News

2009年12月18日(金)

【経営者は語る 第2回】徹底した日本市場研究でゲームの魅力を引き出すHUE

文:電撃オンライン

――プライベートブランドを増やしていき、独自のポータルを構築するというのは、ここ数年、さまざまなオンラインゲームパブリッシャさんが目標として掲げてきた事柄ですね。 ただし、数年前のように1社で一大ポータルを築くという考え方は減っていて、ゲームで言えばHangame、Netmarbleといった大手ポータルサイトとどう手を携えていくかが、最近の話題であるように思われます。HUEがポータルという目標を掲げるとき、それはどんなイメージになるのでしょうか?

『経営者は語る 第2回』

金氏:韓国におけるゲームポータルの例としては、Hangameのように情報検索サービスからゲームに手を広げていったパターンと、Nexonのようにヒットしたゲームタイトルを核に成長していったパターンがあると思います。HUEがイメージするのは後者、Nexonのものに近い形ですが、NHN Japan(ハンゲームの運営元)さん、Yahoo!さん、楽天さんといった大手ポータルとの相互関係を、最初から念頭に置いて展開していきます。逆に言えば一般に大手ポータルサイトさんも、緊密なコミュニティサービスであるオンラインゲームとの相互交通に、必要性を感じてくれている、ということです。

 HUEの発展に必要なのは、HUE一社だけでなくてオンラインゲーム市場全体が大きくなることだと考えています。韓国と比べたとき、日本のオンラインゲーム市場はまだまだ小さいですから、まずはパイを大きくすべきで、現在のプレイヤー数でゼロサムゲームを考えても仕方ないと思います。そうした点から言うと、いままでオンラインゲームをプレイしていない人にアプローチする手段として、大手ポータルサービスとの連携は非常に重要なものなのです。

――小さく効率よくまとまるためのサービス共通化手段でもなければ、総合ポータルサイトを完成点にとにかく拡大を目指すわけでもない。いわば、インターネットサービス全体から見たときのオンラインゲームの注目度、存在感を、大きくしていくことが狙いというわけですね。

金氏:そうです。そして注目度で考えたとき、アピール手段はインターネットサービスに限定しなくてもよいわけです。例えば来年1月にHanbitSoftが考えている試みとして、ダンスゲーム『Audition』用のギターコントローラーなどというものがあります。

 私が思うに、世の中で一番面白いおもちゃはPCなんですよ。いまやどこの家庭にもPCはありますから、大人も子供も手軽に触れられる。『Audition』用のギターコントローラーは、USBでPCに接続してゲームを立ち上げるだけで、『Guiter Hero』(ギター型コントローラーを採用し、アメリカで大ヒットしたリズムゲーム)のようなギターモードがプレイできます。『Audition』は世界30か国でサービスされている作品ですから、大きなアピールになるでしょう。

 G★2009に出展された新作釣りゲーム『Grand Mer』にも、釣竿コントローラが用意されています。こうした独自デバイスに挑戦するオンラインゲーム会社は、ほかにあまりないでしょうね。

――ニンテンドー Wii以降のコンソールゲーム市場、そして、アメリカでヒットした『Guiter Hero』を背景として考えれば、たしかに注目が集まるかもしれませんね。有名な楽曲データも同時に用意するのでしょうか?

金氏:韓国でのサービス開始時には、20~30の実在楽曲をライセンスします。仮に日本でサービスするとしても、やはり有名なギタリストさんや音楽プロデューサーさんと契約して、人気のある曲を提供することになるでしょう。

――実現したら、華やかな話題になりそうですね。

金氏:いままでHUEで十分にアピールできた作品は『グラナド・エスパダ(GE)』だけでした。これからは市場の反応を見つつ、いろいろな新規タイトルを投入していきます。個別タイトルのマーケティングだけでなく、HUEとして幅のあるラインナップを揃えたいですね。そうした意味で、有名なアーティストさんとのコラボレーションも有効な手段だと思っています。

『経営者は語る 第2回』 『経営者は語る 第2回』
▲HUEの代表作品となったMMORPG『グラナド・エスパダ プラス』

――来年以降も、かなり活発なサービス展開になりそうですが、そのなかでとくに重視しているターゲットや年齢層はありますか?

金氏:韓国でオンラインゲームの歴史が15~16年、日本での本格的ヒットは5~6年という印象です。そうした意味でオンラインゲームはまだまだ一種のマニア市場に留まっていると思います。日本で例えば『ドラゴンクエスト』シリーズのような作品は、子供達だけでなく40代、50代まで広く愛されています。そうした形を目標とした場合、とにかく全体にターゲットを広げていくことが必要です。現在のところHUE作品のプレイヤーさんには社会人の方が多いので、それ以外の年齢層に力を入れる、というのが答えになるでしょうか。

 本来、分け隔てがないのがオンラインゲームの魅力です。PCとインターネット回線があれば、いつでもどこでもプレイできるのですから、さまざまなイベントやマーケティングを通じてもっともっと魅力をアピールしていくことで、みなさんに長く楽しんでいただけたらな、と思います。

――全体として見ると、これから作品ラインナップをどんどん広げていくことで、長い目で見たときのブランド確立を狙う、ということですね。

金氏:そうです。映画や音楽、またカジュアルな内容のゲームには賞味期限がありますよね。2~3か月とか。それに対してオンラインゲームは、うまくいけば3、4年、さらには10年もの寿命を保つことがあります。実際『グラナド・エスパダ プラス』も来年で4年になります。そういった長期的な需要が、オンラインゲームビジネスの特徴ですから。

――金さんから見て、日本のオンラインゲーム市場はいま、どんな段階にあるでしょうか? 2003年くらいから急カーブで成長したMMORPGの勢いが一服して、2008年は新作の少ない端境期、世代交代期であったように思われます。そこから2009年後半になって、割と手軽にプレイできる、3D描画のMMORPGやFPS/TPS(一人称/三人称視点シューティング)が出てきている。HUEの『AIKA Online』と『アークサイン』も、まさにそのような流れを作っているとも言えるわけですが。

金氏:ガンホーさんの『ラグナロクオンライン』が、日本のオンラインゲーム市場を拡大した主役であるのは間違いないと思います。その後も市場は拡大し続けますが、この3年ほどは全体として、成功した作品の後追いが目立っていたと思います。日本市場ではいまもRPGが強いですが、長い目で見て今後は、さまざまなジャンルに嗜好が分かれていく時期ではないかと思います。『カウンターストライクオンライン』などオンラインFPSも数々投入されていますし、アーケードゲームタイプのアクションゲーム、ひとひねり加えたMMORPGなども、ゆっくりと根を張っているところだと思います。そうした流れを見ているからこそ、HUEも今後サポートジャンルの拡大を目指すというわけです。

 ■新作2タイトル『エイカ オンライン』と『アークサイン』の魅力とは?

(c)2003-2009 IMC Games Co.,Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.
(C)JOYIMPACT Co.,Ltd Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment inc.
Copyright(C)2009 T3 Entertainment Co., Ltd. All Rights Reserved. Developed By T3 Entertainment Co., Ltd. Pubished By Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

関連サイト