2010年7月30日(金)
――ええと、だいぶ抽象論が続いたので、そろそろ目に見えるゲーム自体に話を戻したいのですが(笑)、『SDガンダム カプセルファイターオンライン』の中で、いま話してきたような新しいコミュニティ手法の一端が見えるのは、どんな部分でしょうか?
秋山氏:“マイレージ”および“大隊”との仕組みですね。まず大隊についてですが、これは居住地域ごとのまとまりで、最終的に都道府県単位になるよう調整中です。今後“コロニー戦”といったコンテンツを考えていまして、例えば関東地方のプレイヤーが集まってこのコロニーを占領する……といった流れを作っていこうと思います。
“マイレージ”は、コミュニケーションをとることでポイントが溜まっていく仕組みです。blogを書く、SNSにログインする、誰かの発言にコメントするといったことを通して、新しいモビルスーツ等が手に入ります。韓国版ではプレイで上げた戦果が評価される仕組みだったのですが、そこは大きく仕様を変更しています。
――競争以外の関係性要素を加えているわけですね。
秋山氏:知らない人同士の集まりに入っていくのはたいへんですが、『ガンダム』という話題と興味を共有していることで、その抵抗はかなり緩和されているようです。
――確かにガンダムを扱ったオンラインゲームでは、プレイそっちのけでガンダムトークが繰り広げられる傾向はありますよね。
秋山氏:そのガンダムトークの部分をオープンにして、どこからでも見えるようにしたら……という取り組みとも言えます。あるモビルスーツの歴史であるとか、盛り上がる話題はいろいろでしょうが。日本発のIPで、同様の展開が可能な素材はそれなりにあるはずです。『イース』も本来、そう言えるかもしれませんしね。
――ただ、マイレージ欲しさで一言コメントばかりが増えるとか、見ているといろいろ今後の課題もありそうですね。
秋山氏:そうですね。話題をどう提供していくかという部分も重要で、開発ロードマップの見直しなど、いろいろ進めているところです。近々に“足跡”の機能も追加予定ですし。
――同時接続プレイヤー数が1万を突破したことについては、先ごろ発表がありましたが、会員総数などは公開していますか?
秋山氏:会員数については発表していません。同時接続者数は、週ごとに順調に伸びていますね。それと、いわゆる課金率が高いのがこの作品の特徴のようです。普通のMMORPGに比べて、3倍くらいの数字をキープしています。プレイを継続している方の大部分が、何かしら買ってくださっています。
――では最後に、今後のCJインターネットジャパンがどんな楽しさを提供していくか、読者の方に向けたメッセージをよろしくお願いします。
朴且鎮氏:いままでオンラインゲームというとコンテンツ主導の面が大きかったと思います。でもこれからは、サービス主導で考えなければいけないと思います。一つのゲームがおもしろいといっても限界がありますので、付随する魅力も含めた“文化商品”として扱わなければ、ビジネス展開が難しい時代になってきていると感じます。そこをきちんと意識して提供することで、ほかにも選択肢がいろいろある中で弊社のコンテンツを選んでいただいたユーザーさんが、決して時間を無駄にしたと感じないよう努力していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
――本日はありがとうございました。