2012年8月8日(水)
――本作には、CD Projekt RED独自のゲームエンジン“RED Engine”が用いられているとのことですが、どういった経緯でエンジンを自社で開発することになったのでしょうか?
ショスタックさん(以下、敬称略):最初に使っていたエンジンでは、開発チームが表現したいことが叶わなかったんです。しかし、我々のモットーは「ないものは自分で作ってしまえ!」ですので、自分たちで開発することにしました(笑)。
――素晴らしいモットーですね! ちなみに、表現したかった部分とはどういったものでしょうか?
パナシュークさん(以下、敬称略):それこそ全部ですね(笑)。強いて言うなら、暗殺のシーンとボス戦です。このエンジン自体は4年近く開発を続けていて、まだまだ発展途上なんですが、今作(Xbox 360版)に関してはメモリを最大まで使うことができたので非常に満足しています。ハードに最適化した『ウィッチャー2』が見事に表現できたのではないかと思います。
ショスタック:本作は物語が大きく2手に分かれ、その中でも展開が細かく分岐するので、それぞれのカットシーンを作り込むうえでもRED Engineは非常に役に立ちました。
――物語の分岐をすべて体験するとしたら、一体どれだけの時間がかかるのでしょうか?
パナシューク:難しい質問ですね。1回のプレイは大体45時間で、エンディングは16種類用意されています。“誰が一番早くすべてのエンディングを見られるか”という大会も行ったんですけど、それでさえも相当な時間がかかりました(笑)。
ショスタック:本編中にはサイドクエストというものがあって、そこではトークの選択肢による分岐以外に、移動ルートの分岐などもあります。それによって見られるカットシーンが変わってきますし、そこで選んだことは今後の展開にも影響します。また、各サイドクエストには結末が4種類用意されているので、全部を見るためのプレイ時間は、きっと天文学的な数字になりますね。
――なるほど。単純に16周プレイしただけでやり尽くせるものではないと。
パナシューク:16種類のエンディングが用意されているというより、正確には“『ウィッチャー2』の歴史に16通りの動きがある”といったほうがいいかもしれません。たとえば、ある国は滅亡して地図上から消えてしまうとか、ある人物は生き残っていたとか。つまりは、いろいろな道を選ぶことで異なる歴史が徐々に刻まれていき、最終的に16通りの結末が生まれるわけです。
ショスタック:歴史が変わるような選択の場面でも、選んだ時点では特に大きな変化は見られません。それが正しいのか、間違いなのかということも含めてです。物語を進めていくうちに、「ああ、あの時にあの決断をしたのがダメだったのか!」と、後々気付かされるようなカラクリになっています。そこも本作の見どころですね。
――新しく追加された難易度“ダークモード”は、ノーマルと何が違うのでしょうか?
パナシューク:ダークモードの大きな特徴は、“コンプリートすることで真価を発揮する新たなアイテムが登場する”ということです。1つでも欠けていると、それらはいわゆる呪いのアイテムになってしまい、装備している間は体力が徐々に減少するといったデメリットが生まれます。しかも、それらを揃えないとゲームを進めるのがツラくなるように調整していますので、ものすごくシビアな難易度だと思いますよ。
ショスタック:そもそも、PC版ではダークモードのような超難易度のモードがなくても「難しすぎる!」という声が上がっていたんです。それにもかかわらず、なぜXbox 360版でダークモードを入れたのかというと、「PC版は簡単すぎたよね?」と中和させる形で提供したかったというのもあります(笑)。ダークモードでのクリアが条件の実績もあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
――日本のXbox 360のユーザーは、数こそ多くはないですがコアゲーマーが揃っているので、ナイスな調整だと思います!
ショスタック:ダークモードを最初にクリアするのは誰か、リーダーボードで誰が一番になるか、といった情報を私たちは楽しみに待っています。
――ゲラルトが扱う武器には、剣以外にどういったものがありますか?
パナシューク:斧やピッケルなどいろいろな武器が用意されています。おもしろいところでは、ホウキなんかもあります。開発スタッフの中には、ホウキだけでクリアしたツワモノもいますよ(笑)。
――物語の途中で、仲間がどんどん加わっていくといった展開はあるのでしょうか?
ショスタック:ゲラルトはあくまで孤独な戦士という設定なので、ゾロゾロとパーティを組んで戦うことのほうが少ないです。ただ特定の場面では、ゲラルトと親しい女性の魔術師が一時的に戦闘のサポートしてくれたりしますよ。
――多い時で、どれくらいの仲間が加勢してくれるのでしょうか?
パナシューク:最大で5人の仲間がゲラルトの手助けしてくれます。まあ、パーティという形でなければ、大勢の兵士たちと共闘する場面もいくつかありますよ。
――戦闘システムの1つにQTE(クイックタイムイベント)がありますが、これはどういった状況で起こるのでしょうか?
パナシューク:QTEが発動するポイントはあらかじめ設定されています。たとえば、素手で格闘することになるシーンとか、戦闘中にボスが体勢を崩した時とかですね。ちなみに、オプションメニューからQTEのオン・オフ切り替えもできます。
――最後に『ウィッチャー2』を楽しみにしている読者に向けてメッセージをお願いします。
ショスタック:私たちの情熱を注いだ最高傑作が、日本のユーザーの方々にプレイしてもらえることが楽しみでなりません。できることなら、私たちやCD Projekt REDのホームページにプレイした感想や意見などをいただけると、とてもうれしいです。
パナシューク:『ウィッチャー2』が日本でリリースできることを大変うれしく思っています。日本には世界に類を見ないほどのハードコアなゲーマーが多いと聞いているので、本作なら存分に楽しんでいただけると踏んでいます。今後も、こういったハードコアな方々が満足できるような作品を作り続けていくので、期待していてください。
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