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2013年9月18日(水)

『マジック:ザ・ギャザリング』最新セット『テーロス』を徹底分析! 新能力から注目のカードまで全部見せます【白・青・黒編】

文:電撃オンライン

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■『テーロス』注目カード紹介:黒■

 さて、次は黒のカードを紹介しましょう。まずは黒の“神”、《死者の神、エレボス》です。

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 “信心”を集めてクリーチャーになった時の5/7という高いタフネスが目につきますね。“破壊不能”なのであまりタフネスには意味がないはずですが、“神”ごとに異なるタフネスを持つのは、もしかすると続くエキスパンションでタフネスを大きくマイナスするカードが出る前触れなのかもしれないわね。

 《死者の神、エレボス》は対戦相手がライフを得られなくなる能力と、マナとライフを支払ってカードを引く能力を持っています。まずライフ回復を禁止する能力ですが、前環境で猛威を振るった《スラーグ牙》こそ退場したものの、まだ《スフィンクスの啓示》や《テューンの大天使》といった、ライフ回復効果を持つ強力なカードが存在しているわ。これらへの自然な対策となるのはうれしいところね。

 また、対戦相手にライフを与えてしまうカードのデメリットを帳消しにする効果もあります。例えば《肉貪り》なら相手はただクリーチャーを生け贄に捧げるだけだし、《慈善獣》は4マナ6/6デメリットなしという緑もびっくりなクリーチャーになるわ。

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 カードを引く方の能力については、今すでにそこそこ使われている《地下世界の人脈》とどっちがいいか、という話になるんじゃないかしら。《地下世界の人脈》はライフの消費は少ないけれど、1ターンに1回しか使えないし、『テーロス』参入後はどのデッキにもエンチャント対策が積まれることも予想されるわ。ただ《地下世界の人脈》そのものが“信心”を稼げるので、両方投入するという選択肢もあるかもしれないわね。

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 さて、今度は《死者の神、エレボス》の持つ武器、《エレボスの鞭》を見てみましょう。

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 まず、自軍のクリーチャーすべてに“絆魂”を与えるというのがすでに強そうね。これで得たライフで、持ち主である《死者の神、エレボス》の能力を使ってドローを加速させるというのがオーソドックスな使い方になるでしょう。もちろん《地下世界の人脈》でもいいけれど。また、ライフを得る機会が増えるので《天使の協定》や《テューンの大天使》との相性も非常にいいわね。特に《天使の協定》は、天使トークンで戦闘するだけで新しい天使トークンを生み出せるようになるのがいいわ。

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 もう1つの能力は墓地からクリーチャーを戦場に戻す“リアニメイト”ね。復活させたクリーチャーはターン終了時に追放されてしまうけれど“速攻”を持つので1回は攻撃できるし、戦場に出た時の能力を再利用することもできるわ。また、特筆すべきは自分から追放領域に行けるカード、具体的に言うと《幽霊議員オブゼダート》とのコンボね。

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 《幽霊議員オブゼダート》を墓地から戻した場合、ターン終了時に自らの能力で追放領域に置かれます。そのため、次のターンにはまた戦場に戻ってくることができるのです。もともと除去耐性の高いクリーチャーでしたが、これで《変化/点火》のようなカードにも耐性を得ることになったわね。

 『ギルド門侵犯』で鳴物入りで登場したわりには、あまり使われていなかった印象がありますが『テーロス』後は彼を見かける機会も増えそうです。もちろん、墓地にある間に《安らかな眠り》や《漁る軟泥》で追放されてしまうこともあるので過信は禁物よ。

 オブゼダートと言えば、彼にまつわるフレイバー・テキストが印象的な《無慈悲な追い立て》は今後注目のカードです。“破壊不能”を持つ“神”をはじめとする除去耐性の高いカードやプレインズウォーカーに1枚で対処できるため、今後はエスパー(白青黒)コントロールなどに見られるカードになるのではないでしょうか。

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【補足授業】エスパーって何?

