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2009年12月18日(金)

【経営者は語る 第2回】徹底した日本市場研究でゲームの魅力を引き出すHUE

文:電撃オンライン

■日本人にも楽しめるPvP戦闘と育成要素が特徴の『AIKA Online』

『経営者は語る 第2回』

――それでは今度は話題を絞って『エイカ オンライン』について。金さんから見た本タイトル独自の魅力とはズバリ何でしょうか?

金氏:ご存じのように韓国でMMORPGといえば、NC softのシェアが優勢ですね。韓国では政府の政策もあって、普及しているPCのスペックも高ければ回線も高速です。そうした環境で求められるゲームは、リッチな表現で要求スペックの高い作品となります。

 それに対して日本では、ネットワーク環境も普及しているPCのスペックも、そこまで高くありません。『エイカ オンライン』の魅力は、そうしたプレイ環境でも十分に楽しめる点にあります。リッチな作品のクライアントプログラムが4~5GBものサイズになるなかで、『エイカ オンライン』のクライアントは400MBそこそこに抑えられています。おかげで5年前スペックのPCでもプレイできますし、最近流行しているネットブックでも十分楽しめます。これは、日本およびほかのアジア諸国、そしてヨーロッパでサービスするに当たって重要なポイントです。

――プレイの前提条件が違う、というわけですね。ではゲーム内容としてはいかがでしょうか? クローズドβテストで見る限り、プレイのテンポというか、なかなかリズムの良いゲームに思えましたが。

金氏:プレイ内容面で言うと、大規模な戦争システムが目玉です。従来の作品でPvP(プレイヤー vs. プレイヤー)戦闘というと100 vs. 100といった数がせいぜいだったと思うのですが、「エイカ オンライン」では1000 vs. 1000といった規模で戦闘を楽しめます。

――しかし、日本市場では一般に、PvP戦闘重視のゲームは苦戦すると言われています。韓国や中国での反応とは別に日本市場に限って考えると、そこが心配ではないでしょうか?

金氏:いいえ。日本で好まれないのはフリーPK(player kill)戦闘であって、きちんとルールや枠組みを整えた、スポーツ的なPvP戦闘に対する評価はまったく別です。これは、クローズドβテストの結果でも裏付けられていると思います。また、戦争では“聖物”を守るNPCが重要な役割を果たしますが、時間帯によってその強さを変えることで、のべつまくなしに戦闘が続くような事態を防いでいます。

――なるほど、システム次第というわけですか。日本のプレイヤーにも、PvPの魅力が浸透してきたのかもしれませんね。

金氏:そして『エイカ オンライン』の魅力を語るうえで欠かせないのが、小さな妖精から大人の女性に成長するパートナーキャラクター“プラン”の存在です。

――そうですね。全体にオーソドックスにテンポの良い作品としてまとまっている中で、プランの設定にはとくにオリジナリティが感じられます。

金氏:『たまごっち』がヒットした日本市場ですから、自分以外のキャラクターがさまざまな性格に育つことには、大きな魅力を感じてもらえると思います。そうしたわけで、可愛らしい要素もあればハードな戦争もあるというところが、『エイカ オンライン』の総合的な魅力だと思います。

『経営者は語る 第2回』 『経営者は語る 第2回』
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▲美しい風景とキュートなプラン、そして最大1000 vs. 1000の大規模戦争が可能な国家システムと、ライト層からコアゲーマーまで楽しめる要素をしっかり盛り込んだ期待のMMORPG『エイカ オンライン』。

■ジャパニメーション風のノリにアレンジして韓国逆上陸を狙う『アークサイン』

――一方で『アークサイン』は、正式サービスに漕ぎ着けるまでかなり紆余曲折のある作品になりましたね。

金氏:はい、本当にいろいろありました。もともとゲーム自体の潜在的な実力は高く評価されていたのですが、開発の初期段階でサーバーが安定しないというトラブルに見舞われたのです。日本版の開発スタッフの意見でも「ゲームとしての素地は良いが、いろいろ足りない部分がある」ということで、日本市場向けアレンジと同時に、その足りない部分を補っていったのです。

――日本向けアレンジの部分は非常に徹底していますよね。なんといいますか、キャラクターもセリフもコミカルなアニメ調ですし。

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▲日本での再出発を狙う『アークサイン』は、不遇な歴史の割りに丁寧に作られた良タイトルだ。

金氏:『エイカ オンライン』がゲームに慣れた人向け、つまり『Lineage』や『REDSTONE』を楽しんできた人に向けられた設定なのに対して、『アークサイン』はまったく別のターゲット、いままでオンラインゲームをプレイしてこなかった人に向けられています。徹底した日本向けローカライズで、作品としての味付けは非常に個性的なものになりました。アニメや漫画が好きな人が気軽に楽しめるような作品を目指し、日本から提案されたシステムやコンテンツを大規模に取り入れています。

――『アークサイン』のもともとの形である『Camon Hero』は、すでに韓国で正式サービスが行われているのでしょうか? またその中身は、『アークサイン』とどう違うのでしょうか?

金氏:『Camon Hero』は韓国ですでにサービスされています。『アークサイン』は日本でのサービスを前提に、HUEが徹底してアレンジしたバージョンですから、中身はかなり違いますよ。実を言うと『アークサイン』を日本で成功させてから、韓国に逆輸入する予定なんです。

 韓国にはMMORPGの競合タイトルが本当にたくさんあります。『Camon Hero』はプレイヤーの反応こそ良かったものの、開発の難航と度重なるβテストの影響もあって、韓国ではすでにぱっとしないタイトルという評価に落ち着いてしまっています。そこで、日本市場で徹底して揉まれたあとのバージョンで、あらためて韓国市場に挑戦します。単にアップデートを重ねて改良しましたという話よりも、説得力がありますしね。

――やや身もフタもない話ですが、確かにそうかもしれません。

金氏:例えば“大神官ユイ”は日本で生まれたキャラクターです。彼女が登場する“パートナーシステム”も日本チームの発案です。

――ああ、ユイさんはどう見てもそうですよね(笑)。外見はもちろん、もうセリフからして『狼と香辛料』か『かんなぎ』を感じさせますし。

金氏:ユイのビジュアルを、雑誌をはじめとして、いろいろなメディアで活躍させるとともに、キャラクターソングのCDとかを出せたらいいな、と思っています。ちなみに、ユイの声優さんを起用したインターネットラジオを、今月から3か月間予定しています。韓国発祥のゲームとしては前例のない、徹底したマーケティングを展開します。NPCのセリフにさりげなく有名声優さんを起用することも、いま考えています。『ガンダム』で有名な方とか……。主人公じゃなくて、24人いるNPCのためにわざわざ起用するイレギュラーを、面白いと思っていただければ成功かなあと(笑)。

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――そういういたずら心は、確かにアニメっぽいかもしれません。

金氏:なにしろ『アークサイン』のキャッチフレーズは“ぎりぎりオンラインRPG”ですから、楽屋オチ的なネタも大いにアリだと開き直ってます。リッチで大規模な作品と比べてしまえば、いろいろ欠けているものがあるのは当然ですから、そこは自虐を交えつつも開き直って、この作品でしか提供できないテイスト、ユーモアにこだわっていけば、それでよいのだと思います。

 ■『アークサイン』は日本で成功させてから、逆輸入を狙っていく

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