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2009年12月18日(金)

【経営者は語る 第2回】徹底した日本市場研究でゲームの魅力を引き出すHUE

文:電撃オンライン

■大手ポータルサイトと提携しつつオンラインゲーム全体の知名度を上げる

『経営者は語る 第2回』

――本日はよろしくお願いします。『AIKA Online』『アークサイン』と、今年の後半新作の投入が相次いでいますね。ゲーマーの方々からの反応はいかがですか?

HUE代表取締役CEO 金 裕羅氏(以下、金氏):HUEはここ2年ほど新作がなかったものですから、さまざまなコミュニティで話題になっているようですね。どちらの作品も、まだまだ課題は多いのですが、「いろいろな可能性を感じる」というコメントを付けてくれている方もいらっしゃって、そこはたいへん嬉しく思っています。CEOになって3か月半ほど、ユーザーさんの生の反応に触れることで、いろいろ勉強になっています。

――CEOに就任してから日本のオンラインゲーム市場を見ていて、特徴的なところ、韓国と違って面白いと思ったところはありますか?

金氏:『AIKA Online』のクローズドβテスト終了後に、ゲーム内で座談会を開催したのですが、こういった催しのときに、韓国のプレイヤーさん達は本当にうるさいんですよ(笑)。GM(ゲームマスター)さんが話をしようとしても、質問や要望でチャットウィンドウがどんどん流れてしまって……。ところが日本ではおとなしくて、行儀良く一人ずつ発言します。韓国ではこうはならないですね。βテストが始まったあと、GMさんが「何か問題はありますか?」などと言おうものなら、続々と質問が来ます。それに対して日本では、みんな黙々とプレイに励んでいて、あまり発言が出ません。韓国から来た開発スタッフが「日本バージョンではチャット機能を削除しましょうか?」などという冗談を飛ばすほどでしたね(笑)。

――な、なるほど。ほかのゲームでもしばしば聞く話ですが、『AIKA Online』でもそうでしたか。

金氏:ただそれは、サービス提供側にとって怖い話でもあります。ゲームに不満があるとき、韓国のプレイヤーさんはうるさいくらいに意見や要望を言ってくれます。それに対して日本のプレイヤーさんは、気に入ってくれれば熱心にプレイしますが、気に入らないときは何も言わないまま離れていきます。愛想を尽かされる前にきちんとしたゲームに仕上げないといけない、ということですね。

――オンラインゲームのβテストが果たしている役割を考えると、悩ましい部分ですね。お披露目であると同時に、あくまで未完成品でもありますし。

金氏:日本は昔からコンソールゲームが強い市場ですから、ゲームは完全な状態で市場に出るのが当たり前だと思うんですね。不具合があるなら、それは不良品ではないか? という。それに対してオンラインゲームは、最終完成点のないサービスです。至らない点があったとしても、後から改良できるかもしれない。それでも日本市場でサービスする以上、なるべく完璧な状態で提供すべきなのだと、あらためて強く思いました。

――依然としてコンソールゲーム市場が優勢ではありますが、日本でもさまざまなオンラインゲームパブリッシャが並び立ち、それぞれに個性的な作品をサービスしています。そのなかでHUEは、どんなパブリッシャでありたい、どんなパブリッシャとしてイメージされたいのでしょうか?

金氏:NHN Japan、ガマニアジャパン、ゲームポット、YNK Japan。どこの社長さんとも知り合いだったりしますが、それはさておき(笑)。HUEの特徴は、韓国の開発/サービス会社と一体になっていて、本来提供できる作品の幅が広い点にあります。ダンスゲーム『Audition』『Audition 2』のT3 Entertainmentはもちろん、新作の『AIKA Online』は『WYD 2』を開発したJoyImpactの作品ですし、現在は本社開発チームが3年越しで開発を続けていた作品が、続々と世に出るタイミングでもあります。支社であるHUEは、本社からいろいろチャンスをもらえるという意味で、恵まれた位置にあると思います。それを生かして、さまざまなジャンルのゲームを提供していきたいと考えています。

 例えばいまゲームオンさんでは、『FIFA Online』を通して日本でサッカーのオンラインゲームを普及させようとがんばっていますよね? こうした取り組みは、たいへん素晴らしいと思います。Hanbit本社でも『FC Manager』を手がけていますから、例えばこれを日本市場に投入することもできますし、各種ポータルサイトへのチャネリングは今後拡充していきます。

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――なるほど、ライセンサーの子会社であることを生かすというわけですね。

金氏:先日のG★2009(韓国最大のゲームショウ。11月にプサンで開催)でも、HanbitSoftは7本の新作を出展しました。HUEとしては、日本市場でどれが有望かを見極めてサービスできるわけで、これはとても幸運なことと思っています。

――今回の新作のなかで、すでに日本サービスを決めているタイトルはありますか?

金氏:それについては来年1月の会議で決定し、発表したいと思います。もちろんそこで決まっても、サービス自体はまだまだ先ということになりますが。今年もかなり忙しかったのですが、来年はさらに多くのタイトルで、みなさんにアピールできると思います。

――さしあたり1月以降の情報に注目、ということですね(笑)。

金氏:HUEというとRPGに強い、というイメージだったと思いますが、これからはいろいろなジャンルに挑戦していきます。“MMORPGだけでなく、面白いゲームがいろいろ揃っているポータルサイト”というのが、これからの目標です。

 ■世の中で一番面白いおもちゃはPCです(>>Page3)

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