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2010年7月30日(金)

【経営者は語る第8回】脱ゲームポータルを提案するCJインターネット

文:電撃オンライン

■Netmarbleという方法論から脱却するCJインターネットジャパン

――本日はよろしくお願いします。朴さんが社長に就任したのは今年の初めくらいですよね。それまでは日本の同業他社さんにいらしたとか。いわゆる“韓国本社から派遣されてきた社長さん”ではないわけですが、CJインターネットジャパンという会社を動かすに当たって、どのような方針で臨んでいますか?

CJインターネットジャパン代表取締役社長 朴且鎮氏(以下、朴且鎮氏):非常にクセが強く、頼りになるスタッフぞろいなので、そうしたスタッフにいろいろ助けてもらっています(笑)。いろいろな場所で経験を積んできた者がそろっていますので、自分としては強い気持ちだけを持って、むしろ各自に持ち前の能力を発揮してもらうことを重視していますね。

――会社としての目標設定についても、そうしたイメージで捉えてよいでしょうか? つまり“CJ Internet本社から来る指示をどうやって守るか”ではなく“CJインターネットジャパンという一つの会社として、自分達で目標を決める”という形だと。

朴且鎮氏:CJ Internet本社から「こうしなさい」といった指示が来ることはほとんどありません。自分達で目標を決めて動いています。

――ではNetmarbleのサービスについて、日本ではどう位置づけられているのでしょうか?

『【経営者は語る第8回】脱ゲームポータルを提案するCJインターネット』

朴且鎮氏:まず日本におけるNetmarbleの現状としては、率直に言って厳しいです。韓国でヒットしている作品を日本に持ってくれば当たるかというと、もちろんそんな単純な話ではありません。韓国CJ Internetはポータル事業が主体ですから、自前で持っているIP(知的所有権。作品やその版権)はそれほど多くありませんし、ユーザー層も違います。本社の者と話すにしても情報交換が主で、CJインターネットジャパンの運営については内部で考え、決めています。また、そういうものだと思っています。

――少なくとも日本市場へのアプローチについては、Netmarbleの“支店”といった位置づけではまったくない、ということですね。

朴且鎮氏:はい、ありません。そして、従来型のゲームポータルの手法が今後も成り立つかどうか、考えなくてはいけない時期に来ていると思います。時代の流れに沿って、新たなチャレンジが必要だと思っています。

――それはたいへん興味深い論点ですね。

朴且鎮氏:そういった認識を社内で共有しており、ゲームポータルという手法については全面的に見直しを行う必要があると思っています。その結果どうなるかについて、性急に答えを出すつもりはありませんが、現在キーワードとして考えているのが“コミュニケーション・エンターテイメント”という言葉です。

 売り上げを増やして利益を上げるのは会社として必要なことですが、そのために本社や社長がただハッパをかければいいというものではありません。スタッフみんなで考えて“これをやってみたい”という意気込みを持てるものにまでブラッシュアップしていかないと、魅力のあるサービスは作れないと思っています。

――そのキーワードを形にする作業は、もう始まっているのでしょうか?

朴且鎮氏:ゲームポータルの再検討については、社内プロジェクトとしてすでに取り組んでいます。その結論しだいでは、Netmarbleという名前を使わなくなるかもしれません。

――サービス名から一新した何かになる、ということですか。

朴且鎮氏:イメージとしては、日本発で世界に受け入れられる、新しいサービスであってほしいと思っています。私達が世の中に向かって打ち出したい価値や哲学とは何なのか? そのあたりから議論を始めました。

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