について、簡単にですがご紹介してみたいと思います。『アルトネリコ3』が気になっているけど、他のシリーズ作品を遊んだことがないから手を出しにくい……なんて思っている方も、これを読めばバッチリです！

　『アルトネリコ』シリーズは、どれも“惑星・アルシエル”という星でのお話であり、シリーズを通じて同じ世界観を共有しています。この惑星は、かつては高度な科学と魔法技術の融合により繁栄したものの、大規模な紛争によって、大地を失い、空にはプラズマエネルギーが満ちた領域が生まれ、大気圏内には毒素に満ちた“死の雲海”という厚い層が存在するという、人類が生きていくには大変過酷な環境となってしまいました。しかしそれでも、人々は世界に3本存在する、ロストテクノロジーと魔法の産物である“塔”に寄り添い、今でも懸命に生きています。

　また、本作を語る上で決して外すことができないのが、人によって作られた種族で、音を力に変える“詩魔法”という能力を持つ“レーヴァテイル”たちの存在です。彼女たち（染色体の関係で、基本的に女性しかいません）の多くは、人間社会に溶け込んでおり、普通の人間と変わりなくパートナーとして共存したりしているものの、時には道具のように扱われたり、人類と争ったりと、種族間にある歴史や関係については、とてもひと言で片付けられるものではありません。つまり『アルトネリコ』シリーズとは、そんな人類とレーヴァテイルの交流の物語でもあるのです。

　以上が大まかなシリーズ共通の設定となります。続いては各タイトルの詳細となりますが、ただ情報を並べるだけではなく、担当の主観や思い出をふんだんに交えた説明をさせていただきたいと思います！

　記念すべき“ムスメ調合RPG”の第1作。舞台は1本目の塔がある、かつては世界で一番繁栄した地域“ソル・シエール”。発売前には、一部シーンが見方によってはちょっとエッチと、大変注目を集めたのも懐かしいものです。しかしこのシーン、作品の根幹にも関わる大切なシーンなのです（本当です）。

　凝った世界設定をベースに、魅力的なキャラクターの活躍を描いたRPG作品として好評を博し、詩と音楽を軸に据えた作品として、主題歌には、当時ネットを中心に人気急上昇中だった志方あきこさんを起用したことも話題に。しかも、霜月はるかさんや、みとせのりこさんらまでが参加するという豪華な布陣には、大変な衝撃を受けました。そして、その歌姫たちが紡ぐ“ヒュムノス”と呼ばれる、作中の独自言語を主体として作られた歌唱曲は、イベントシーンや、いわゆるボス戦などで印象的に用いられ、プレーヤーの気分をいっそう盛り上げてくれました。BGMも含めた楽曲の独特さや完成度もさることながら、非常に見事な使われ方をしたという点でも、ゲームミュージックとして、ひとつの到達点を示したと言っても過言ではないと思います。

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  ▲シリーズを通してのメインシステムである“ダイブ”。ヒロインのむき出しの精神世界内で互いの絆を深めると、現実世界で強力な詩魔法を紡げるようになります。

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  ▲ガストの代表作『アトリエ』シリーズに通じるものがある＂グラスメルク”。アイテム合成の楽しさと、おもしろい会話が見所です。ヒロインのネーミングセンスにも要注目！

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  ▲こちらはヒロインの詩魔法を強化する“インストール”。強い魔法をとことん強くしたり、お気に入りの魔法に愛情を注いだりと、楽しみ方は人それぞれです。

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  ▲強化システムの“パワード”を行うことにより、各種装備の強化が可能に。強化アイテムの組み合わせは多岐に渡るので、いろいろ試してみたくなりますよ！

　シリーズ2作目として発売された本作は、舞台も登場人物も一新。その舞台となったのは、2番目の塔を中心とした地域で、今にも崩落しそうな「メタ・ファルス」です。戦闘システムやヒュムノスも更に挑戦的に進化し、また、主人公とヒロインの交流だけではなく、ヒロイン同士の交流や衝突も濃厚に描かれており、プレーヤーの間でも大変話題、あるいはネタとなりました。なお、本作から見られる、レーヴァテイルだけに発症する“I.P.D.感染”は、この物語の謎を紐解いていく上でも、非常に重要な位置を占めるものとなっています。

　そして本作を語る上で忘れてはならないのが、ヒロインたちがお風呂で遊ぶ……もとい、ヒロインたちを強化するための“デュアルストール”システムです。実際に遊んだことがない方がイメージしやすいように、一般的な言葉で説明するとしたら、“女の子だけのキャッキャウフフな入浴タイム” ……です。わかっています、とても信じてもらえないことは。でも、あえて言います。こちらも大変おもしろく、結構奥が深い強化システムなのです（本当です）。

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  ▲もちろん“ダイブ”は健在。精神世界が特殊な構造になっているケースもあり、前作をプレイしていても驚きの連続でした！ 彼女たちの愛情や葛藤を正面から受け止めて、2人でともに成長するべし。

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  ▲アイテム合成システムは“調合”としてパワーアップ！ 突拍子もないアイディアが飛び出したり、ヒロインのネーミングセンスが相変わらずだったりで、ついつい全アイテムを作りたくなります。

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  ▲これが前述した“デュアルストール”。……。お風呂で遊んでいるだけでは？ いいえ、結晶が秘めたエネルギーをお風呂に溶かすことによって、それをまろやかに吸収しているのです！

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  ▲前衛強化システム“ムスメパワード”。ヒロインの1人・クローシェの親衛隊でもある彼女らI.P.D.は、セラピで癒してあげると協力してくれます。「親衛隊100人できるかな」を合言葉に頑張りました！