 “エスパー”というのは、かつて発売された『アラーラの断片』ブロックに登場した、5つの色の組み合わせを示す言葉の1つよ。その5つはこんな感じね。

・バント(緑白青)
・エスパー(白青黒)
・グリクシス(青黒赤)
・ジャンド(黒赤緑)
・ナヤ(赤緑白)

 このように、『MTG』には色の組み合わせを示す言葉がよく出てくるわ。最近だと『ラヴニカへの回帰』ブロックに出てきた“アゾリウス(白と青)”や“グルール(赤と緑)”などもそれにあたるわね。

 話が少しわき道にそれました。『テーロス』のレビューを続けましょう。除去が出たので、次は除去呪文を紹介したいと思います。《英雄の破滅》をどうぞ。

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 クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体を破壊することができるわ。同様の効果を持つ《戦慄掘り》は赤黒のソーサリー呪文でしたが、こちらは単色の3マナインスタントとなっています。3マナはやや重い印象があるけれど、それでも戦場に出たプレインズウォーカーをそのターンのうちに始末してしまえるのはやはり強力と言えるでしょう。黒を含むコントロール系のデッキでは十分に採用される余地があると思うわ。

 さて、次は除去に続いて黒らしい要素の代表格である手札破壊を見てみましょう。《思考囲い》です。

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 2点のライフと引きかえに土地でないカードを何でも捨てさせることができます。対ビートダウンではクリーチャーを、対コントロールではドローや打ち消しをというように、あらゆるデッキに刺さる万能の手札破壊呪文です。すでにモダンやレガシーでは多くのデッキに採用されており、スタンダードでも今後2年間活躍するでしょう。また、黒は“神”に対抗する手段が少ないので、そういった意味でも重要ね。

 続いて『テーロス』の新能力“英雄的”を内蔵したクリーチャーを紹介します。

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 《運命の工作員》はあなたが呪文で対象に取るたびに対戦相手にクリーチャーを1体、生け贄に捧げさせます。本人も3マナにしてパワー3かつ“接死”と十分な戦闘能力を持っています。黒の呪文はクリーチャーを破壊するものが多く、他の色に比べて“英雄的”を誘発しにくいため、そのぶん効果が強力になっているようね。能力を活かすためには黒単気味のデッキよりも白や緑などと組み合わせるといいでしょう。相手がこれを除去しようとしてきたら《神々の思し召し》や《巨大化》で守ってあげれば、ついでに相手のクリーチャーを減らすことができるわ。

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 最後になったけど、今回“神”の試練として、サイクルで収録されているエンチャントから1つ紹介しておきましょう。オーラ呪文の《エレボスの試練》です。

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 この“試練”オーラは共通して、エンチャントされているクリーチャーが攻撃するたび+1/+1カウンターを乗せ、カウンターの数が3つ以上だと“試練”達成として生け贄に捧げられ、報酬として何らかの効果を発揮するわ。《エレボスの試練》の場合は相手に2枚手札を捨てさせることができるわ。

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 各“試練”の中でもカードアドバンテージを得られるのが青・黒・緑の試練だけど、特に黒と緑に関しては《ロッテスのトロール》という非常に相性のいいカードが存在するため、構築環境でもチャンスがあるかもしれないわ。クリーチャーカードを捨てることで容易に“試練”を達成できるうえに、それが“活用”クリーチャーなら捨てたこともムダにならないし、特に《滑り頭》があれば、アっという間に“試練”でアドバンテージが取れるんじゃないかしら。

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▲『ラヴニカへの回帰』ブロックで登場した黒緑のカードが持つ“活用”や《死体屋の脅威》などと各種“試練”は好相性ね。これを軸にしたデッキは組んでみる価値があると思うわ。

 さて、今回は『テーロス』の特徴と白・青・黒のカードを紹介しました。いつもであれば、一息にすべてのカードを紹介するところですけど、今回は紹介しておきたい要素が多すぎるのよね~。最初に言ったとおり、2回にわけて紹介しますので、後編もぜひチェックしてくださいね!

→赤・緑・多色、そしてその他のカードはこちらから!(後編へ)

(C)1995-2013 Wizards of the Coast LLC, a subsidiary of Hasbro, Inc. All Rights Reserved.
記事内イラスト:うさ城まに

データ

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