2011年8月4日(木)
カプコンが本日8月4日に発売した3DS用ソフト『謎惑館 ~音の間に間に~(以下、謎惑館)』。本作を手掛けた中井実ディレクターにインタビューを行った。
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本作は、館で目覚めた主人公を操作して、館の出口を探していくAVG。“オトフォニクス”という立体音響技術を用いることで、ヘッドホンを使ってプレイするとまるで自分の周囲で鳴っているかのように、“音”を立体的に聴くことができる。ボタン類は使わず、ジャイロセンサーやモーションセンサー、タッチスクリーンやマイクなど、3DS独自の機能を使って操作する、これまでにないゲームだ。
中井ディレクターは、これまでにPS2『鬼武者3』やWii『バイオハザード4 Wii edition』などのディレクターを務めた人物。またゲーム開発以外にも、水木一郎&田中公平の強力タッグ『バイオニック コマンドー』応援ソングや、『宝塚歌劇×逆転裁判』のコラボレーションを手がけている。
そんな中井ディレクターに、『謎惑館』開発の経緯や、新技術にまつわる苦労話など、開発秘話を語ってもらった。本作に興味がある人、新たな遊びに触れてみたい人は、ぜひご覧いただきたい。
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――まずは本作の開発経緯を教えてください。
今までにないまったく新しいゲームを作りたいと思ったんです。3DSの機能をフルに使って、3DSでしか遊べない……さらにボタン類をほとんど使わず、誰にでもプレイできるゲームを作りたいと思ったのが最初です。
――3DSの仕様を見た時に、「ハードの性能を生かしたソフトを作りたい」と思ったのでしょうか? それとも、もともとそうしたゲームを作りたいという構想があったのでしょうか?
2005年にDSの音声入力のツールを見せてもらったのがキッカケですね。それを見て「これはおもしろい!」と感じて、音だけで遊べるゲームを作りたいと思いました。
――ボタンを使わずに、声で操作できるようなゲームですか?
聞いて話すだけで、遊びが成立するゲームですね。ただ、その時もいろいろな仕事があり、3DSというハードのアナウンスがある2010年まで機会がありませんでした。3DSについて聞いた時に、「このハードで、あの時に考えていたゲームを作ろう!」と思いましたね。
そして企画書を書いている時に、時田君というプランナーに話をしてみたところ「立体音響も使ったらどうですか?」という意見をもらったので、その要素も加えることにしました。さらにジャイロセンサーやモーションセンサーを入れる、といったように構想が膨らんでいったんです。
――考えていたものとハードの特性がミックスされ、『謎惑館』の原型となるものができあがったんですね。
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はい。最初に考えていたのは音のみで画面がなくて、まったく違うゲームでした。最近はゲーム開発費がすごく高くなっていて、それが問題だと感じており、絵が無ければ低予算で作れると思ったんです。ただ、3カ月かけて試作品を作っている内に、やはり絵がないと困ることに気付きました。絵がないと、立体音響のよさが出ないですし、さらに遊びのバリエーションが出せないんです。そうやって、どんどん形が変わっていきました。
――本格的な開発はいつごろスタートしたのでしょうか?
2010年の2月に3DSの仕様を見て企画書を作成し、3月に社内プレゼンにかけて了承を得ました。そこから試作チームのメンバーが集まるまでに少し時間がかかって、4月の半ばくらいから7月くらいまでで試作品を作りましたね。1カ月かけて色々な社員から社長までプレゼンしたところ、「これはおもしろい!」という話になって、本格的な開発がスタートしました。その時点で、9月くらいになっていましたね。
――立体音響AVGというジャンル表記になっていますが、AVGでやることは最初から決まっていたのですか?
館の中をうろついて出口を探していく点は変わっていません。ただ最初は、館の中を好きにうろつけて、分岐がある仕様にしていました。ところが、音をもっと聴いて、しゃべって、世界に没入してもらえば、分岐はジャマになるだろうと思ったんです。ですので「この部屋入っていないから、後で行ってみよう」ということはやめて、体感アトラクションのような、流れに沿っていく形になりました。その方が、ライトユーザーにも気軽に遊んでもらえると思ったからです。
――ライトユーザーというお話が出ましたけれども、ターゲットとして意識していたのはどんな層だったのでしょう?
幅広くどんな人にも遊んでもらいたいと思っています。最初に決めていたのは、AVGやサウンドノベルゲームのファン。あとは謎解きゲームファンで、立体音響やジャイロなどの新しい遊びに興味がある人、北島行徳さんや上杉忠弘さんのファン、出演声優さんのファン、あとはライトユーザーとカプコンゲームのファンですね。
ガチのアクションゲーマーはターゲットに入っていないのですが、そうした方たちも“ちょっと変わったヘンなノリ”が好きでしたら、本作は楽しんでもらえると考えています。
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データ
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