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2011年2月21日(月)

腕で戦うか? 頭で戦うか? 新たな切り口の『アーマード・コア V』その魅力とは

文:電撃オンライン

 フロム・ソフトウェアが2011年内に発売するPS3/Xbox 360用ACT『アーマード・コア V(以下、ACV)』。2月10日発売の『電撃PlayStation Vol.489』に掲載された、プロデューサーインタビューの完全版を掲載する。

『アーマード・コア V』 『アーマード・コア V』

 『ACV』は、人気メカACT『アーマード・コア(以下、AC)』シリーズの最新作。今作では、チームによる領土争いというこれまでにない遊びを搭載し、さまざまな変化と新要素を収録した新たなメカカスタマイズアクションゲームとして生まれ変わっている。今作でもプロデューサーを務める鍋島俊文さんに、その変化とこだわりを伺った。

■個人同士が競うゲームからチーム同士で競うゲームへ

――昨年のタイトル発表より、約1年を経て大きく姿を変えました。どのような経緯で、このような変化が起きたのでしょうか?

『アーマード・コア V』

 まず、ファンの皆さんには大変申し訳なく思っています。発表した時は、2010年中には発売するつもりで作っていて、昨年の段階では、僕も開発陣も「『AC5』はこんな形になる」というのが見えてきたところでもありました。その時点でも、いろいろ新しい試みは入れていたのですが、チームによる領土争いのような要素はなく、ある意味“従来の方向性のなかで質が上がった『AC』”という形で作っていました。けれど逆に「それでいいのかな? 本当にみんなに受け入れられるゲームになるのかな? 本当にみんなに受け入れられるゲームになるのかな?」という疑問もありました。

 その時に、バンダイナムコゲームスさんからお話をいただき、『AC5』を制作する我々の開発力と、バンダイナムコゲームスさんの持つ幅広い海外での展開力という両社の強みを生かして、「時間や開発費を掛けてもいいから、一段上の『AC』にしようよ」という方針になりました。そこから「一段上の『AC』って何?」という話をし始めて、それまで作り上げてきた『AC5』を一旦バラして、今は『ACV』として再構築している状況です。

――なるほど。新しい姿を見せた『ACV』の中身は、だいぶ形作られてきたということでしょうか?

 そうですね。時間を掛けた分、相当大きな規模のゲームになりましたが、全体像は見えてきています。改めて発表した『ACV』は、ある種のオンラインゲームのような作品になっています。なので、今後テストのようなものも重ねていく必要があると考えています。

――ある種のオンラインゲームですか。何だか壮大な感じがしますが、まずは要点をかいつまんで教えていただいてもよろしいですか?

 基本的に今までの『AC』は、オンライン要素はあっても、1人で遊ぶモードとははっきり分かれていて、しかも対戦で遊ぶというのが前提でした。けれど『ACV』は、基本オンラインで遊ぶゲームになっています。ゲームを起動するとまずはネットワークにつながって、そこに従来で言うストーリーモードのような遊びも全部乗っかった形ですから、『ACV』にはオンラインモードとシングルモードといった境目が、そもそもありません。

 もう1つ特徴的なのが、“チームで遊ぶ”ということです。ネットワークにつないだ状態でも、1人で遊ぶこともできますが、チームを作ってみんなで楽しんでもらうということが『ACV』の一番大きなコンセプトです。チームというのは、野球チームやサッカーチームのような感覚で、原則的には固定のメンバーで一緒に遊ぶことになります。

『アーマード・コア V』

 その中でプレイヤーは、チームを強くして、より大きな存在にしていくことを目指していきます。学生の野球チームにたとえれば、みんなで全国大会を目指そうという感じに近いですね。勘違いしてもらいたくないのですが、『AC』というゲームがアクションゲームであって、ゲームの核となる部分がそこにあるという認識は、これまでとまったく変わっていないので、1人1人が強くなる、うまくなることはもちろん必要です。ですが『ACV』には、そうした個人の腕前が大前提にあった上で、チームとして勝つためにはどういった強さが必要で、どういう“うまさ”を目指すのか、というのがいろいろ試行錯誤できるゲームだと思っています。

――非常にボリュームの大きなゲームになっているようですが、どのような遊び方の流れになるのでしょうか? また、チームの目標とは何になるのでしょう。

 ゲームを起動すると、ネットワークにつながってワールドマップが表示されたトップ画面に移ります。そこがメインメニューの代わりになって、ミッションやアセンブリ、その他の新たなシステムなど、いろいろな遊びをしていくことになります。その中でメインになるのが、他のチームの領地に攻めていくミッションです。

 『ACV』ではプレイヤーが集まってチームを結成しますが、チームは領地を獲得することが目的になります。領地に攻めていくミッションは、チームでプレイするのが基本になると思います。けれどチームのメンバーがそろわない場合もあると思うので、1人でサクッと遊べるようなミッションもありますし、それとは別にストーリーに沿ってプレイするスケールの大きなミッションもあります。

――今までのようにストーリーミッションをクリアして、パーツをそろえていく必要はないのでしょうか?

『アーマード・コア V』

 『AC』の場合、「1人でミッションをプレイしていくのが好きだ」という人もいれば、「とにかく対戦が好きだ」という人もいます。なので、どちらか一方をプレイしないと、もう一方のプレイに支障が出るような形はまずいと思っています。ですからストーリーだけをプレイしていても、逆に領地のミッションだけをプレイしていても、機体のパーツなどに関しては、ひと通りのものが手に入れられるようにします。どちらかを強制する仕組みにはしていません。

――基本オンラインでありながら、1人で遊んでもチームで遊んでもかまわないとのことですが、そもそもオフラインで遊ぶことはできないのでしょうか?

 物理的に接続できない環境の場合ですよね。その場合でもプレイ可能です。オフラインの状態でも、1人用のミッションをプレイできますし、例えばストーリーミッションなどは問題なく遊べます。仮にそこだけでも、これまでの『AC』と比べても十分なボリュームの内容を遊ぶことができるようにはしています。

→戦略SLGのような領地争いを繰り広げるチームの戦い(2ページ目へ)

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