【レビュー＆攻略】『隠り世の村』人が忽然と消える廃村に隠された謎を解き明かすミステリーアドベンチャー（電撃おすすめアプリ 第88回）

文：リプトン熊田

■かつて住民が消え、そして撮影隊も消えたという山間の村に潜入せよ！

　山奥にある小さな村・日成志村（ひなしむら）では、かつて村人が消えるという謎の事件が起きました。そこは元々廃村になることが決まっており、近いうちにダムの底に沈むはずだったのですが、それに反対する少数の村人が立ち退きを拒否。普通に生活を送っていたのですが……ある日、彼らは忽然と姿を消したのです。そして工事が始まると、村人たちの呪いとばかりに謎の事故が多発。そのせいでダムの建設は中断されていました。そんなある時、人が消えるという噂を聞きつけたTV局のスタッフが取材のために村を訪れます。しかし彼らもまた、村で姿を消してしまうのです――。

▲怪奇スポット特集の番組撮影のため、村を訪れたTV局のスタッフたち。彼らもかつての村人と同じく、姿を消してしまいます。

▲村に残っていた住人たちは忽然と消え失せ、未だ行方不明のまま。残ったのは、その事態を発見した町医者ただ1人だけです。

　オカルト雑誌『噂の傀儡』の編集長から、その村の取材を依頼された主人公・朱津川國彦は、強引にくっついてきた編集長の妹・雪香とともに村を訪れることに。彼らは、同じく取材しに来ていたTV局のスタッフに同行するカタチで、日成志村へと入っていきます。

▲主人公のルポライター・朱津川國彦。オカルト雑誌の仕事を請け負うことが多いわりに、怪奇現象をまったく信じないリアリスト。		▲編集長の妹・鞘谷雪香。シリーズを通して主人公の相棒を自称しており、今回も無理やりくっついてくることに。いろいろな意味で自由人。		▲かつて村で失踪したスタッフの同僚で、新たに編成された撮影隊のリーダー・里山礼子。視聴率のためなら手段を選ばない。

▲礼子に厚い信頼を寄せられている敏腕カメラマン・熊追博和。無口で無愛想、そのうえ強面だが、撮影の腕は確か。		▲駆け出しのレポーター・美月未来萌。まだまだ経験は浅いが、いつも明るく元気に仕事をこなし、礼子にも気に入られている。		▲売り出し中のグラビアアイドル・星影千尋。今は名前を売るため、どんな仕事でも積極的に挑戦している。胸部がすごい。

▲当たらないことで有名な占い師・流麗。TV映えするという理由だけで呼ばれているのだが、当の本人は大物気取り。		▲医者の飯野政夫。元々日成志村の住人で、村人が消えているのを発見した人物。村までの案内役として同行することに。		▲町役場の職員・西木雄太。子どものころは日成志村に住んでいたが、今は近隣の上日向町で働いている。

　村に着くと、TV局のスタッフ陣は早速撮影を開始。主人公たちも自分たちの取材のため、村内を回ります。そうこうするうちに辺りは真っ暗。途中でいくつかのハプニングはあれど、撮影は順調に進んでいきます。

▲撮影スタッフによるドッキリ企画が成功し、マジ泣きする女性陣。まぁ、そんなことより千尋さんの胸部に目が行ってしまうわけですが。

　ところが、土砂崩れに浸食された民家の中から白骨死体が見つかったことで事態は急転！　急いで警察を呼ぼうとする主人公たちと、警察が来る前に死体を撮影したいTV局のスタッフ側で意見が分かれ、同行していた町役場の職員がトツゼン行方不明となり、さらにはスタッフの1人が失踪するなど、状況はどんどん混乱していきます。

▲土砂の中から白骨化した死体が！　見たところ消えた村人ではないようですが……いったいこの村で、何が行われたのでしょうか？

　そして、行方不明者を捜す彼らの前に現れる仮面の怪人。それは村に伝わるという餓鬼・薜茘多（へいれいた）なのか、それとも……!?

▲誰もいないはずの廃村に、突如として謎の怪人が出現！　真っ暗な廃村にこんなんが立っていたら、間違いなく失禁する自信があります。

　この辺りから、物語は加速度を増していきます。見つかった死体の正体は？　失踪したスタッフの行方は？　そして“人が消える”という噂の真相とは？　限られた情報を整理し、証言や証拠を集め、逆に犯人を追い詰めていく――そんなミステリー作品特有のカタルシスをぜひ、本作でも味わってください！

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関連サイト

• 『朱津川國彦の奇譚ルポ』シリーズ公式サイト